渋谷パルコに岡山の名ギャラリーのうつわが集結!
アートスペース油亀《朝ごはんオーケストラ》
朝食は、一日をいきいきとアクティブに過ごすための大切なエネルギー源。2023年9月5日(火)~9月15日(金)にかけて渋谷パルコのDiscover Japan Lab.(ディスカバージャパンラボ)では、アートスペース油亀の企画展「朝ごはんオーケストラ」が開催。
ギャラリーこだわりのアイテムを揃えて、毎日の朝食を楽しみ尽くそう。
※公式オンラインショップでは9月7日(木)20時より順次取り扱い開始します。
朝食が待ち遠しくなるうつわ
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アートスペース油亀
柏戸喜貴(かしわど よしたか)さん
1978年、大阪府生まれ。大学卒業後、アウトドア用品専門店「好日山荘」に入社。赴任先で多くの作家と出会う。2004年に退社し、元油問屋の建物を再生して、2007年に現ギャラリーを開業。
築140年の建物を、ギャラリーとして再生。オーナーの柏戸喜貴さんはアウトドア用品専門店を運営する企業に勤めていた前職の時代、赴任先の神戸や岡山で多くの作家に出会い、展覧会などの手伝いもしてきた。
「もともとアートが好きだったため、各地でイベントを開催することが楽しかったのです。次第に、作品を発表する拠点が欲しくなり、退職してギャラリーを自らつくることにしました」
かつて妻の祖父が営んでいた、岡山県岡山市の油問屋が運よく空き家になっていたため、この場所を開業地に決定。
「当初、建物の中はまるでお化け屋敷状態(笑)。仲間と泊まり込みで、掃除したのが懐かしいです」
開業から16年。現在、ギャラリーとつき合いのあるうつわ作家は、全国90名以上に上る。
「セレクトする基準は、作品に対してワクワクするかどうか。また、作家さんが企画展を一緒におもしろがってくれることも大切です」
今回の企画展も、そんな気の合う作家たちとの雑談から生まれた。
「実は、うつわ作家さんは、3食のうち朝食を一番大事にしている人が多いことがわかったのです。ならばオーケストラのように皆のうつわを寄せ集めて、大々的に朝食をたたえようと考えました。ジャンルもさまざまですから、きっと楽しんでいただけるはずです」
そんな本展で展示販売される作品ラインアップを紹介しよう。
ご飯や汁物、毎日の食卓に
小倉夏樹さん
白磁 縞丸鉢(S)
愛知県在住。きりりとした縞(しのぎ)模様を得意とする作家。爽やかな白磁の丸鉢もまた、緻密でシャープな縦縞が美しい。両手にすっぽり収まるほどよいサイズ感。コーンスープやトマトスープの色がよく映える。
山村富貴子さん
備前焼ボウル
柔らかな質感を得意とする岡山の備前焼作家。おおらかなボウルは、土肌の素朴な質感や力強い色のグラデーションが楽しめる。表面が凸凹しているため、米粒が付きにくく洗いやすい。シリアルボウルとしても使いやすい。
ヒヅミ峠舎
色絵リム鉢
三浦圭司(けいじ)さんとアリサさん夫妻は、ともに沖縄・やちむん窯で修業し、現在は山口で作陶。テーマは、江戸町人が異国に憧れてつくったうつわ。ノスタルジックな雰囲気のリム鉢は、サラダなどを盛りつけても◎。
浜坂尚子さん
手彫りお茶碗
愛知・常滑にて制作に励む。カラフルな茶碗は、一つひとつ手彫りで模様と絵付けを施し、3度の焼成を経て完成する。手間と時間をかけて制作された逸品は、置くだけで食卓が華やぐ。卵スープなどの汁物と相性がいい。
寺村光輔さん
並白釉 呉須鉄絵 碗(薪)
栃木・益子町にて作陶する作家。益子焼の伝統的な釉薬・並白釉(なみじろゆう)を使った茶碗は、所々に浮き出た乳濁色がうつわに表情を与える。フリーハンドで描いた呉須の草花柄が素朴な印象。雑炊やお茶漬けにも。
ワンプレートでも活躍する万能皿
北側雄一さん
碧釉七寸切立皿
端正なうつわに定評のある、大阪のうつわ作家。切立皿は縁の部分を立ち上げているため、スプーンで料理をすくってもこぼれる心配がない。ワンプレート皿として、または果物を盛りつける皿としてもおすすめだ。
塚本友太さん
リム皿(緑)
愛知にて活動中。凛とした佇まいの、うつわづくりを得意とする。マットな質感のリム皿は、軽くて薄く、使い勝手もよい。くすみがかったグレイッシュな色みが特徴で、料理を上品に演出。献立のジャンルを選ばない。
田川亞希さん
古代文明皿
ゆるくかわいい独創的な作風が人気。ツタンカーメンの皿は、食べ進めるほどに絵柄が現れ、さながら発掘作業をしているかのよう。朝から元気になれる逸品だ。和と洋どちらも合わせやすく、ワンプレート皿として重宝。
藤原 隼さん
ボウル(コナラ)
独学で木工旋盤の技術を学び、故郷・岩手で制作を続ける。地元で育った樹木を自ら伐採し、生木の状態で加工。乾燥が進むと同時にうつわのかたちも微妙に変化し、経年変化も楽しめる。サラダやカレーライスに。
古谷浩一さん
鉄散くもカレー鉢(油亀限定作)
滋賀・信楽に工房を構える作家。ギャラリーオリジナルの「雲シリーズ」は、ふわふわと空を漂う雲のような自由な作風。手に取りやすい軽さと形状で、卵焼きやソーセージなど、朝の定番おかずをのせるのにぴったり。
そっと彩りを添える名バイプレーヤー
金澤尚宜さん
釉景ゴブレット 青の釉景/彗星
5代続く窯元「丸尾焼」の家系に生まれる。現在は独立し、故郷の熊本・天草で作陶に励む。美しい青のグラデーションは、天草諸島を囲む海の景色を表現したもの。重厚な質感で、コクのあるアイスコーヒーがよく合う。
白神典大さん
どんぐりポット
岡山・倉敷が拠点のガラス作家。光にかざすと優しい陰影が生まれ、表面に浮き出た気泡がキラキラと輝く。どんぐりのような愛嬌あるフォルムで、フルーツやミニトマト、漬け物を入れたり、シュガーポットとしても。
山脇 隆さん
カッティングボード(ケヤキ)
広島を拠点にアーティスト・造形師として活躍。ギャラリーの依頼で制作したカッティングボードは、裏面はフラットだが、表面は細かな溝が施され、プレートとしての機能ももつ。ハンガー仕様の持ち手で、収納に便利。
山下 透さん
薬味入れ
プロダクトとしての作品を追求する、京都の作家。シュガーポットとしても最適な薬味入れは、作家ものとは思えないほど蓋がピッタリ閉まる。青と飴色の配色もスタイリッシュで、食卓にアクセントを与えてくれる。
大園篤志さん
ハイネックマグ
大阪を拠点に活躍するうつわ作家。人気のマグカップは、口がすぼまっているため冷めにくいのが特徴。内側はつるんとした質感で着色しにくく洗いやすい。カフェ店主などプロの愛用者も多い。目覚めのコーヒータイムに。
読了ライン
アートスペース油亀 企画展「朝ごはんオーケストラ」
会期|2023年9月5日(火)~15日(金)
会場|Discover Japan Lab.
住所|東京都渋谷区宇田川町15-1渋谷PARCO 1F
Tel|03-6455-2380
営業時間|11:00~21:00
定休日|不定休
※最新情報は公式Instagram(@discoverjapan_lab)などで随時紹介しています。ぜひチェックしてみてください。
※掲載商品は一部であり、店頭にはさまざまなうつわが並びます。
text: Misa Hasebe photo: Shimpei Fukazawa
2023年10月号「私を癒す15の旅。/九州」