《星のや京都》
平安貴族が愛した嵐山の宿で
遊び心に満ちた日本料理を
後編|古都の文化に触れるひととき
京都・嵐山の大堰川沿いに佇み、季節の移ろいを鮮やかに感じる「星のや京都」。圧倒的な非日常の寛ぎに加え、ここでしか味わえない食体験が注目されている。後編では、客室や体験など滞在の魅力についてご紹介していく。
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水辺の私邸で
嵐山の四季を愛でる滞在

洛中より寒暖差の大きい嵐山は季節の移ろいがひと際鮮明だ。中でも春先から初夏にかけて、翡翠色の川と対岸の小倉山はドラマチックにその表情を変える。時折、川鵜や白鷺が静かに獲物を狙うのどかな川辺の風景を、部屋にいながらにして楽しめるのもこの宿の贅沢だろう。

星のや京都が佇むのは、大堰川の開削を手掛けた豪商・角倉了以のゆかりの地。後に旅館として受け継がれた場所で、2009年に開業した。敷地内に点在する100年以上の時を重ねた日本家屋は、「洗い」の技術でよみがえった貴重な建材や繊細な意匠が息づき、長い歳月を経た風格が漂う。庭師が日々手を入れる庭も同じ。ここに身を置くだけで、京都という土地の気配を全身で味わえる。

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星のやならではの
趣向を凝らしたもてなし

ウェルカムのひとときは、「亀屋良長」による星のやオリジナルの和菓子で寛げる。百人一首から着想を得たもので、桜の季節は紀友則の歌に寄せて、散りゆく桜を表現した羊羹を用意。スパークリング日本酒やノンアルドリンクとともに
滞在の楽しみはそれだけではない。舟遊びや和歌、聞香体験といったさまざまな催しを通して、京都の文化に触れられるのも星のやならではの趣向だ。

カウンターには個性もさまざまなジャパニーズウイスキーが並ぶ。そばには伽羅や沈香といった香木、そして龍涎香(りゅうぜんこう)などの稀少な香原料がある。悠久の時を重ねて生まれる香りと、香りの酒とも称されるウイスキーの多層的なアロマ。ふたつを重ね合わせると、感覚は思いがけない方向へと導かれ、ウイスキーの味わいまで変化する。まずは「ウイスキー3種聞きくらべ」から
そのひとつが、昨冬より敷地内の蔵で夜のみひっそりと開かれるバー。ここでは日本各地のジャパニーズウイスキーをゆっくりと味わいながら、香木や香原料の香りを聞き、互いの香りが織りなす調和を楽しめる。いわば平安貴族たちが愛した「香り遊び」の現代版。静寂に包まれた嵐山の夜、ゆっくりとグラスを傾けながら、古都で育まれた豊かな文化に思いを馳せる。
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朝食は部屋でゆっくり朝鍋を。旬の野菜とキノコをたっぷり、出汁とともにいただく。サワラやハモなど季節の魚も加わり、食材の旨みが溶け出した出汁でつくる締めの雑炊はたまらない。ほかに5種のご飯の供、豆腐、水菓子など盛りだくさん

京都の伝統文化を体験できる
アクティビティを豊富に用意



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星のや京都
住所|京都府京都市西京区嵐山元録山町11-2
Tel|050-3134-8091(9:30〜18:00)
客室数|25室 料金|1泊1室19万3000円〜(税・サ込)
カード|AMEX、DINERS、Master、VISAほか
IN|15:00 OUT|12:00
夕食|日本料理(レストラン)
朝食|和食(部屋食)
アクセス(星のや京都舟待合まで)|車/名神高速道路京都南ICから約40分 電車/JR嵯峨嵐山駅から徒歩約15分、または阪急電鉄嵐山駅から徒歩約6分
施設|レストラン、バー レストラン
外来利用|不可
text: Yukie Masumoto photo: Mariko Taya
2026年5月号「ようこそ!ニッポンのホテルへ」
































