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長野県松本市 開運堂の「松本の城」
《福田里香の民芸お菓子巡礼》

2024.4.6
長野県松本市 開運堂の「松本の城」<br><small>《福田里香の民芸お菓子巡礼》</small>

民芸とお菓子の甘い関係をひも解いていく、お菓子研究家・福田里香さんの《民芸お菓子巡礼》。今回は民藝好きに愛される長野県松本市のシンボルである松本城の名を冠した、菓子司・開運堂の銘菓「松本の城」を紹介します。

福田里香(ふくだ りか)
菓子研究家。書籍や雑誌を中心に活躍。14年間にわたり続いている本連載をまとめた書籍『民芸お菓子』が小社より発売中

個包装のパッケージ。松本民芸館の創設者、丸山太郎の挿画。1個184円(2024年2月現在)

「松本民芸館を擁する長野県松本市は、民藝好きなら何度も訪れたくなるクラフトの街です。松本には旅館にホテル、喫茶店、割烹など民藝の要素を取り入れた老舗がいまも数多く点在しますし、また歴史と自然も豊か。国宝「松本城の天守」は、雄大な北アルプスを背景にそびえて唯一無二の美しさです。
 
松本に旅行してお土産を買うなら「開運堂」の銘菓「松本の城」がおすすめ。「松本の城」は、ココア風味の皮で生クリーム入りの紅あんを包んだ上品な味わいの焼き菓子です。ほんのりビターですっとほどける上品な口当たり。松本城の漆黒の外壁に映える赤い欄干の埋橋をイメージして創作したそうです。
 
包装もお城が題材で、挿画は松本民芸館の創設者である丸山太郎の作品です。丸山は自身の名言「美しいものが美しい」という言葉の通り、その審美眼で民藝運動に心血を注ぎ、1962(昭和37)年、自らの収集品約6800点を収めた松本民芸館を創設しました。そんな逸話をお茶請けにいただくお菓子は、ことさら美味しく感じます。

6個入り箱の包装紙

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開運堂
住所|長野県松本市中央2-2-15
Tel|0263-32-0506
営業時間|9:00〜18:00
定休日|なし
www.kaiundo.co.jp

text: Ricca Fukuda photo: Wakana Baba
Discover Japan 2024年3月号「口福なニッポン」

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