TRADITIONS

ぼくも私も発酵に夢中!①
発酵なくして日本食は語れない!
世界が注目する日本の発酵食。

2019.11.22
ぼくも私も発酵に夢中!①<br class=“none” /><b>発酵なくして日本食は語れない!</b><br class=“none” /><b>世界が注目する日本の発酵食。</b><br class=“none” />

日本だけでなく世界の食文化の発展に深く関わり、いまあらためて注目されている「発酵」。その魅力を各界で活躍する方々に、各々の視点で語っていただいた《ぼくも私も発酵に夢中!》。1人目は「星のや東京」料理長の浜田統之さんが「食×発酵」について語る。

日本旅館 星のや東京 料理長
浜田統之さん
2013年、世界最高峰の料理コンクール『ボキューズ・ドール』で日本人初世界3位、魚部門で世界1位受賞。「星のや東京」で打ち出す“NIPPONキュイジーヌ”で食文化の新境地を切り開いている

宇宙から見ると地球は陸と海でできていて、その組み合わせが料理になります。たとえば陸のものである肉をただ焼いても美味しくないですが、そこに海由来の塩を入れると美味しく感じる。海の魚に陸の大豆からつくる醤油を合わせるのも同じ。さらにその醤油は発酵しているので、凝縮した旨みが爆発します。それが塩で発酵させた花穂紫蘇なら、より香り高くなる。

つまり陸と海の掛け算で考えたとき、発酵は料理の可能性を広げる手段のひとつなんです。そして、食べ手だけでなく、たとえば牛や豚、鶏を育てる飼料に酵母やチーズを使うと、食材自体も健康になる。

私が「星のや東京」で打ち出している〝NIPPONキュイジーヌ〟は、食のルーツを縄文時代までさかのぼり「日本の天然食材だけで料理をつくる」というコンセプト。その時代に山ブドウを発酵させたワインの原型のような飲みものが造られていた記録があったり、そもそも日本の料理は、醤油や味噌に代表されるように発酵食材を使わないと成り立たない。それが我々の強みでもあります。

海外を見ても、美食家たちの間では無農薬は当たり前で、次に行き着くのは自然に発酵食になる。パリの3つ星レストランのシェフも味噌を取り入れていたり、街でも普通に売られているので、日本が世界一の長寿の国という事実も含めて、今後、日本の発酵食はさらに注目を集めると思います。

文=藤谷良介 写真=是枝右恭
2019年11月号特集「すごいぜ!発酵」

《ぼくも私も発酵に夢中!》
1|発酵なくして日本食は語れない!世界が注目する日本の発酵食。
2|美しさの秘訣以上に“発酵沼”にハマっています。
3|ぬか床はロマンティシズムにあふれている。
4|乳酸菌は健康への近道!発酵が生活を豊かにする。