《奥平明子》
毎日使いたくなるヘビーデューティなガラスのうつわ
飲み口のギザギザ模様や、マットな質感が特徴のグレーのガラス…。吹きガラスならではの形状が生み出す光の揺らぎや透明感が魅力的な奥平明子さんのうつわは、美しい佇まいを見せるデザイン性はもちろん、機能性にも優れている。
渋谷パルコのDiscover Japan Lab.およびDiscover Japan公式オンラインショップでは一部作品を取扱中!
奥平明子(おくだいら あきこ)
2000年、東京ガラス工芸研究所卒業。ガラス工房スタッフを経て制作をはじめる。現在は神奈川・葉山に自宅兼工房を設立し、吹きガラスの技法を用いて作品をつくっている。
食卓の風景をイメージしながらつくる
ガラス作家・奥平明子さんは、透明で存在感が強くないガラスに惹かれ、「ガラスに携わる仕事をしたい」と、ガラス工芸の技法を学べる専門学校「東京ガラス工芸研究所」に入学した。そこで、さまざまな技法を学ぶ中で、ふうーっと息を吹くと一瞬でかたちが変わっていく吹きガラスの虜になった。
「食卓に並んでいるうつわの中のひとつに、自分のガラスもあることをイメージしてつくっています」と語る奥平さん。ガラスは繊細で割れやすいというイメージもあるが、彼女のうつわは、日常使いでも安心して使用できるように、ガラスに厚みをもたせ、耐久性を高めている。そのヘビーデューティさは、温度差さえ気をつければ温かい料理に使うこともできるそう。使い手の心配を払拭する奥平さんの細やかな気遣いは、自身が子育てを経験しているのと無関係ではないだろう。
奥平さんのトレードマーク「ギザフチ」とは?
奥平さんのうつわのトレードマークとして、フチのギザギザ模様が印象的な「ギザフチカップ」と、マットな質感が特徴の「石カップ」がある。
ギザフチカップは、高温に熱せられた柔らかい状態のガラスのふちに、クリンプと呼ばれる型押し道具で一つひとつ丁寧にギザギザをつけていく。その後、通常の制作と同じようにかたちを整え、出来上がったらガラスを冷ます徐冷炉という装置で、一晩かけてゆっくりうつわを冷ます。
幼少期の石集めから生まれた「石カップ」
幼少期から石集めが趣味だった奥平さん。かたちや柄などに関係なく、出合ったときの直感で「よい」と思ったものを持ち帰っていたという。今でもその趣味は変わらず、石と磁石を組み合わせて、冷蔵庫に付けるようなマグネットをつくったりしている。そのため、奥平さんが作陶を深める中で石とガラスが結びつくのも必然だった。
「石カップ」は、柔らかい透明なガラスの表面にグレーの粉ガラスをまぶして色をつけ、冷めて出来上がったガラスの表面にサンドブラストをかけてマットな質感に仕上げている。
「ついつい手に取ってしまううつわ」を目指して
余分な装飾などをそぎ落としたシンプルなデザイン性と、厚みをもたせることで耐久性も兼ね備えた奥平さんのガラス。
「ついつい手に取ってしまう、ガラスのうつわ」として、暮らしに溶け込めるよう配慮された奥平さんのうつわを、ちょっとした休憩時にお茶を飲みたいときや、子どもたちにおやつを出すときなど、日常のふとしたシーンで取り入れてみたくなりませんか?
読了ライン
Discover Japan Lab.
住所|東京都渋谷区宇田川町15-1渋谷PARCO 1F
Tel|03-6455-2380
営業時間|11:00〜21:00
定休日|不定休
※最新情報は公式Instagram(@discoverjapan_lab)などで随時紹介しています。ぜひチェックしてみてください。