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景色や雰囲気以上に大切なのは人との距離感

2017.2.27
景色や雰囲気以上に大切なのは人との距離感

ディスカバー・ジャパン最新号「積極的移住のススメ」に掲載中の、奈良・三重・和歌山との共同企画「紀伊半島で移住体験!」では、移住体験者として選ばれた3名のクリエイターが未来の自分像を探しに、各県への移住者たちのもとへと訪れました。ここでは誌面に盛り込めなかった、アナザーストーリーを随時更新。第二弾はそこに暮らす人々にフォーカスを当てながら紹介していきます。

イラストレーター兼デザイナーの舞木和哉さんが移住体験で訪れた場所は3つ。三重県多気郡で職業体験のガイドを務めてくれた志村和浩さんが営む「少女まんが館 TAKI 1735」、そして同じ多気郡にある宿泊場所、田舎暮らしも体験できた「つじ屋」。そこから場所を移し、尾鷲市天満地区に住む女性が中心となり経営を営む「天満荘」です。

先に挙げた2つの場所は移住者が運営しており、舞木さんが抱える疑問や暮らし方について相談することができました。「限られたジャンルでの仕事だけでなく、自身のスキルを最大限に生かすこと。それがこの地での暮らし方で働き方」という志村さんの言葉に感銘を受けた舞木さん。「土地に通ううちに、景色や雰囲気はもちろん、それを生み出す人のよさに打たれたんですよね」と移住を決意した理由もポロリ。

移住までに2年かけ、仕事や暮らしを生み出してきたからこそ、その土地をつくるのはそこに暮らす人だと改めて実感したとも志村さんは語ってくれました。

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そうした移住先の生活環境。「自分自身がその土地での暮らしを楽しむことが大切。移住してきたのは私たちで、やっぱりずっと暮らす人とは違うんですよね。とまどいや悩みはありますが、それは移住前もあったこと。この場所だからできる! この地だからこその生き方だ! ということを実感することこそ、移住の醍醐味のひとつかもしれませんね」とつじ屋を運営する高梨さん夫妻は話してくれました。

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一方で移住者を受け入れる人はどうなのでしょうか。「人が来てくれるのは単純にうれしい」。天満荘の運営を行う天満浦百人会の代表・松井まつみさんの第一声です。「自分たちの街の元気が失われつつあることに危機感をもっています。だからこそ、なにができるのかを考え、地元に住む女性を集めて会をつくり天満荘の運営もはじめました。このカフェに訪れてくれるだけでも、街の財産になる。それを超えてこの街に移り住んで暮れるなんてことは、本当にありがたいことですよ」。

人口減少が進む地方では、住む人がその街の力となる。人間関係も移住前後では大きく変わることもあるが、それこそ土地に住み、そこで仕事をするうえでは避けて通れない問題です。「人が少ないから、人手がいる仕事や力仕事には正直参加してほしいですよ(笑)。もちろん、人との距離感や関係は都会と比べて濃い部分があるかもしれませんし、とまどうことも多いと思います。けれど、それはおせっかいとかではなくてこの土地では普通のこと。移住してきた人がこの街を好きになってほしいし、楽しく暮らしてほしいと思っているんです」と松井さんは話してくれました。

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