FOOD

東京都杉並区
たおやの「どらやき」
《菓子研究家・福田里香の民芸お菓子巡礼》

2026.7.13
東京都杉並区<br>たおやの「どらやき」<br><small>《菓子研究家・福田里香の民芸お菓子巡礼》</small>

民芸とお菓子の甘い関係をひも解いていく、お菓子研究家・福田里香ふくだりかさんの《民芸お菓子巡礼》。今回は東京都杉並区にある名店・たおやの「どらやき」をご紹介。

福田里香(ふくだ りか)
菓子研究家。書籍や雑誌を中心に活躍。15年間にわたり続いている本連載をまとめた書籍『民芸お菓子』が小社より発売中。

うさぎやの味を知る近隣の方々のお墨付きが出るまで試作したどらやき。1個290円。ロゴマークはうさぎやゆかりの南天の実と葉

今年4月に開店した東京・阿佐谷の「たおや」は土地柄的にも民藝運動と縁が深い和菓子店です。運営するのは、2024年に店仕舞いした阿佐谷の名店「うさぎや」で16年間菓子職人を務めた中屋直子さんと販売スタッフの込山裕美子さん。うさぎやの閉店を惜しんだ二人がご店主に許可を得て、正式に味を引き継ぎました。

店頭。うさぎやから譲り受けた南天の鉢植えが目印。現在はどらやき、みたらし団子、あんみつ、赤飯、うさぎ饅頭(不定期)の5種類を販売

話は変わりますが、昭和時代の阿佐谷は文士村と呼ばれるほど、70名もの文化人が住み着き、また1952(昭和26)年には隣駅の荻窪に棟方志功が居を構えました。甘党の棟方がご贔屓の「うさぎや」に贈った書は受け継がれ、現在は「たおや」の店内で鑑賞できます。この書は、民藝運動の中心人物として活動した陶芸家・河井寬次郎の言葉「うれしくて ありがたくて あばれたくなるよ」を、棟方が筆に残したという逸品です。

看板商品はいまも昔もどらやき。美しい均一な焼き色に心地よい甘さの小倉あん。うさぎやのどらやきがソウルスイーツな阿佐谷の皆さまが太鼓判を捺した味を、いまはたおやで味わえます。

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たおや
住所|東京都杉並区阿佐谷北1-4-11
Tel|非公開
営業時間|10:00〜18:00(売切次第終了)
定休日|月・火曜
Instagram|@taoya0403

 

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text: Ricca Fukuda photo: Wakana Baba
2026年7月号「納涼、しましょ。」

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