デザイナー・辰野しずかが自慢したい「ものづくり」
私たちのニッポン自慢【Part 6】
絶景、アート、建築、ものづくり、発酵食品、日本酒。各分野に精通したクリエイターの方々に、いま自慢したい日本の魅力を教えてもらいました。彼らの視点から、春の旅先探しや自宅での楽しみ方のヒントが見つかるはずです!
Part 6はデザイナー・辰野しずかさんが自慢したいものづくり。風土と伝統技術によって育まれた変わらないもの、進化を続けるもの、未来に受け継ぎたいプロダクトに注目。
辰野しずかさん
兵庫県出身・東京都育ちのクリエイティブディレクター・デザイナー。「Shizuka Tatsuno Studio」代表。ロンドンのキングストン大学プロダクト&家具科を卒業。生活用品やファッション小物、家具などを中心に手掛ける
<ゆかりの地で手掛けたもの>
京都府・京都市
KORAIの「REN/漣」
京都の職人による組子の技術をモビールに
「水面に浮かぶ波紋や木漏れ日から、インスピレーションを得てデザインしました。素材には檜を採用して、釘を使わず0.5度ずつ回転させる手法で組んでいます。窓辺に吊るして、ぼんやり眺めると気持ちが安らぎます」
<ここが自慢!>
組子には二条城の修復などにかかわる京都の職人による建具の技術を採用
価格|11万円
材質|檜、ステンレス
サイズ|本体W345 x D68 x H380㎜、ワイヤー2000㎜
重量|215g
購入方法|オンラインショップ
Tel|03-6280-8387
https://koraikogei.store
長野県・安曇野市
アトリエ灯の「枝の匙」
使われない木の枝に再び魂を宿す
「木の枝が本来もつかたちを生かした造形で、自然をほうふつとする佇まいからは、地域に生育していた木の生きざまを感じます。飾るのはもちろん、用途を限定しないで自由な発想で使うのもよいと思います」
<ここが自慢!>
森林資源の持続可能な有効利用。作家自ら山や森に入り、枝を採取する
価格|2530円〜
材質|杉、檜、クルミ、カエデなど
購入方法|ウェブサイトから問い合わせ
www.atelier-hi.com
※一点もののため、サイズや重量は商品によって異なる
沖縄県・南風原町(はえばるちょう)
ゆいまーる沖縄の「指ハブ」
身近な植物で、ハブに指を噛まれる擬似体験!?
ヤシ科のマーニなど沖縄の身近な植物でつくられる玩具。指を入れて引っ張ると、なかなか抜けない。「自然を感じる素朴な質感がすてきなので、私は束にして部屋に飾って素材感を楽しんでいます」
<ここが自慢!>
ハブが生息する地域らしさがあふれる、クスっと笑える癒しの民芸品
価格|363円
材質|マーニ
サイズ|全長約450㎜、直径約16㎜
重量|約5g
購入方法|オンラインショップ
https://yuimarluokinawaweb.jp
愛知県・常滑市
伊藤成二の「朱泥 極平型急須(大)」
常滑焼を代表する朱泥土を美しいフォルムで
窯元「甚秋陶苑」の2代目・伊藤成二さんの極平型急須。「常滑は急須が人気の産地で、職人が美味しいお茶の飲み方を研究してプロダクトに反映させています。氷を入れて冷茶にしても美味しいですよ」
<辰野しずかさんおすすめ!>
茶葉が広がり、抽出がしやすい形状。玉露など上質なお茶にぴったり
価格|2万7500円
材質|炻器
サイズ|W185×D155×H45㎜
重量|270g
購入方法|オンラインショップ
Tel|03-6280-8387
https://store.hulsgallerytokyo.com
富山県・高岡市
能作の「ちょい呑 – ぐい呑」
ものづくりの街・高岡を代表する錫メーカーのぐい呑み
「錫は熱伝導率が高いため、冷蔵庫で数分冷やせばひんやり使えるなど、温度を感じながらお酒を楽しめます。能作は製作体験や工場見学を行うなど、街の観光に貢献している点にも注目です」
<辰野しずかさんおすすめ!>
職人が手作業で仕上げる。錫製のぐい呑みは、酒の雑味が抜けてまろやかに
読了ライン
価格|3630円
材質|錫
サイズ|φ50×H37㎜
重量|87g
購入方法|各直営店、オンラインショップ
Tel|0766-63-0556
www.shopnousaku.com
自慢したい「発酵食品」
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text: Akiko Yamamoto photo: Shimpei Fukazawa
Discover Japan 2023年4月号「すごいローカル見つけた!」