ART

4.Souun♡アートのプロデュース

2019.12.18
<b>4.Souun♡アートのプロデュース</b><br class=“none” />

アートプロジェクトの仕掛け人、高橋邦忠氏が武田双雲さんのアート作品の可能性にいち早く気づき、アーティスト活動のプロデュースを手掛けています。現代アーティスト・Souun♡の生みの親でもある高橋氏に、あらためて作品の魅力や独自性について解説していただきました。第4回はプロデュースの仕掛け方についてご紹介します。

高橋邦忠さん
武田双雲ワールドワイド
“感謝”アートプロジェクト事務局エグゼクティブプロデューサー
ブランドマーケティングの専門家。一般的なアートのアプローチではなく、マーケティングとブランディングの手法で、現代アーティスト・Souun♡のプロデュースを行っている。

Souun♡アートのプロデュース

──高橋さんは、ブランドマーケティングの手法で双雲作品のプロデュースをしています。まず、その概要を教えてください。
高橋:私はアートの専門家ではなく、日頃は企業のマーケティングやブランディングを手掛けています。その経験を基に、双雲さんのアート作品のプロデュースを行っているんです。その手はじめとして、2019年2月に開催する個展のスポンサー企業とともにコラボ企画を実施し、双雲さんの露出を増やしていきます。狙いは、書道家として「圧倒的なナンバーワン」に押し上げること。それと並行して、双雲さんのアート作品を「アブストラクト カリグラフィ」と定義しブランディングも行っています。この手法のメリットは、効率的で効果的なことです。
川崎:ギャラリーに所属し、何年もかけて売り出すことが一般的ですからね。2月の個展では、書も展示されるのですか。
高橋:まだ計画段階ですが、書道家としての書は展示しない予定です。
川崎:そのほうがいいと思います。

──なぜ、そう思われるのですか。
川崎:歌手やタレントがアートの作品を発表しても、アート業界でアーティストとして認められる人は少ないですよね。それは兼業だから。双雲さんも「書道家・武田双雲」を知る人たちの目線を変えさせることは、とても重要なことだと思います。
「書がアート」の進化する可能性
高橋:双雲さんの作品のどんなところにおもしろみを感じますか。
川崎:書道って書き順がありますよね。だけどアートにはない。長年、書き順を守ってきた双雲さんだからこそ、アート作品の“描きはじめと描き終わり”を想像しながら見たらおもしろそうです。
高橋:日本人独特の視点ですね。外国人は書が絵のように見えるから、フォルムが重要になります。だけど、日本人は漢字が読めるから、書き順がわかる。たしかに、書き順をイメージすると、音楽のようにリズムやメロディーが浮かびますよね。しかも作品によってリズムが違う。それを感じることも、作品のおもしろさでもあると思います。

──高橋さんが感じている、双雲作品のおもしろみは何でしょう。
高橋:僕が双雲さんに惹かれた理由のひとつは、楽という言葉をテーマに選ぶセンス。非常に中庸的な言葉ですが、嫌いな人はいないですよね。
川崎:双雲さんの作品のテーマはすべて「楽」なんですか?
高橋:400点以上ある作品の95%は「楽」です。ただ、双雲さんは描く瞬間の感情を基に表現しているので、テイストはバラバラ。それは、双雲作品の特長のひとつです。
川崎:おもしろいですね。
高橋:双雲さんのアーティストとしての可能性は、どう思われますか。
川崎:アーティストとして振り切って活動するほうが、才能がより大きく開花するような気がします。書からアート、アートからの書へのループで、双雲さんの書は進化し、現代アートとして評価される可能性もあるはず。「武田双雲って昔は書道家だったらしいよ」なんて、語られる日も来るかもしれませんね。

リンクル 代表取締役 川崎祐一さん
1984年生まれ。2011年インターネットの広告代理店・リンクルを創業。アートコレクターとしても活動しており、700点以上の作品をコレクションしている

文=西山 薫 写真=山平敦史

2020年1月号特集「いま世の中を元気にするのは、この男しかいない。」

《アートプロジェクトの仕掛け人、高橋邦忠氏が語るSouun♡アートの魅力》
1|Souun♡が現代アートのメインストリームとなる5つのエレメント
2|Souun♡作品の世界観をかたちづくるストーリー
3|Souun♡を「富士山」にしたい!
4|Souun♡アートのプロデュース

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