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焚き火の達人・寒川一に学ぶ、
五感を刺激する”アウトドア”【中編】

2021.6.12
焚き火の達人・寒川一に学ぶ、<br>五感を刺激する”アウトドア”【中編】

いま焚火にハマる人が急増中!そして、料理界では最先端でもある焚火料理。焚火の達人・寒川一さんに、その極意をうかがいました。今回は、焚火の醍醐味や必需品、料理の数々を3つの記事でご紹介。

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1,焚火に用意するもの

寒川さんが実際に使っている基本の道具をご紹介しよう。この焚火台や火吹き棒は、寒川さんが理想の焚火を追求し、香川県の槙塚鉄工所とともにつくり上げたオリジナル。環境への配慮を考えれば直火よりも焚火台を使うのがおすすめ。できれば火消し壷も用意しておきたい。

①火消し壺
焚火を終えて残った熾火や炭は、水をかけて強引に消すのは禁物。火消し壷があれば後始末がスムーズだ。専用のものではなくても、蓋の付いた鍋や耐熱容器で代用できる
②グリルパンなど
焚火にそのままくべられるグリルパンがあれば、料理の幅がぐんと広がる。写真のような足付きタイプなら火が上がった状態でも使え、焚火空間を有効活用できる
③着火用資材
写真にある割り箸、麻ひも、木の皮のほか、油脂が多い杉や松の枯れ葉も。牛乳パックは内側にポリエチレンをコーティングしてあるので燃えやすく、よい資材になる
④火吹き棒(★2200円)

火をおこす際や、熾火に薪を足して炎を上げたいときなどに重宝する。うちわであおぐよりもピンポイントで火元に空気を送ることができ、周囲に火の粉が飛び散らない
⑤火挟み

燃えている薪や炭を動かして火力をコントロースするのに不可欠。重い薪でもしっかりつかめる構造のものを選びたい。食材用のトングとは別に用意しておこう
⑥グローブ(★1万3200円)

熱や刺激から手を守る。焚火のほかに、薪割りやナイフ作業など何かと出番が多い。耐久性、耐火性に勝る皮革製がおすすめ。適切なサイズで使用感のよいものを選ぼう
⑦着火のための道具

手早く火をつけたいなら、アウトドア用のライターやガストーチ、お馴染みのマッチが便利。火花をおこすメタルマッチなら、着火そのものが楽しいイベントになる
⑧焚火台(★Sサイズ2万2000円、Lサイズ3万3000円)
足元の暖かさを追求し、寒川さんが設計に加わったオリジナル。中心となるパンと外周部分からなり、外周では石を置いて蓄熱させたり、湿った薪を乾かすことができる

2,焚火のコツと後始末

小さな火をおこして確実に育て、調理の目的に合わせて火力を調節する。ポイントを押さえてしまえば簡単だ。焚火の後始末も大切。焚火台を使えば撤収もスムーズだが、たとえ直火の焚火でも、焚火跡を残さない原状復帰が大原則。

火おこし

確実に火をおこすには、単に着火資材に火をつけるだけでなく、最初にしっかりとした火床をつくることが大切だ。コツは、細い枝などが熾火の状態になって焚火台の底にたまるまであまりいじらないこと。一度火床ができたら、薪を徐々に太くして炎を育てよう。

①牛乳パックは10cm四方ぐらいに破いて表面を剥がし、一部をつなげたままさらに細かく裂く
②焚火台の中央に置いて半分に折った割り箸を円錐状に並べ、牛乳パックの下から火をつける
③割り箸に火が移ったら、火が均等に上がるよう割り箸を追加し、細めの薪を3〜5本くべる
④割り箸が熾火状になって底にたまってきたら、火吹き棒で空気を送り火を大きくする
⑤追加した薪に火が移ってきたら、先ほどより太い薪を追加。そこに火が移れば全体が安定する

火のコントロール

薪同士が適度に接着すると炎が上がる。落ち着かせるには、薪の間隔をあけて平行に並べる

炎で食材の表面をさっと焼く、熾火でじっくり火を入れる……。焚火料理を成功させる最大のポイントが火のコントロールだろう。安定した熾火状態から薪を足して炎を上げたり、逆に炎を落ち着かせたりを自在に調節できるようになるのが理想的。

後始末

熾火や炭が残ってしまう場合は、鍋や火消し壷に入れて持ち帰ろう。大きな炭は再利用できる

焚火を終えたとき、薪が燃え尽きて灰だけになっているのが望ましいが、それには時間がかかるし現実はなかなかそうもいかない。炭に水をかけて放置する、なんてことはマナー違反。炭は自然界で半永久的に分解されないことを理解しておこう。

 

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text: Yukie Masumoto photo: Yuko Okoso
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