Discover Japan 2024年11月号
「京都」
約1200年前に都になった京都。
桓武天皇によりつくられた平安京がルーツです。
色目を美しく重ねる十二単、寝殿造での華やかで雅な貴族の暮らし、さまざまな祈りを込めて行われる年中行事。
NHK大河ドラマ『光る君へ』でも描かれているこの時代は、“かな文字”が誕生するなど、日本人ならではの感性を表現する王朝文学が栄えました。
本特集では、そんな現代につながる日本人の感性を育んだ、平安の雅を感じる旅をご提案。
紫式部ゆかりのスポットや、作家・柏井 壽さんや料理研究家・大原千鶴さんをはじめとする京都人オススメの美味しい店、古都の旅の拠点として相応しい宿泊施設など、保存性の高い濃密な内容でお届けします。
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平安を訪ねる旅へ
平安時代の建築物はその後の戦乱で失われるなどして、残念ながらいまはもう目にすることはできません。しかし、平安時代にそのルーツがある神社仏閣や行事はかたちを変えつつも受け継がれています。そんな歴史と伝統がある名所をご紹介します。
嵯峨天皇の離宮で、2025年1月から東京国立博物館で企画展を行う「大覚寺」、紫式部が氏神と崇敬した「大原野神社」、光源氏のモデルのひとりと伝わる源融ゆかりの「清凉寺」、雅な王朝文化ゆかりの行事を行う「城南宮」、源氏物語に由来があり国宝の社殿がある「石清水八幡宮」を紐解きます。
王朝時代を彩った日本の雅なかさねの色
平安の色の美
日本ほど色の名前の種類がある国はないと言われます。そんな豊かな色の表現がされるようになったのも平安時代。自然を身近に感じ、繊細にそれをとらえる感性があったからこそ、多彩な色が生まれました。当時の貴族の女性たちにとって、季節にあわせた色目を選び、重ねることは、個性の表現でもありました。そんな鮮やかであった王朝時代の色について知るために、平安時代の書物をもとに、草木をはじめとした天然染料で再現する京都の染色工房「染司よしおか」を訪ねました。
作家・柏井壽さん×料理研究家・大原千鶴さん
京都人の秋冬の食卓
伝統行事や風習がいまも暮らしの中にある京都。京都にまつわる著者が多数ある作家の柏井 壽さんと料理研究家の大原千鶴さんによる、秋冬の京都の美味しいものや風習についての対談。秋冬の京都だからこそ味わいたい名物がある、お気に入りの美味しい店についても、こっそり教えていただきました。
冷泉家から教えていただく、
いまも人々を魅了する和歌
平安貴族の別荘地として愛された嵐山。大堰川沿いの幽玄で雅な場所にある旅館「星のや京都」では、宮中で和歌を代々司ってきた「冷泉家」の現当主夫妻から直接和歌の手ほどきをうけられる「奥嵐山の歌詠み」を年に4回開催。今回、大河ドラマ『光る君へ』の題字を手掛ける書道家・根本 知さんに体験いただきました。
京都人のイマオシな美味
京都で抑えておきたい美味しい店は、食いしん坊な京都人に聞くのが一番!
365日1日5食外食という強者「フレンドフーズ」代表の藤田 俊さんに「背徳な朝食」、いけずステッカーのモデルとしても知られる名物女将の「大西常商店」の大西里枝さんには「飲み歩き」、清水焼の注目の若手窯元「瑞光窯」の土谷瑞光さんに「うつわも魅力の店」をテーマに、いまおすすめの店をご案内いただきました。
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