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渋谷パルコ《岡崎慧佑ミニ個展》
金属のような質感を纏う、唯一無二のうつわ

2025.6.5
渋谷パルコ《岡崎慧佑ミニ個展》<br>金属のような質感を纏う、唯一無二のうつわ

鎌倉を拠点に作陶を続ける岡崎慧佑さん。金属のような質感と幻想的な色彩のうつわは、幾度もの手仕事から生まれる。東京・渋谷パルコにて2025年6月7日(土)~6月15日(日)にかけて、《岡崎慧佑 ミニ個展》を開催。岡崎慧佑さんが生み出す幻想的な色彩と質感の世界をひも解く。

Discover Japan公式オンラインショップでは、本展の一部作品を6月10日(火)20時より順次販売予定です。(店頭の販売状況により日程・内容が変更になる場合があります)

 

金属のような質感と実用性。
唯一無二の作風が生まれた背景とは?

岡崎慧佑(おかざきけいすけ)
1984年、大阪府生まれ。鎌倉を拠点に作陶を続ける

鎌倉の小高い山の中腹に、岡崎慧佑さんの自宅兼工房はある。築100年ほどの日本家屋。広々とした室内は、古民家ならではの風格が漂う。まるでここだけ時が止まっているかのようだ。「緑が多く周りも静かだし、何より大きな窯が置ける広いスペースがあることが、工房選びの決め手でした」と岡崎さん。

この地で活動をはじめて8年が経つが、たどり着くまでには葛藤があった。関西の大学で陶芸の基礎を身につけた岡崎さんは、東京藝術大学の大学院に進学。陶芸の造詣を深めた。その後、陶芸教室で講師を務めつつ、そのかたわらで創作活動に勤しむ日々。気づけば10年の月日が経っていた。

「不安定な毎日に、このまま続けるのは難しいと、正直思っていました」と、当時を振り返る。そんな折、偶然出展した作品が東京・渋谷のうつわギャラリー『うつわ謙心』のオーナーの目に留まり、これが作家として本格デビューするきっかけとなった。

「そのとき使った技法が、いまの作風のベースになっています。大学時代、アートピースによく使っていたテクニックで、恩師から影響を受けたものです」

 金属のようなザラザラとした質感。唯一無二の作風は、いまや岡崎さんの代名詞となり、スタイリッシュなのに日常使いしやすいと、多方面から注目を集めている。

 

等身大のうつわを目指し、変化を続ける

「見た目よりも軽いですね」、「陶器には見えませんでした」。岡崎さんの作品にはじめて触れる人の多くが、このような感想を口にするという。

「確かに、作陶する上で“ギャップ”を意識している面もあります」

 うつわは毎日使うもの。だからこそ、使うたびにささやかな感動を味わってほしい。そのために独自の意匠を取り入れているという。まず目を引くのは、金属のような質感だ。大学時代、アートピースに取り入れていたという「焼締め」や「化粧掛け」などの技法を応用したもので、10年以上にわたり改良を重ねてきた。一般的な陶器よりも完成までの工程が多く、説明を聞いただけで目がくらんでしまう。

化粧掛けを定着させ、続いて赤顔料を全体に塗り重ねていく

「成形した後、焼成と化粧掛けをタイミングを見ながら繰り返していきます」

 実はこの重ね塗りが重要で、力の加減によって、仕上がりの色に濃淡の差が出てくる。岡崎さんは長年の経験と感性を頼りに、リズミカルに手を動かしていく。

乾燥後、色のついている部分を磨き、模様を出していく

重ね終わったら、最後は磨きの作業だ。表面を丁寧に削っていくと、地色の黒が顔を出す。絶妙な削り加減で色のコントラストをつけつつ、ザラザラとした質感を表現していく。

「一日中、ずっと磨いていることもしょっちゅうです(笑)」

圧倒的な存在感が料理を引き立てる。すべて微妙に表情が異なるので、実際に手にして、「これ!」と思える一枚を選んでほしい

手間暇かけてつくられるうつわは洗練された佇まい。岡崎さんが「美しい」と思うフォルムが投影されていて、優しいラインが手にすっと馴染む。

「等身大のうつわを目指し、日々ブラッシュアップを重ねています。気負わず使ってもらえればうれしいです。今回のミニ個展でも、そんな気持ちで作品を制作・展示できればと思っています。楽しみにしていてください」

 

日常使いしたい、岡崎慧佑のうつわ
作品ラインアップ

 

8寸リム深皿 赤

価格|9020円 サイズ|Φ238×H45㎜ 重量|521g

やや深さがあるので、汁気のある料理も安心。カレー皿やパスタ皿として。おかずの盛り皿としても毎日使える。

 

めし碗 赤

価格|5390円 サイズ|Φ130×H75㎜ 重量|164g

岡崎さんの手のサイズに合わせてつくっているので、女性が使う場合は小丼程度のサイズ感。白米がよく映える。

 

3寸リム皿 赤

価格|4180円 サイズ|Φ88×H18㎜ 重量|44g

メリハリの利いた幅広リムがどこか特別な印象。日常使いはもちろん、来客時も重宝する。茶菓子と好相性。

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個展作品の一部がオンラインで買える!

公式オンラインショップ
 

 

 

岡崎慧佑 ミニ個展(うつわ謙心)
会期|6月7日(土)~15日(日)
会場|Discover Japan Lab.
住所|東京都渋谷区宇田川町15-1 渋谷PARCO 1F
Tel|03-6455-2380
営業時間|11:00~21:00
定休日|不定休
※詳細は公式Instagram(@discoverjapan_lab)にてご確認ください。
※サイズ・重量は掲載商品の実寸です。同じシリーズでも個体差があります。

text: Misa Hasebe photo: Shiho Akiyama
2025年7月号「海旅と沖縄」

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