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《解説!第2の地元のつくり方》Part 2
「仕事と暮らし」のスタイル

2022.4.4
<small>《解説!第2の地元のつくり方》Part 2</small><br>「仕事と暮らし」のスタイル

住まいや仕事はどう見つければよいのか、どのくらいお金がかかるのかなど、移住に不安はつきもの。移住先探しから補助制度まで、第2の地元づくりの基本を3回に分けてやさしく解説する。Part 2は、仕事と暮らしのさまざまなスタイルを紹介。

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地方には仕事がないは過去の話

photo: Kazuya Hayashi, Shingo Nitta

移住をする際の懸念のひとつとして、ひと昔前は仕事の幅が限られることが挙げられていた。しかし、テレワークやITツールの普及に伴い、仕事の選択肢は格段に増えつつある!

<主な仕事スタイルはこちら!>
専門スキルをもって移住
デザイナーや料理人など、手に職をもつ人であれば、移住してもスキルを生かした仕事が実現しやすい。地方であれば、仕事に広い作業スペースが必要な場合の土地代も安心だ。

仕事はそのままテレワーク
働き方の多様化により、いままで働いていた企業に所属したままテレワークで働けるケースも。月に数回など定期的に出社が必要な人は、都市近郊のエリアへの移住が最適だ。

新たに起業・就職
移住者に向けて起業支援を行っている地域もあり、実は地方で起業を目指す人も多い。地方企業への就職を希望する人は、自治体の就業サポートも積極的に活用しよう。

地域おこし協力隊として活動
各自治体が募集している地域おこし協力隊(P92)に応募して採用されれば、地域活性化につながる仕事で移住先に貢献できる。月収は16万円前後の地域が多く、任期は1~3年。

◎農業や漁業をしたい人はまずセンターに相談
地方でしかできない仕事の代表格といえば農業や漁業だが、新規参入はハードルが高い。そこで活用してほしいのが国や自治体と連携する支援センター。体験イベントも実施しているので、移住後の働き方が想像しやすい

全国新規就農相談センター
Tel|03-6910-1133
www.be-farmer.jp

全国漁業就業者確保育成センター
Mail|info@ryoushi.jp
https://ryoushi.jp

0円からのマイホームや
5万円以下の多拠点づくりも

photo: Norihito Suzuki

移住を決意した際につまずくことが多いのが、住まい探し。地方ではウェブの掲載情報が少ない場合も多いため、自治体など地域の人にも相談しながら探すと見つけやすい。

新築を建てる
地方のメリットのひとつは、都市圏より土地が安いこと。1000万円程度で建てられる戸建ても増えているので、長年住むなら新築もお得。新築購入補助が出る自治体もある。
[こんな人におすすめ]
▶︎移住先にずっと住み続ける予定だ

空き家バンクを活用
自治体のウェブサイトなどで公開されている空き家バンクでは、掘り出し物件が見つかることも。しかし、修繕費がかかることも多いので、設備などを事前に確認しておくこと。
[こんな人におすすめ]
▶︎移住先にずっと住み続ける予定だ
▶︎古民家暮らしに憧れがある

無償譲渡してもらう
地域によっては空き家や、空き家の建つ土地を無償でもらえる場合がある(贈与税などは別途)。ただし、一定期間は賃料が発生するケースもあるため要項も細かく確認すべし。
[こんな人におすすめ]
▶︎移住先にずっと住み続ける予定だ
▶︎古民家暮らしに憧れがある
▶︎とにかく安く家を見つけたい

多拠点生活をする
リフレッシュを目的に週末のみ移住するなど、多拠点での生活を望む人は、二重に家賃がかかることを避けて、セカンドハウスをもたないという選択肢もおすすめだ。
[こんな人におすすめ]
▶︎さまざまな地域で生活してみたい

賃貸を借りる
永続的にその土地で暮らすか決めていない、しばらく住んでから土地との相性を見定めたいという人は賃貸が最適。賃料の安い移住者向け住宅を用意している自治体も。

多拠点生活をしたいなら
サブスクリプションを活用すべし!

◎全国200カ所以上の拠点で暮らすように滞在する
都市近郊から自然豊かな地方まで、47都道府県に運営施設をもつ「ADDress」。主に複数の会員が同じ一軒家に滞在するシェアハウス形式で、ほとんどの家に個室があるのでプライベートも確保されている

ADDress
料金|月額4万4000円〜
※オプション料金で、予約不要の専用ベッド契約も可能
https://address.love
※問い合わせはウェブサイトから

◎ホテルの長期滞在が日常になる
全国800カ所以上のホテルなどと提携する「goodroom ホテルパス」。憧れのホテル暮らしが手軽に実現でき、無料の朝食やライブラリーの利用など、通常の宿泊者と同じサービスを受けられる施設も多数

goodroomホテルパス
料金|月額6万9800円〜
※初回登録料9800円、水道光熱費は300円/日、
ホテルランクアップは300円~/日の追加料金あり
Tel|03-5776-3481
https://livingpass.goodrooms.jp

都心では実現できない結婚生活と子育て

photo: Norihito Suzuki

結婚や子育てには、家賃や教育費などの出費がつきもの。家族で地方に移住をすれば、自治体の補助を受けながら、自然豊かな環境で暮らせるというメリットがたくさんある。

<地域によってこんなサポートがあります!>
結婚定住奨励金
新規に婚姻した世帯が移住する場合に奨励金を支給し、新生活を応援。婚姻日から1年以内など期限が設けられているため、パートナーとの移住を望むなら計画的に利用したい。

育児支援金
子育て世代の育児に対する支援金を、小学校入学まで支給するなど継続的な補助制度も。地域の活性化も目指して、現金ではなく地域限定商品券を配布している自治体もある。

出産祝い金
妊娠から出産までにかかる費用の平均はおよそ50万円。多くの自治体では出産時に祝い金を支給しており、第2子、第3子と人数が増えるごとに自支給額が増える地域も。

医療費助成
中学校や高校を卒業するまでなど、子どもの医療費を無償に、あるいは軽減している自治体がある。急な病気やもしものけがに備えて、移住前に確認しておきたい。

◎自然の中で人間力を育む親子留学
小中学生やその親を対象に行っているユニークな支援制度といえば「親子留学」。農山漁村に一定期間移り住み、地域の学校に通いながら、自然環境を生かした体験活動や集団生活を行う。異なる環境やコミュニティの中で暮らすことで、子どもの感性や自立心を育むきっかけになる

実施自治体
○群馬県・南牧村
○山梨県・丹波山村
○島根県・海士町
など

 

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特別協力=移住・交流推進機構(JOIN)、ふるさと回帰支援センター text: Discover Japan
Discover Japan 2022年3月号「第2の地元のつくり方」

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