神社・仏閣入門「建造物と配置を比較」(神社編)
神社や寺に行くと、同じような位置に同じようなものが建てられていると感じたことはありませんか? そんなあなたの疑問を解決するため、神社とお寺の建造物とその配置をわかりやすくイラストにして紹介します。
境内には、本殿の神とは別の祭神が祀られた、摂社(せっしゃ)や末社(まっしゃ)があります。摂社は、本殿に祀られた主祭神と縁故関係にある神が祀られ、それ以外を末社となります。摂社や末社は、境内から離れた場所に設置されることもあります。
心身を清めて、拝殿へ
現在のようなかたちの神社が建立されたのは、5世紀頃です。それまでは、神が宿るとされる山や岩が原型でした。注連縄(しめなわ)を張り、神饌(しんせん)を供え、神の社(やしろ)がそこにあるとみていたとされています。
神社にはさまざまな形態がありますが、欠くことができないのが、拝殿と本殿です。本殿には神が宿るご神体が安置され、宮司ですら中を見ることが許されません。そのため、参拝者は、拝殿から拝むのです。
また、神社のシンボルといえば鳥居です。参拝時は、鳥居をくぐり拝殿へと進みます。神は清浄な人を好むため、鳥居をくぐり手水舎で手と口を清めます。そして、拝殿へ向かいます。このすべてが、神道では身を清める作法とされます。もし複数の鳥居があるときは、一の鳥居から順にくぐります。
また、気をつけてほしいのは、正中(せいちゅう)と呼ばれる参道の真ん中を歩かないことです。これは神のための道です。供物などを運ぶとき以外は、歩くことが禁じられています。そして、神橋(しんきょう)も同じく神のためのものなので、渡ってはいけません。橋を封鎖している神社があるのはそのためです。
神社を詣でるときに大事なことは、身を清めて心を正すことです。神が最も嫌うのは、平気でうそをついたり、人をだましたりする人であることを忘れてはいけません。
神社に見る建造物
【鳥居】
神社のシンボルです。邪悪なものが侵入するのを防ぎ、そこが聖域であることを示す門として役割があります。かたちはさまざまですが、くぐるときには、軽くおじぎをすることを忘れないようにしましょう。
【狛犬】
神社の守護、魔除けのための役割をもっています。灯籠と同じように、参道や社殿の両脇に設置されています。阿吽(あうん)の姿をしているのが一般的ですが、形式は定まっていません。
【注連縄】
立ち入り禁止や、そこが聖域であることを示し、紙垂(しで)という紙を垂らしてあります。神社によって、さまざまなかたちの注連縄がありますが、向かって右が太いのが一般的です。
(text: Discover Japan, illustration: A2WORKS, matya, supervision: Takeshi Mitsuhashi)
参拝作法から旅館でのマナーまで
≫基礎知識の記事一覧はこちら