FOOD

滋賀県大津市
本家力軒の「三井寺辨慶力餅」
《菓子研究家・福田里香の民芸お菓子巡礼》

2026.6.13
滋賀県大津市<br>本家力軒の「三井寺辨慶力餅」<br><small>《菓子研究家・福田里香の民芸お菓子巡礼》</small>

民芸とお菓子の甘い関係をひも解いていく、お菓子研究家・福田里香ふくだりかさんの《民芸お菓子巡礼》。今回は滋賀県大津市にある老舗・本家力軒の「三井みい辨慶べんけい力餅」をご紹介。

福田里香(ふくだ りか)
菓子研究家。書籍や雑誌を中心に活躍。15年間にわたり続いている本連載をまとめた書籍『民芸お菓子』が小社より発売中。

1810(文化7)年から総本山三井寺境内でのみ販売。包装紙は釣鐘弁慶と長刀弁慶の絵柄を合わせた構図。5本入600円

大津絵は民藝運動の創始者・柳宗悦が愛した民俗絵画です。滋賀県大津市・逢坂関の追分で発祥し、江戸初期から東海道を行き交う旅人たちの土産物や護符として人気を博しました。

大津絵には武者絵という人気の画題があります。延暦寺の僧兵・弁慶が、以前盗んだ三井寺(園城寺)の鐘を返したという逸話を描いた「釣鐘弁慶」や「長刀(立ち往生)弁慶」が有名。弁慶とは後に京の五条大橋で牛若丸(源義経)と出会い、運命をともにしたあの武蔵坊弁慶です。

緋毛氈(ひもうせん)が目に鮮やかな屋外のお休み処

大津に民藝旅をするのなら、弁慶縁でユネスコの世界の記憶に登録された名刹として名高い三井寺詣では欠かせません。境内で弁慶の怪力にちなんだ餅を商ってきたのが「本家力軒」です。場所は観音堂の途中にあり、一服できる茶屋も営んでいます。つきたての求肥餅に抹茶と和三盆糖を加えたきな粉をまぶした「三井寺辨慶力餅」は必食。きな粉の香ばしさとつるりとした餅ののど越しに旅の疲れが癒されます。日持ちがしない生菓子なので、ネット販売はなし。一期一会の出合いです。

line

 

福田里香さんの連載を
もっと見たい方はこちら!

 
≫過去の記事を読む
 

本家力軒
住所|滋賀県大津市園城寺町246
Tel|077-524-0797
営業時間|10:00〜16:30
定休日|水曜
https://www.tikaraken.com/

text: Ricca Fukuda photo: Wakana Baba
2026年6月号「ウェルネス入門」

滋賀のオススメ記事

関連するテーマの人気記事