中外陶園の招き猫
しなやかに変化し、ニッポンの伝統を継承する
|渋谷パルコ《中外陶園 POP UP》
定番のクラシックな招き猫はもちろん、人気クリエイターとのコラボレーション製品もお目見え。東京・渋谷パルコにて2026年2月28日(土)~3月8日(日)にかけて開催される「中外陶園展」。Discover Japan Lab.でも絶大な人気を誇る中外陶園の製品が、早春に福と愛くるしさを呼び込みます。
Discover Japan公式オンラインショップでは、本展の一部作品を2026年3月3日(火) 20時より順次販売予定です。(店頭の販売状況により日程・内容が変更になる場合があります)

中外陶園 鈴木康浩( すずき・やすひろ)
中外陶園4代目。体験を通して瀬戸の魅力を発信する施設「STUDIO 894」をはじめ、伝統に新風を取り入れた事業を展開。
現代の暮らしにフィットする愛らしい姿に出合う
中外陶園の招き猫

伝統の守り方には、多様なかたちがある。焼物の街・瀬戸が1300年かけて育んできた歴史を次世代につなぐため、陶磁器工芸メーカー「中外陶園」の4代目・鈴木康浩さんが選んだ道は、しなやかに表現を変えること。
「幼い頃から陶器の温もりに触れ、壊れてしまうはかなさから物の大切さを感じてもらう。そういった日本人が古くから大切にしてきた精神性を、製品を通して感じてもらえればいいですね」と話すように、いま最も注力するのは、人気作家やクリエイターとのコラボレーション製品。子どもたちが絵本の中で親しんできた二次元のキャラクターを、瀬戸が培ってきた技で立体作品へと仕立て直す。こうした取り組みは伝統工芸を知る新たな入り口となり、いまでは焼物に馴染みのない人々が瀬戸の地に足を運ぶきっかけにもなっている。
「先人たちが大事にしてきた光景を、どう次の世代につなぐか。そのひとつの手立てがコラボレーションであり、伝統を変えずに変えていくという難しい問いの答えに、一歩近づいた気がしています」

江戸時代の町人文化から広まったクラシックな「横座」をはじめ、猫本来のシルエットに近い「古瀬戸型」。本展に登場するこれら「瀬戸まねき猫」の数々は、どれも古典のフォルムである小顔ですらりとした猫背はそのままに、釉薬や絵付けの表現を変えることで、現代の暮らしに合うようアップデートされたもの。
「土、絵付け、釉薬のバリエーションの豊かさは、瀬戸が育んできた懐の広さ。その歴史と技術を現代のデザインと掛け合わせる際は、伝統と革新のバランスを丁寧に見極めながら製作しています」と、クラシックな製品の中にも伝統を変えずに進化するためのエッセンスが潜む。中でも、手の込んだ「サバトラ」の絵付けを担える職人は数少ないというが、その技法を次世代に継承するためにも、中外陶園では新人を迎えている。
「将来への不安を感じることなく働き続けられる仕組みを整えることも、技を守るためには必要なこと。皆さんが気に入った子を迎え入れてくれることが、職人たちの育成にもつながると思います」。そう語る鈴木さんの言葉を聞くと、一体に宿る物語の深さに気づかされる。だが、小難しいことはいったん抜きにして、まずはお気に入りの子をひょいと迎え入れてみてほしい。愛くるしさとともに福も招いてくれるはずだ。

作品ラインアップ

福結 金 右手 5号
白と黒で展開してきた「福結」シリーズに、金と赤が仲間入り。商売繁盛の象徴において、より大きな福を招くゴールドの招き猫は、店先やオフィスに飾っても。

福結 白 右手 7号
好評を博す「福結」シリーズにおいて、より大きなサイズが欲しいとの声から誕生した新製品。首元に巻かれた赤いリボンは、祝い品として重宝されてきた証しでもある。

横座 ブルー(マット)右手 4号
江戸時代から続く伝統的なかたちの「横座」に、マットな釉薬を施すことで新しい表現に。現代のモダンな暮らしにも馴染む。

瀬戸型 ブチ 右手 3号
「サバトラ」とともに、ブランド立ち上げ時から不動の人気を誇る定番品。末広がりの「ハチワレ」の毛色がさらに縁起を担ぐ。

瀬戸型 サバトラ 左手 5号
瀬戸まねき猫の特徴の、小顔でスラリと伸びた猫背のフォルムを再現。靴下を履いているかのような手足の模様も愛らしい。
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個展商品がオンラインで買える!
公式オンラインショップ
中外陶園展
会期|2026年2月28日(土)~3月8日(日)
会場|Discover Japan Lab.
住所|東京都渋谷区宇田川町15-1 渋谷PARCO 1F
Tel|03-6455-2380
営業時間|11:00~21:00
定休日|不定休
※詳細は公式Instagram(@discoverjapan_lab)にてご確認ください。
※サイズ・重量は掲載商品の実寸です。同じシリーズでも個体差があります。
text: Natsu Arai photo: Yuko Okoso
2026年3月号「訪ねる建築 暮らす建築」
































