ART

世界のトップアーティストもコレクター!
JJ Lin(シンガーソングライター)

2020.9.4
世界のトップアーティストもコレクター!<br>JJ Lin(シンガーソングライター)
JJ Linのオフィス「JFJプロダクションズ」で開催されたライブペインティングの様子

Translation=Chiyomi Sakuma

「天からあふれ出る永遠の祝福と守護を与えてくれる」

私は子どものころから日本語に慣れ親しみ、日本の文化・芸術に興味をもち、家族の友人や、その家族が住んでいた日本を度々訪れていました。

そうした環境で何年にもわたり私はマンガやアニメからポップ/ロック/ニューエイジ/クラシック音楽、ストリート/デザイナーファッション、そして最終的にはコンテンポラリーアートまで、多様なジャンルで日本のアートシーンに関わるようになっていきました。

まるでタイムカプセルや視覚的な日記のように、その時々の思い出の再生機能のように。

私にとってアートをコレクションすることは自己投影です。“今現在”の記憶の一部であり、想像の断片でありまたその時々の心の状態と組み合わさっています。

ちょうど音楽の一篇のように、芸術は私に語り掛け、つながっている瞬間をとらえます。

ART TAIPEI 2017でJJ Linと小松美羽さんははじめて出会い、その後のライブペインティングの感動を経て、オフィス「JFJプロダクションズ」の作品を生み出すことになる
GQ TAIWANの創立イベントの様子。JJ Linがはじめて見て感動したのがこのライブペインティングだ。翌週にはじまったWhitestone Gallery TAIPEIでの展覧会は、オープン前に1500名が並び、警察署に届け出を出したという

私がはじめて小松美羽に会ったのは、ART TAIPEIの展覧会でした。彼女の霊的な作品は、ほかを凌いで圧倒的に際立っていました。

しかし彼女のライブペインティングを別の機会で見たときは震撼させられました。まるでダンスのような、そして儀式のようなパフォーマンスで、ためらうことなく、太く大胆なストロークを描く姿はまるで大きな力に導かれるようでした。そして、彼女は全く自由に思いのままに動いているとわかりました。その様子は私自身が音楽活動しているとき、作曲しているときの感情、状態を思い起こさせました。そして私は彼女のライブペインティングの創作プロセスに欠かせない“音楽とアート”との親和性に強くインスパイアされたのです。

この経験は私の芸術に対する視点を変え、再定義させたのです。

JJ Linのオフィス「JFJプロダクションズ」に飾られている、ライブペインティング作品『聖域-SANCTUARY』

小松美羽のアートは、暗い神秘的で霊的な宇宙の中に希望の念を吹き込みます。
それは留まることなく動き輝き続け、私たちを過去の記憶に浸るのではなく、生きている未来を見るように導きます。

2017年12月23日、この想いから私は彼女に、新スタジオ・オフィス“JFJ プロダクションズ”のオープンに際し、ライブペインティングを依頼しました。彼女が制作に要するであろう1時間余りの音楽をライブペインティング専用の音楽としてJFJプロダクションがオリジナルで構成。この唯一無二の作品は『聖域-SANCTUARY』と名づけられ、いまも私たちのオフィスの入り口のメインファサードにあります。メインカラーの青は、会社のアイデンティティを醸し出し、ゴールドベースは印象的なコントラストとして、また繁栄の象徴として使用されました。
この作品はJFJハウスに天からあふれ出る泉のような永遠の祝福と幾重もの守護を与えてくれるのです。

音楽と美術とのユニークなクロスオーバーは、クリエイティブな世界でのあらゆる可能性に際し、新しい境界線を開き、私の視野や創造的な思想の範囲を広げキャリアを構築する上でより大胆な一歩を踏み出すための後押しとなったのです。

小松美羽の作品、ライブペインティングはこれからの時代、新しい人生を歩むよう進化し、世界中で愛、生命を表す普遍的な言語として、さらにエキサイティングに展開していくと私は確信しています。

今日、私は小松美羽の作品を数点所有していることを誇りに思います。

そしてそれらは世界中から収集した私のアートコレクションの中で特別なひとつとなっています。

以下、小松美羽さんによる『聖域-SANCTUARY』解説
「この作品を描く前に、JJ Lin (林俊傑)さんから『SANCTUARY』に関するある聖書の箇所をいただき、それを読んでイスラエルから感じたイメージを思い出しました。
当時の人々の美しい祈りと清らかな水、ゴルゴダの丘で静かに祈ったあの時に見た光、ヨルダン川の沐浴で見た国境を超える鳩、エルサレムで近づいたケルビム、大地の恵みの雨、大いなる聖水、掘られた穴から出る時に仰ぐ太陽と月。キリストの洗礼を想像しながら、川に足を踏み込んだ時、川向こうのヨルダンを見ると、若い兵士が機関銃を小脇に抱え、向かいにいるイスラエルの兵士とにらみ合っている。
そんな中……ふと頭上を一羽の白い鳩がヨルダンから川を越えてイスラエルへと飛んできた。
ああ、鳥には国境は存在しないのだと、、、
灼熱の太陽に重なった羽が輝いて、その先にある膨張する宇宙の雄大さがイメージとなって頭を支配した。 こういったひとつの現象から、祈りを知る。誰しも平等に愛を求め 天に祈る権利があるのだと。
JJ Linさんの音楽には国境がなく、音楽で世界を平和にするという祈りの下に、このスタジオから発信する『SANCTUARY』があるのだと感じたので、 そのイメージでライブペインティング作品『聖域』というタイトルで描かせていただいた。この会社の入り口にいつまでも「聖域」を守る存在として在り続けたら幸いです」

JJ Lin(リン・ジュンジェ)
JJ林 俊傑。シンガポール出身のシンガーソングライター兼プロデューサー。2003 年のデビュー以来、14枚のソロアルバムを発売、約400回のソロコンサートを開催。音楽事業に加え、アパレル、eスポーツ、カフェ、アートイベントも手掛け、アジア圏で絶大な人気を誇る

小松美羽の「大和力」に影響を与えた恩人たち
1|塩原将志(アート・オフィス・シオバラ代表)第1章第2章第3章
2|齋藤峰明(シーナリーインターナショナル代表)
3|Luca Gentile Canal Marcante(アートコレクター/起業家)
4|JJ Lin(シンガーソングライター)
5|手島佑郎 Jacob Y Teshima(ヘブライ文学博士)
6|加藤洋平(知性発達学者)
7|飛鷹全法(高野山高祖院住職)

小松美羽さんが裏表紙を飾るDiscover Japan10月号もチェック!

Discover Japan10月号では、巻頭特集で小松美羽さんを特集しています。
宗教や伝統工芸など、日本の文化と現代アートを融合させ、力強い表現力で、神獣をテーマとした作品を発表してきた現代アーティスト・小松美羽さんの、すべてが本書に詰まっています。

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text=JJ Lin photo=提供 Translation=Chiyomi Sakuma
2020年10月号「新しい日本の旅スタイルはじまる。/特別企画 小松美羽」


≫日本仏教三大霊山 高野山、比叡山、身延山へ。祈りのアーティスト・小松美羽がめぐる旅(前編)

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