デジタル×食の融合で
日本の食生活はどう変わるのか?
一歩先ゆくライフスタイルが見つかる
100年後の未来を担う、いま注目の企業②
食料問題に環境問題と、未来への課題が山積する昨今。問題解決への糸口を探るべく、新しいモノやコトに目を向けている人や企業は、どんな取り組みを行っているのか。趣向を凝らした事例から、一歩先ゆくライフスタイルを見つけたい。 今回は、「デジタル×食」をテーマに、デジタルで食は変わるかについて紹介します。
楯の川酒造、原材料の調達から生産まで
“トレーサビリティ”の証明
トレーサビリティとは、手元の製品が「いつ・どこで・誰に」つくられたのかを明らかにすべく、原材料の調達から生産はもちろん、流通や消費に至るまでの情報が確認できる仕組みのこと。食中毒などの健康被害が出た際には、問題製品のルートを調べることで原因を突き止めることができる。
日本酒「楯野川」で知られる山形県酒田市の酒蔵は、海外市場拡大や事業多角化に向けた“酒蔵DX”を加速させると発表。新たな価値を見出す「SAKERISE」シリーズでは、風土や歴史といった酒を取り巻く要素や背景がストーリーごとに堪能できる設定だ。
第一弾として販売された「暁光」では、業界初となる稲作指標を導入。1本につき3.90㎡の田んぼ相当量の米を使用しているため、飲むことがその広さの稲作を守ることにつながる。そして第二弾の「閃光」では、酒米の生産から手元に届くまでの記録が閲覧できるブロックチェーンを活用したトレーサビリティを導入することに。情報からテロワールが感じられるだけでなく、すり替えなどの被害防止にもつながるのだ。
楯の川酒造
住所|山形県酒田市山楯字清水田27
Tel|0234-52-2323
www.tatenokawa.com/ja/sake
世界的総合酒類カンパニーを目指している楯の川酒造は、全国から多彩な人材を採用。時代に先駆けたリモートワークも約10年前から導入しており、ジョブローテーションがしやすいよう、スキルもクラウドによって一括管理されている
SAKERISE 閃光
価格|2万9700円(720㎖)
原料米|山形県産美山錦(特別栽培米)
精米歩合|18%
アルコール度数|15度
AIがおすすめ商品を提案し、
1時間枠で配送可能な次世代サービス
デジタル化を目指しイオンが立ち上げた「イオンネクスト」は、マーケットの新ブランド「Green Beans」を今夏開始。同時にイオン初の顧客フルフィルメントセンターを稼働させ、忙しい共働き、子育て世代などのサポートを目指す。
産地から顧客の手元に届くまでの温度を徹底管理することで、生鮮農産物に対する鮮度への心配を解消。AIによる売り上げ予測と在庫管理が欠品率を抑えるほか、購入履歴に基づいて、約5万品目の品揃えからAIがおすすめ商品をワンクリックでかごに入れるスマートカート機能を搭載する。配送は、接客などの教育を受けた自社のスタッフが配送をするので、きめ細かいサービスが提供される。
Green Beans
問い合わせ|グリーンビーンズ カスタマーサービスセンター
mail|cs@greenbeans.com
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1|ユーグレナ社 / ヤンマー / JAL / キユーピーが伝えるニッポンの「食」
2|デジタル×食の融合で日本の食生活はどう変わるのか?
3|デジタル技術がつくる新たなアート体験
4|進化する令和の建築デザイン
5|究極のサステイナブルファッション
6|過去と未来をつなぐ「まちづくり」
text: Natsu Arai
Discover Japan 2023年6月号「愛されるブランドのつくり方。」