ART

アトリエシムラ5周年「⾊への祝祭―植物のコンポジション―」
京都で植物の色彩世界に触れる。

2021.11.2
<small>アトリエシムラ5周年「⾊への祝祭―植物のコンポジション―」</small><br>京都で植物の色彩世界に触れる。

染織家・志村ふくみさんの孫である志村昌司さんを中心とした染織ブランド「アトリエシムラ」が5周年を記念して、新作着物のお披露目や特別対談、ワークショップなどのイベントを開催。アトリエシムラが生み出す植物の色彩世界をより身近に感じられる、本イベントのラインアップを紹介する。

アトリエシムラとは?

アトリエシムラは、染織家で人間国宝の志村ふくみさんの孫・志村昌司を中心とした次世代の作り手によって、植物の色彩世界を伝えていきたいという想いから生まれた染織ブランド。色糸はすべて草木染めによるもので、根や枝、葉など植物から抽出された色を、手作業で染めていく。柔らかく繊細で透明感のある色合いは草木染めならでは。季節や地域にも影響を受けて出来上がる品はまさに一期一会。自然が与えてくれる美しさを目だけでなく肌でも感じられる。

この色糸を、機(はた)を使って人の手で織りあげている。経糸(たていと)には蚕の繭からできた艶やかな生糸を、緯糸(よこいと)には柔らかく風合いのよい紬糸(つむぎいと)を配する。この経糸と緯糸の組み合わせによって独特の職色を生み出している。

アトリエシムラのシンボルマークのモチーフにもなっているのが「葉脈」だ。工房でつくり出すものがすべて、自然からいただいたものでできていることを象徴している。同ブランドのものづくりの根底には、自然への畏敬の念と感謝がある。

またアトリエシムラでは鼠色を基調色としている。鼠色は「自分を無にしてほかの色を生かす色」であり、そんな神秘性をブランドの想いに重ねている。鼠色は、夜叉五倍子(やしゃぶし)、団栗(どんぐり)、桜、梅、白樫、枇杷など、日本の山野にあるほとんどの植物から染めることができる。

植物の生命の色に染めた糸で一つひとつ丁寧に織り上げられた品々は、着用した者の心に寄り添い、日々を彩っている。

アトリエシムラ5 周年
「⾊への祝祭―植物のコンポジション―」

植物の色彩世界をいまに伝えるアトリエシムラは、今年5周年を迎える。そんな節目の年を記念して、植物の色面によるコンポジションをテーマに制作した、新作の着物がお披露目される。同品は10月29日~11月16日まで京都本店にて展示販売。草木ならではの繊細な色合いを生かしつつ、抽象画を思わせるようなデザインに仕上げられた逸品を見に行こう。

学びの会「⾔ノ葉−⾊で結ぶ−」
特別オンライン対談

アトリエシムラの仕事の背景にある思想や文化、芸術について、同ブランドをよく知る3名が登場。代表である志村昌司氏と対談を行う。なお対談の模様はウェブ会議サービス「Zoom」にてライブ配信されるほか、期間限定で何度でも視聴可能なアーカイブも公開される。

⽟川奈々福さん

⽟川奈々福(浪曲師)×志村昌司
「志村ふくみから浪曲まで」
⽟川奈々福さんは元編集者で、かつて志村ふくみさんの本をたくさん編集してきた。今回の対談では、随筆家としての志村ふくみさんや新作能「沖宮」 から浪曲の魅⼒や現在の活動まで、さまざまな話が繰り広げられる。

開催日|2021年11⽉3⽇(⽔曜・祝)
時間|19:00~20:30
アーカイブ配信期間| 2021年11⽉6⽇(⼟)〜11⽉16⽇(⽕)※期間中は何度でも視聴可能
募集⼈数|30名
参加費|2200円
https://onlinedialogue1103.peatix.com/

鞍⽥崇さん

鞍⽥崇(哲学者)× 志村昌司
「⺠藝の今を語る」
⺠藝に詳しい哲学者の鞍⽥崇さんと志村昌司さんによる対談。柳宗悦から始まる⺠藝の考え⽅を現代において、どのように⽣かし、 継承していくのかを語り合う。

開催日|2021年11⽉6⽇(⼟)
時間|18:30~20:00
アーカイブ配信期間| 2021年11⽉9⽇(⽕)〜11⽉19⽇(⾦)※期間中は何度でも視聴可能
募集⼈数|30名
参加費|2200円
https://onlinedialogue1106.peatix.com/

葛⻄薫さん

葛⻄薫(アートディレクター)× 志村昌司
「これからのデザイン」
19世紀後半、イギリスで産業⾰命が起こり、⼿仕事が失われつつあったとき、アーツアンドクラフト運動が起きた。ウィリアム・モリスは⾃然からさまざまなデザインを想像し、「モダンデザインの⽗」と呼ばれるようになった。それから150年経ったいまも多くの人の心を引き付けるモリスのデザインたち。
本対談では、現在デザインにはどんなことが求められているのか、アートディレクターとして最前線で活躍する葛⻄薫さんと志村昌司さんが、デザインがもつ本来の役割と未来について考える。

開催日|2021年11⽉20⽇(⼟)
時間|18:30~20:00
アーカイブ配信期間|2021年11⽉23⽇(⽕)〜12⽉3⽇(⾦)※期間中は何度でも視聴可能
募集⼈数|30名
参加費|2200円
https://onlinedialogue1120.peatix.com/

お出かけ草⽊染めワークショップ
志村ふくみ誕⽣の地・近江⼋幡の⾊に出会う−臭⽊−

アトリエシムラの源流である染織家・志村ふくみさんの生まれの地・滋賀県近江⼋幡にて、草木染めのワークショップを開催。今回の染料は、⼋幡⼭(はちまんやま)付近で採取した臭⽊。会場となる古⺠家カフェ「Kolmio(コルミオ)」の庭にて、秋を感じながら絹のストールを染める。特製ランチ「近江⽜ハンバーグランチ」とデザート、またKoimioスタッフによる城下町内と⼋幡⼭散策ガイド付き。近江⼋幡の“⾊”と出会える特別な一日になりそうだ。

開催日|11⽉13⽇(⼟)※募集は終了しました
時間|10:30~15:00
会場|Kolmio cafeのお庭
住所|滋賀県近江⼋幡市仲屋町上9-2
募集⼈数|12名
参加費|1万4200円(ランチ、デザート、材料込)
染料|臭⽊
※散策では、⼋幡⼭のロープウェイに乗る予定です。別途運賃 890円(往復)かかります
※ストールはお⼀⼈様1枚絹ストールを染めて、お持ち帰りいただきます

アトリエシムラ5周年記念
「色への祝祭—植物のコンポジション」
会場|アトリエシムラ Shop & Gallery 京都本店
住所|京都府京都市下京区河原町通四条下ル市之町251-2 壽ビルディング2F
開催期間|2021年10⽉29⽇(⾦)〜11⽉16⽇(⽕)
時間|12:00〜18:00
展示販売内容|着物(40万円〜)、帯、帯揚げ、帯締め、裂⼩物、ストール、ステーショナリーなど
https://www.atelier-shimura.jp/blogs/gallery/5thanniversary

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