《山口・長門湯本温泉》
リノベーション建築でビール&バーと川のせせらぎを愉しむ
山口県北西部に位置する長門湯本温泉。豊かな自然に抱かれたこの小さな温泉街で人気の、ブルワリーとバーをご紹介。川のせせらぎに耳を傾け、味わう酒も一興だ。
美しく澄んだ音信川沿いに、旅館や温泉施設、飲食店などさまざまな店が建ち並ぶ長門湯本温泉。この地に湧き出る温泉は住吉大明神が授けたとされ、600年にわたり「神授の湯」として地域に親しまれてきた。
2016年からは温泉街全体の再開発がスタート。古民家をリノベーションしたカフェや瓦そば専門店など新店舗も続々とオープンし、テイクアウトした料理を川床で味わったり、そぞろ歩きを楽しんだりと、多くの人々で賑わっている。
街の薬屋がタップルームを備えたブルワリーに
「365+1 BEER」
温泉街で営業していた薬屋をリノベーションし、2021年に開業したクラフトビールの醸造所。都市デザイン事務所のコンサルタントである有賀敬直さんと空間デザイナーの彩香さんが、夫婦二人三脚でビール造りを行っている。
現在製造するのは、定番ビール6種と期間限定のビール。飲む場所や飲む時間から味わいのイメージを膨らませ、さまざまなシチュエーションにマッチするレシピを設計している。たとえばフルーティな香りと爽やかな酸味をもつ「夕暮れセゾン」は、ホッとひと息をつきたい夕暮れどきにぴったり。飲み口が軽いため、揚げ物などこってり系料理との相性も抜群だ。
「金・土曜はタップルームとしてオープンしています。地元の方と旅行者の方がつながる場になれたらうれしいですね」と有賀さん。今後、2階はギャラリーにする予定とのこと。ビールを通じた発見と新たな出会いがここにある。
365+1 BEER
住所|山口県長門市深川湯本 湯本1247-2
営業時間|金曜15:00〜19:00、土曜15:00〜19:00(春〜秋は金・土曜ともに21:00まで営業)※スタッフ在中時は瓶販売可(不定期)
定休日|不定休
www.instagram.com/sanrokuroku_beer
温泉街の古民家にオーセンティックバーが出現
「THE BAR NAGATO」
日が沈み、温泉街の照明に明かりが灯る頃、「THE BAR NAGATO」の看板が静かに掛けられる。音信川を間近に望む絶好のロケーション。築70年の長屋を改装した店内は、当時の面影を残した居心地のよい空間となっている。
店主はバーテンダー歴約30年の黒田大介さん。温泉街のイベントへの参加を機に長門湯本温泉に魅了され、「温泉街にバーを」という地域の声を受けて2021年にこの店をオープンした。
ゲストの希望に応じたドリンクを提供しながら、稀少なオールドボトルのウイスキーや山口県産の季節の果物を使ったフルーツカクテルも用意。ノンアルコールカクテルも快くつくってくれる。「ここで過ごした時間が、皆さまの旅の思い出のひとつになれたらうれしいです」と黒田さんは話す。穏やかに流れる川を眺めながら、グラスを傾ける贅沢な時間。一日の締めくくりが、美しい記憶として刻まれるはずだ。
THE BAR NAGATO
住所|山口県長門市深川湯本 湯本1325-1 だいご長屋2F
Tel|070-4426-8169
営業時間|18:00〜24:00(L.O.)
定休日|月曜
https://yumotoonsen.com/food/the-bar-nagato
おトクに長門に宿泊できるキャンペーン実施中!
2022年12月1日(木)〜2023年2月28日(火)の期間、長門市内で「ながと泊まっ得キャンペーン第2弾」が開催中。
参画する市内宿泊施設の「ながと泊まっ得キャンペーン対象宿泊プラン」を予約して市内で使える「ながと泊まっ得キャンペーン商品券」が配布される。
text: Nao Ohmori photo: Koji Mizusaki(Loop Photo Creative)
2023年1月号「酒と肴のほろ酔い旅へ」