地域資源を活かして新たな観光に!
文化旅の新聖地とは?
|愛されるまちづくり事例(観光編)
日本各地で進む、その土地ならではの自然や文化資本を生かしたまちづくり。アートや食、デジタル技術の活用といった幅広い事例を、「観光編」と「居住編」に分けて紐解いていく。今回は、観光編の地域資源をニューカルチャーにする、群馬県前橋市/広島県/愛知県大洲市の事例をご紹介!
〈群馬県前橋市〉
水×緑×アートに癒される
前橋の新ストリートで街ブラ

前橋市の中心市街地に位置する馬場川通り。2014年から進められてきたまちの再⽣プロジェクトによって、川沿いにデッキやベンチが設置され、水と緑に囲まれた憩いの場に生まれ変わった。通りの中心的存在が、2020年にオープンした「白井屋ホテル」。世界的建築家・藤本壮介氏が設計した新旧2棟からなり、世界的なクリエイターたちが手掛けた客室ではアートな宿泊体験ができる。

©Shinya Kigure
そのほか、近隣には1階に醸造所、2階にビアスタンドを有するユニークなブルワリーパブ「ルルルなビール」など、個性あふれる店舗が多数集まっていることも魅力になっている。

白井屋ホテル
住所|群馬県前橋市本町2-2-15
Tel|027-231-4618
料金|1泊2食付 4万2270円〜(税・サ込)
www.shiroiya.com
ルルルなビール
住所|群馬県前橋市本町2-1-12
Tel|027-215-8343
営業時間|17:00~22:00、金・土・日曜は12:00~
定休日|火曜
https://lululu.party
〈広島県〉
ひろしま国際建築祭で名建築をホッピング!

まちを変え、人を育て、時代を映す。そんな建築の魅力をあらためて感じられる祭典が、この秋初開催となる「ひろしま国際建築祭」だ。福⼭と尾道にある7つの会場を中⼼に、地域の名建築を未来に残すことをミッションとして、世界的な建築家から未来を担う若手建築家まで総勢23組が参加し、講演会やガイドツアー、ワークショップなど、多岐にわたるプログラムが開催される。
古来、文化と物流の大動脈として国内外をつないだ瀬戸内地域には多様な建築文化が息づく。それを観光資源としてまちづくりに生かそうという試みだ。広島と呉で開催される建築公開イベント「ひろしまたてものがたりフェスタ2025」とも連携する予定で、新たな“建築版”芸術祭が誕生する。


ひろしま国際建築祭2025
会期|2025年10月4日(土)~11月30日(日)
会場|尾道エリア(尾道市立美術館、LOG、ONOMICHI U2など)、福山エリア(ふくやま美術館ギャラリー、神勝寺禅と庭のミュージアム)、瀬戸内海周辺のサテライト会場
開場時間|会場によって異なる
休場日|会場によって異なる
料金|3000円 ※ウェブ購入の場合2500円
https://hiroshima-architecture-exhibition.jp
〈愛媛県大洲市〉
主不在の城下町が
迎えた新城主はツーリスト!?

大洲城のある愛媛県大洲市は、「城下町全体をひとつのホテルと見立て、町中を回遊できる」という斬新なプロジェクトで注目を集めている。「NIPPONIA HOTEL 大洲 城下町」は、点在する古民家を改修し、26棟31室の宿泊施設へと再生した分散型ホテルだ。フロントやレストランへ向かう道すがらのまち歩きが旅の一部となり、歴史ある町並みや文化に触れることができる。

町の象徴・大洲城の木造天守は内部に宿泊できる「大洲城キャッスルステイ」も実施しており、気分はまさに城主。市内を流れる肱川の恵みを受けた鮎や、愛媛の柑橘類・野菜を用いた地産地消の食文化も楽しめるなど、ここでしか味わえない特別な体験を提供するまちとして、魅力を高めている。
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大洲城キャッスルステイ
住所|愛媛県大洲市大洲903
Tel|0120-210-289
料金|1泊2食付66万円〜(税・サ込)
https://castlestay.ozucastle.com
NIPPONIA HOTEL 大洲 城下町
住所|愛媛県大洲市大洲378(フロントOKI)
Tel|0120-210-289
料金|1泊2食付4万1470円〜(税・サ込)
www.ozucastle.com
お食事処 にし川
住所|愛媛県大洲市田ノ口甲392-6
Tel|0893-24-4046
営業時間|11:00~14:00(L.O.)、17:00~20:00(L.O.)
定休日|不定休
www.west-nisikawa.jp
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01|地域資源を活かして新たな観光(観光編)
02|食からはじめる観光地づくり(観光編)
03|地域の魅力を再編集した取り組み①(居住編)
04|地域の魅力を再編集した取り組み②(居住編)
text: Miki Yagi, Tomoko Homma
2025年10月号「行きたいまち、住みたいまち。/九州」































