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《境道一 うつわ展 —織部、灰釉、粉引》
うつわ祥見 KAMAKURA×Discover Japan

2022.8.1
《境道一 うつわ展 —織部、灰釉、粉引》<br> <small>うつわ祥見 KAMAKURA×Discover Japan</small>

深緑と乳白色の色合いが美しい、境道一さんのうつわたち。その佇まいにひと目惚れし、手に取ることで安心感を感じられます。
渋谷パルコ1階「Discover Japan Lab.」では、2022年8月4日(木)~8月21日(日)かけて境道一さんの個展を開催。公式オンラインショップでは8月8日(月)11:00より順次販売開始予定です。

今回「うつわ祥見 KAMAKURA」代表・祥見知生さんに魅力をうかがうとともに、個展のラインアップをご紹介。

境 道一(さかい みちかず)
1975年、長野県須坂市にて陶芸家の父の下に生まれる。岡山県・備前陶芸センターで学んだ後、備前の正宗悟氏に師事。’97年、長野県須坂市に穴窯を築窯。2016年、香川県三木町に移転して穴窯を築窯。近年は上海や台湾等でも個展が開催され、海外からも注目を浴びる。

祥見知生(しょうけん ともお)
2002年「うつわ祥見」をオープン。現在鎌倉市内に「うつわ祥見onariNEAR」、「うつわ祥見KAMAKURA」、「うつわ祥見KAMAKURA concierge」の3つのギャラリーを構え、’20年、伊豆高原に「SHOKEN IZU」をオープン。著書に『うつわを愛する』(河出書房新社)等、多数。

独自の釉薬と薪窯から生まれる、
絵画のようなうつわ

織部釉

境道一さんの色彩表現を感じながら、本格的に作家の仕事を紹介する今回の個展。一般的に「織部」と聞くと、茶碗の世界。格式高いイメージだが、境さんは織部釉という独自の釉薬によって、軽やかに、アーティスティックに表現する。祥見知生さんもその色彩に魅了された一人だ。
「なんといっても私が惹かれたのは、これを“薪窯”でなさっていること。絵画のように見える黒と緑のバランスが、本当に素晴らしいと感じました。一つひとつのうつわの色合いが違うのは、薪窯で焼成しているから。窯の中の位置によって、緑が出たり黒が出たり、表情が違うところがおもしろい。それが食材を盛ったときに生きてくるのです。境さんの織部は、食卓のアクセントになり、油にも強く、初心者の方にも実際とても使いやすいのです」

織部と美しいコントラストをなすのが「ミモザ灰釉」と「粉引」のうつわ。乳白色に薄緑が浮かぶミモザ、桃色が浮かぶ粉引。味わい深い色彩がなんとも魅力的だ。
「ミモザ灰釉は、境さんのオリジナルの表現技法。ネーミングもすごくすてきですよね。工房を訪ねると、たわわなミモザの木が迎えてくれて、実際にそのミモザを釉薬に用いていらっしゃる。天然の灰なので、釉薬の濃度によっても表情が異なり、濃くかかっている部分は起伏感が生まれます。窯焚きは、とても体力の要る仕事。好きじゃないと続けられません。境さんは、ご自分もお料理をされる方で、料理の見え方も、かなり意識してうつわをつくられていると思います。だから和洋食はもちろんエスニックにも合い、ジャンルを問わずに使える。その点が本当に魅力だと思いますね」

唯一無二の品性がありながら、 “入りやすさ”と“使い心地のよさ”が同居する境さんのうつわ。盛夏を迎えるこの季節、食卓を豊かに彩るうつわに出合いにぜひご来場いただきたい。

印象的な色彩のミモザ灰釉。同じ表情はひとつとしてなく、選ぶ楽しさにあふれている

〈個展ラインアップ〉
和でも洋でもない、新しい食卓皿
プレート

左上)ミモザ灰釉 平皿(7700円)、右上)ミモザ灰釉 八角皿(5500円)、左下)織部釉 四方皿(4400円)、右下)織部釉 鎬皿(大)1万1000円

最初に手にする境さんのうつわとしておすすめなのが、平皿。1枚使いで食卓の主役となり、小さなサイズを取り入れれば、色遣いのアクセントになる。「白身魚や旬の野菜、パスタ、デザートを盛っておもてなしの膳のように使ったり――と、用途の広さが魅力。盛りつけるだけで“ごちそう”感が生まれます」(祥見さん・以降同)

思わずひと目惚れする、アートのような立ち姿
立ち物

左)織部釉 コンポート(3850円)、右)部釉 ゴブレット(4400円)

織部釉の深緑と、鎬との組み合わせが印象的なゴブレットをはじめ、造形美が見る者の目を引く、立ち物。「ゴブレットみたいなものって、なかなかつくる方もいらっしゃらない。かつ、織部でこのような形状のうつわはまずありません。このうつわには、食卓の空気を変える不思議な力があります」
※サイズ・重量には個体差があります

お茶のひとときを、もっと楽しむために
茶器

織部釉 土瓶(1万5400円)
左)粉引 茶壷(1万2100円)、右)ミモザ灰釉 POT(1万2100円)

土瓶、ポット、茶壷。生活の中でお茶をいただくひとときに使う茶器は、境さんのうつわでも定番の顔ぶれ。「茶器というと格式高いイメージですが、境さんの場合は、中国茶はもちろん、ルイボスティーなどお茶も多様化している中で、幅広く茶器をつくってらっしゃる。特に土瓶はかなり大きいので、大勢の皆さんがいらした際にも活躍します」

手に取りやすく、確かさを感じる
マグカップ

手前)織部釉 六角コーヒーカップ、左奥)織部釉 鎬コーヒーカップ、右奥)粉引 鎬コーヒーカップ(すべて3520円)、

マグカップは、織部釉と粉引の表現で六角形のもの、丸みを帯びたもの、鎬のもの――と、ラインアップがあるため、気軽に、自分好みのうつわを迎え入れよう。境さんのうつわを実際に手にすると感じるのが、適度な“重さ”。「存在としては主張するわけではないけれど、ものとしての確かさ。そういう信頼感があると思います」

うつわ祥見 KAMAKURA × Discover Japan
境 道一 うつわ展 —織部、灰釉、粉引—
会期|2022年8月4日(木)~ 8月21日(日)
会場|Discover Japan Lab.
住所|東京都渋谷区宇田川町15-1 渋谷PARCO 1F
Tel|03-6455-2380
営業時間|11:00 ~ 20:00 ※時短営業中
定休日|不定休

※最新情報は、公式Instagram(@discoverjapan_lab)などで随時紹介しています。ぜひチェックしてみてください!

 

公式オンラインショップ
 

text: Discover Japan photo: Yuko Okoso special thanks: UTSUWA SHOKEN KAMAKURA
2022年9月号「ワクワクさせるミュージアム!」

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