地域密着型ブルワリーが今注目!「ビールの最新トレンド2021」20選【後編】
ビールが美味しい季節がきた!テイクアウトできる店や造りたてが味わえるブルワリーの登場など、ビール業界はいま、さらに進化しています。サブスクなど多様なサービスも取り入れて、クラフトビールをもっと楽しもう!今回は、全国の魅力たっぷりなビール20種類を3つの記事でご紹介します。
厳選された地域密着型ブルワリー
13|世界のコンテストで受賞を重ねる高品質なビール
三重県・伊勢市「伊勢角屋麦酒」
伊勢角屋麦酒を運営する二軒茶屋餅角屋本店は、約450年の歴史をもつ老舗。大正時代に開始した味噌醤油醸造がビール醸造につながっている。日本地ビール協会主催の「インターナショナル・ビアカップ」で7年連続最多受賞を重ね、うまいビールを世界に送り出している。
原材料|大麦麦芽、小麦麦芽、ホップ(アメリカ産アマリロ、モザイクなど)
アルコール度数|8.0% IBU|35
スタイル|ヘイジーIPA
価格|880円(330㎖)
伊勢角屋麦酒
所在地|三重県伊勢市下野町564-17
設立年|1997年
スタッフ人数|64名
Tel|0596-63-6515
www.biyagura.jp
14|京都に行ったら訪問必須な茶ビールの店
京都府・京都市「京都ビアラボ」
京都駅からほど近い、高瀬川のほとりにあるブルーパブ。もともと地元の茶を活用するためにビールの醸造をはじめ、宇治茶の最高品質を誇る和束産の茶葉を使用した「CHABEER」シリーズがいま大人気となっている。ブルーパブには、「深蒸し茶IPA」や「ほうじ茶スタウト」をはじめとするオリジナル茶ビールが常設された8タップが並ぶ。
原材料|麦芽、ホップ(チヌーク、スティリアンゴールディング)、ほうじ茶(京都和束産)
アルコール度数|6.5% IBU|36
スタイル|スタウト
価格|700円(330㎖)
京都ビアラボ
所在地|京都府京都市下京区十禅師町201-3
設立年|2018年
スタッフ人数|7名
Tel|075-352-6666
http://kyotobeerlab.jp
15|明治から続く茶屋で味わう茶とビール
京都府・京都市「家守酒造」
2019年、明治初期に建てられた京町屋の茶屋を受け継ぎ、京都伏見に創業。水と酒の街と呼ばれる京都伏見にて、日本茶と自家醸造の新鮮なクラフトビールが一緒に楽しめる名所として人気を博している。マイクロブルワリーならではの創造性を追求し、宇治茶の生産農家との連携を生かすことで、茶葉を活用してさまざまなスタイルのビールを醸造。
原材料|大麦麦芽、小麦麦芽、ホップ(マグナム、カスケード、シムコー、モザイク、ローラル)、かぶせ雁ヶ音、ユズ果皮
アルコール度数|5.5% IBU|24
スタイル|ジャパニーズセゾン
価格|600円(330㎖)
家守酒造
所在地|京都府京都市伏見区中油掛町108
設立年|2019年
スタッフ人数|18名(ブルワリー担当は1名)
Tel|075-603-3080
https://yamorido.jp
16|スタウトとおさるで有名な大阪発のビール
大阪府・箕面市「箕面ビール」
ブルワリーが位置するのは、野生の猿が多く生息していることで有名な大阪府の北部・箕面市。地元の農家と協働し、醸造に使われた麦芽粕はロバや鶏の飼料として再利用を行っている。世界のビールコンテストで三度金賞を受賞した「スタウト」が有名で、猿のイラストが描かれた「おさるIPA」の人気も高い。地域の方々に感謝を伝えるべく、毎年、創業感謝祭も実施。
原材料|麦芽、大麦、ホップ(イギリス産ケントゴールディング)
アルコール度数|5.5% IBU|32
スタイル|アイリッシュドライスタウト
価格|418円(330㎖)
箕面ビール
所在地|大阪府箕面市牧落3-14-18
設立年|1996年
スタッフ人数|26名
Tel|072-725-7234
www.minoh-beer.jp
17|ビールを通して「ごみゼロ」をかたちにしていく
徳島県・上勝町「ライズアンドウィン ブルーイング」
徳島県の山間部・上勝町に2015年に創業。「ゼロ・ウェイスト宣言」で有名な上勝町で、「ごみゼロ」を目指しながら醸造に取り組んでいる。ブルワリーの建物には、ゴミ集積所にあった建具や家具を再利用。ビール造りにおいても、地域の特産である柚香という柑橘が搾られた後の皮を利用するなど、サステイナブルな理念が素晴らしい。
原材料|麦芽(ドイツ産)、ホップ(アメリカ産、ニュージーランド産)、柚香
アルコール度数|5.0% IBU|37
スタイル|ニューイングランドIPA
価格|880円(330㎖)
ライズアンドウィン ブルーイング
所在地|徳島県勝浦郡上勝町正木平間237-2
設立年|2015年
スタッフ人数|5名
Tel|0885-45-0688
www.kamikatz.jp
18|斬新なスタイルを送り出す、いま注目のブルワリー
奈良県・奈良市「奈良醸造」
地元・奈良を盛り上げ、「ビールを選ぶ楽しみ」を伝えるために2018年に醸造開始。ホップをふんだんに使ったビールから、果物を搾り込んだ果実感あふれるビール、年単位で長期熟成が楽しめるビールなど、70種類を超えるビールを生み出して、新商品から常に目が離せない。
原材料|麦芽(ドイツ産)、ホップ(スロベニア産スティリアンゴールディング)、ショ糖
アルコール度数|7.5% IBU|24
スタイル|セゾン
価格|2090円(750㎖)
奈良醸造
所在地|奈良県奈良市北之庄西町1-8-14
設立年|2017年(醸造開始は2018年)
スタッフ人数|8名
Mail|info@narabrewing.com
https://narabrewing.com
19|香りも味わいも濃厚さを求めるなら!
島根県・松江市「松江ビアへるん」
アゴ出汁文化や再仕込み醤油など、濃厚な島根の食文化の中で造り上げられたビール。島根県内の酒蔵と共同で「おろち」という銘柄を醸造し、毎年タッグを組む酒蔵は変更されるが、いずれも酒米麹や清酒酵母を使用。日本由来のビアスタイルとして高い評価を受けている。
原材料|大麦麦芽、小麦麦芽、米麹、ホップ(サブロ)
アルコール度数|9.0% IBU|21
スタイル|どぶろくビール
価格|682円(350㎖) ※期間限定商品
松江ビアへるん
所在地|島根県松江市黒田町509-1
設立年|1996年(醸造開始は1999年)
スタッフ人数|9名
Tel|0852-55-8355
www.shimane-beer.co.jp
20|南国を感じられるビールといえばこれ!
宮崎県・延岡市「宮崎ひでじビール」
宮崎の北部、祖母傾国定公園のふもとで1996年に創業。自然豊かな環境で、上質な天然水とフレッシュな自家培養酵母でビールを醸造している。宮崎県特産の日向夏や九州産大麦など、原材料には地元産を使用。醸造タンクも地元で製造されたものを採用している。
原材料|大麦(九州産)、麦芽、日向夏果汁(宮前県産)、糖類、ホップ(カスケード)
アルコール度数|5.0% IBU|20
スタイル|フルーツラガー
価格|500円(330㎖)
宮崎ひでじビール
所在地|宮崎県延岡市行縢町747-58
設立年|1996年
スタッフ人数|17名
Tel|0982-39-0090
https://hideji-beer.jp
text: Ryo Kawano photo: Kazuya Hayashi
Discover Japan 2021年6月号「ビールとアウトドア」
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