HOTEL

《ROKU KYOTO, LXR Hotels & Resorts》
京都の奥座敷・洛北でリゾートステイ

2022.10.25
《ROKU KYOTO, LXR Hotels & Resorts》<br><small>京都の奥座敷・洛北でリゾートステイ</small>

京都は洛北、喧騒から離れた自然豊かなロケーションに類いまれなるラグジュアリーホテルがオープン。京都の奥深い美意識が息づく地で、また新たな歴史がはじまった。

サーマルプールは8:00〜21:00までオープン。スパエリアのアートテーマである陶器のタイルが爽やか。全4室の「プールサイドデラックス」のテラスからはプールへ直接アクセスが可能

京都市中心部から車で20〜30分も走れば、そこは洛北の地。街中と一転し、しんと静謐な空気に包まれる。鷹ヶ峰・鷲ヶ峰・天ヶ峰を総称した鷹峯三山。そのふもとに2021年9月、「ROKU KYOTO, LXR Hotels & Resorts」が誕生した。アジア太平洋地域で初進出となる、ヒルトンの最上位ブランドとあって、洗練を極めたラグジュアリーホテルとして熱い注目を集めている。

「しょうざんリゾート京都」の一画に位置し、ホテルの敷地面積は約2万3000㎡と圧巻のスケールだ。世界有数のラグジュアリーホテルで実績をもつ「BLINK Design Group」が手掛けたインテリアデザインのコンセプトは、アーティストレジデンス。歴史をひも解けば、ここは江戸時代初期に本阿弥光悦が芸術村を築き、琳派発祥の地ともいわれる場所だった。アライバルエリアは漆、客室は京唐紙、レストランは竹などのアート作品が飾られ、ゾーンごとにテーマの異なるマテリアルが、滞在をよりドラマチックに彩る。モダンで快適なしつらえと、長く継承されてきた職人技が融合。さながら現代によみがえった芸術村だ。

「THE ROKU SPA」の温泉付きペアルーム。天神川の清流を受けた石を使ったトリートメントなど、聖なる土地のエネルギーを意識したプログラムが豊富に用意されている

客室は5タイプ、全114室を展開。どの部屋も華美さを抑えつつ上質なしつらえで、この上ない寛ぎを誘う。中でもユニークなのは「プールサイドデラックス」だろう。窓の外は33㎡ものプライベートテラス。そしてテラスのドアを開ければ、屋外サーマルプールへと直接アプローチできるのだ。サーマルプールは天然温泉を使用しているため、ほどよい温かさでオールシーズン利用可能。ひと泳ぎすれば、鷹峯三山の雄大な自然とひとつになるような感覚に。スパ施設「THE ROKU SPA」に隣接しており、スパやフィットネスの利用もスムーズ。心身を解き放つ、リゾートでのひとときが待っている。

「ROKUスイート」のリビングルーム。壁面の一部にあしらった唐紙が風雅なアクセントに。邸宅のような優しいトーンでリラックスできる。全面にとられた窓からはホテル全体を見渡すことができ、遠くに京見峠も望める
「ROKUスイート」は、ベッドルームもこの広さ。英国王室御用達・スランバーランド社製ベッドが上質の眠りへ導く。同フロアにある「PEAKスイート」は同一の間取りで、ベッドタイプがキングに

最上階のプレミアフロアに位置するスイートルームは、鷹ヶ峰の頂を望む「PEAKスイート」、天神川越しに山麓を一望する「ROKUスイート」と命名された2室。いずれもリビングとベッドルームが50㎡ずつ、計100㎡という贅沢な広さ。西陣織などのアートワークを随所に配した気品漂うしつらえと、山々の幽玄な眺めが一体となり、ここにしかない奥行きのある美しさをもたらす。ホテルラヴァーたちが羨望してやまない、癒しのスイートだ。

「ガーデンデラックス」のバスルームは、ベッドルームとひと続きになったような開放的なつくり。自室にいながら温泉ざんまいを堪能できるのがたまらない。美しく整えられた坪庭は、冬には椿が開花
日が落ちた後、鏡のように明かりを映す水盤の眺めはあまりに幻想的。アライバル棟と宿泊棟、レストラン棟など施設がそれぞれ独立しているので、敷地内をゆったりと回遊する楽しさがある

客室風呂に天然温泉を引き込んだ「ガーデンデラックス」も見逃せない。広々としたバスルームの窓を開け放てば、目の前のプライベートガーデンを眺めつつ、露天風呂の趣が満喫できる。

安らぎを演出する、多彩な趣向が凝らされた空間。洗練を極めた非日常を感じさせながら、決して気負わず過ごせるのがうれしい。おこもりを愉しむ、郊外型のリゾートホテルの完成形がここにある。

周辺の山々や空の色を映す広大な水盤は、風が吹き渡るとさざ波のような水紋が生まれ、気持ちをほっと和ませる。各施設をつなぐ通路は屋根付きなので、天候を気にせず移動することが可能だ

ホテルのどこにいても目を楽しませるのが、広大な水盤。鷹峯三山を映す“逆さ三山”など、周囲の自然を鮮やかに映し込む。水と緑が織りなす景観は、いままで知らなかった特別な京都に出合ったようで、心が洗われる。

客室棟から水盤を望みながら通路を進み、レストラン「TENJIN」へ。開放的なフロアの軸となるのは、ナチュラルフレンチをテーマとする「オールデイダイニング」。アラカルトにもコースにも対応する懐深さが魅力だ。クラシックなフレンチの技法をベースに、和の食材や新たな感覚をミックスした品々は、新鮮な口福を与えてくれる。アフタヌーンティーは、ぜひ「ENGAWA」のテーブルへ。窓の外に木々が迫り、四季の移ろいがひと際感じられる。気候がいい季節にはテラス席も心地いい。

全面ガラス張りの「TENJIN」は、自然の息吹が間近に感じられるすがすがしい食空間。伝統的な日本家屋から着想した「ENGAWA」も滞在中ぜひ一度は利用したい

このほか、特別コースメニューを提供する完全予約制「シェフズテーブル」、ウイスキーや創意豊かなカクテルなどが楽しめる「ザ バー」も併設されている。シーン別で選ぶことができ、忘れ難い美食体験がかないそうだ。

樹齢400年のシンボルツリー・北山杉に迎えられてはじまった滞在は、時間とともに快適さが深まっていく。鷹峯三山のふもとに抱かれた場所で、清らかなエネルギーに満たされる休日になるだろう。

レストラン「TENJIN」で
季節を映すフレンチを

オールデイダイニングのディナーコース(1万5180円)からアミューズ。キャビアやジュンサイなどで風味と口当たりを豊かに。日により内容は替わる
冷前菜は、燻製にして皮目を炙ったシマアジに柿の糠漬け、シェーブルチーズなどを合わせた一品。発酵の複雑な旨みが重なり合い、長い余韻を残す
丹波のぐじの鱗焼きに合わせたのは、深いグリーンが印象的な春菊のソース。フィンガーライムやカラスミをあしらい、軽い酸味と塩味をプラス
卵黄を包んだラヴィオリに、旬のキノコと生ハムのメルバトーストをのせ、キノコのエスプーマを注いで。月に雲がかかった情景を描いた、ロマンチックで風味豊かなひと皿
緻密に火入れされたオーストラリア産仔羊のローストに、チョリソーを仕込んだメインディッシュ。ローストオニオンとキノコを添えて秋らしい表情に
赤ワインで煮込んだイチジクを、白あんを加えた軽やかな生クリームで包み込んだオリジナルのモンブラン。サクサクとした食感が楽しいデザート

目にも愉しいアフタヌーンティー

オリジナルのスタンドで供されるアフタヌーンティー6325円。栗とオレンジのムースなどのスイーツ、秋鮭のコロッケバーガーといったセイボリーが共演。フリーフローのティーセレクションも秀逸

ウイスキー飲み比べやハーブたっぷりジンも

「ザ バー」のジャパニーズウイスキーテイスティングセット1万2650円
シグニチャーカクテル・花物語5692円。季節の花やハーブ類を漬け込んだ、ジンベースの爽やかな一品

ギフトにもいいアメニティ

(左)館内の随所で香る北山杉のエッセンシャルオイル。アロマコースター付き。2530円(右)なめらかな表地とふかふかの裏地が着心地抜群の軽やかなバスローブ。3万円

ROKU KYOTO, LXR Hotels & Resorts
住所|京都府京都市北区衣笠鏡石町44-1
Tel|075-320-0111
客室数|114室
料金|1室 8万2000円〜(税・サ別)
カード|AMEX、DINERS、JCB、Master、UC、VISA
IN|15:00
OUT|12:00
夕食|フレンチ(レストラン)
朝食|洋食、和食(レストラン)
アクセス|車/JR京都駅から約30分、バス/京都市営バス金閣寺道 バス停から徒歩約15分
施設|レストラン、バー、ティーハウス、サーマルプール、サーマルルーム、スパ、フィットネスルーム
 
 

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text: Aya Honjo photo: Mariko Taya
Discover Japan_TRAVEL ニッポンの一流ホテル・リゾート&名宿 2022-2023 –

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