夢は愛車で日本全国ツアー。森山直太朗さんの走る秘密基地を大公開!
憧れのフォルクスワーゲンのヴァナゴン ウエストファリアをフルカスタマイズした森山直太朗さん。自分の部屋の延長で、純粋に車中泊を楽しんでいる。「小回りが利く機動力と古さを生かした自分らしい空間が好き」だと言う、こだわりが詰まった愛車を見せてもらった。
シンガーソングライター。7か月にわたる全国ツアーを終えたばかり。9月14日に千葉・房総で開催される「氣志團万博2019」に出演予定。
森山直太朗さんは、深緑色のフォルクスワーゲンでさっそうと現れた。ヴァナゴンの中でも人気のT3をキャンピングカー仕様にしたウエストファリア。外装も内装も森山さんの色に染めたフルカスタマイズカーだ。
ジャズトランペッターだった祖父がアウトドア好きだった影響で、中学生の頃からキャンピングカーに憧れていたという森山さん。いつか乗りたいという夢がかなったわけだが、実はここ準備期間があった。
「ヴァナゴンを買う前にちゃんと失敗しておきたいと思い、同じウエストファリア社の内装のメルセデス・ベンツ マルコポーロを買って1年ほど試し乗りをしたんです。おんぼろだったのでかなり格安でしたね」。この期間で自分にとって大切な部分と不要な機能を見極めた。
4年前、森山さんが自分を見直そうと半年ほどの休息を取った際、ぽっかり空いた時間はまずヴァナゴンの製作に注がれた。ともにつくり上げたのが、大阪にあるフォルクスワーゲン専門店「GAKUYA」の木下さんと、彼の盟友であり内装を手掛ける若本さんだ。
「ぼろぼろのダメージジーンズでも、いまの感覚に合った加工をすれば新しいファッションになる。ヴァナゴンも、オールドカーの雰囲気を生かしながら自分にフィットしたかたちをつくっていきました。アイデンティティはそのままで、オリジナリティを加えていく。その作業が自分は本当に好きだと実感しました」。
細部にこだわるというのは、そのことをどれだけ考えていられるかだと森山さん。常に考えていると何かに気づく。それは曲づくりも同じ。ヴァナゴン製作に夢中になった休息期間を経て、いろいろなことに自発的になったという。
「遠出をしなくても都内の公園の駐車場に止めてごろごろしているだけで満たされる。自分の基地、ベースキャンプというか。突き詰めれば車中泊が好きですね。それは自分の中のバランスを整えるのに必要な時間。だからキャンピングカーに求めるものは、都内でも小回りが利く機動力です」。
そしていつかはヴァナゴンでキャラバンを組んで旅をしてみたいと語った。「ギター1本抱えて、日本各地の祭りやフェス、ライブハウス、温泉地をめぐったり。ヴァナゴンがもう1台あれば、5人編成のバンドで1年ぐらいかけて全国を回ってみたい。海だって越えられますしね」。
増本幸恵 写真=小澤義人 ヘアメイク=北島圭二
2019年9月号特集「夢のニッポンのりもの旅」特集