ARTS CRAFT JAPAN(アーツ・クラフトジャパン)「カッティングボード展」
岐阜・飛騨高山の大自然を食卓に取り入れてみませんか?

2022.5.6
<small>ARTS CRAFT JAPAN(アーツ・クラフトジャパン)「カッティングボード展」</small><br>岐阜・飛騨高山の大自然を食卓に取り入れてみませんか?

意外とお持ちでない方も多いカッティングボード。お気に入りが食器棚にひとつあると、普段の食卓、人を招いての食事会、アウトドアシーンでの食事……が、ちょっと楽しくなります。
渋谷パルコ「Discover Japan Lab.」および公式オンラインショップでは、カッティングボード展を開催!日本を代表する家具産地のひとつ、岐阜・飛騨高山の家具工房「ARTS CRAFT JAPAN」から、個性豊かなカッティングボードがたくさん入荷されました。

デザインの秘密は、広葉樹?愛でることが森の未来を守ることにもつながる?その魅力をひも解いていきます。色みや大小もさまざまで、用途ごとに複数買いする楽しみもあります。手に取りやすい価格帯で、自分のための、大切な誰かのための、ギフトにも最適です!

カッティングボードを手掛けるのは…
ARTS CRAFT JAPAN(アーツ・クラフトジャパン)

2011年、渡邉主税(わたなべ・ちから)氏が飛騨高山の地に設立した家具工房。「アートとクラフトを融合した日本らしいものづくり」をコンセプトに、岐阜県産の山桜を中心に、国産広葉樹を使用し、飛騨の木工伝統の椅子やテーブル、カッティングボードなどの木工小物を手掛ける。日本の森の豊かさと多様性を、木工の技と卓越したデザイン力によって伝えている。
http://artscraftjapan.com

違うことが個性になる、毎日使いたい逸品

町の中心を宮川が流れる古い町並みの向こうにアルプスを望む。雄大な自然と町が同居する、昔から変わらない飛騨高山の風景

岐阜・飛騨高山は北海道・旭川、福岡県・大川などと並び、日本の木工家具の一大産地。飛騨高山では「飛騨の匠」と呼ばれる卓越した職人が1300年ともいわれる歴史の中で優れた木工技術を育んできた。そんな飛騨高山でものづくりをするのが、アーツ・クラフト・ジャパンの渡邉主税(ちから)さんだ。当初は輸入木材も使っていたというが、地域に根ざしたものづくりをしたいと着目したのが国産の広葉樹だった。

「飛騨の山には広葉樹が多く自生しています。ですがそれらは製紙や燃料用のチップとして使われるのが主で、木工製品の材料としては、ほぼ使われていないのが現状です。大手企業が輸入木材を使う中、小規模ならではの個性を出すためにも、国産の広葉樹を使って商品化したいと思いました。」

国産広葉樹を専門に扱う地元の製材所との出合いを機に、本格的に国産広葉樹専門にシフト。広葉樹の家具づくりとともに、身近に使ってもらえるものをと着想したのがカッティングボードだった。
「あえて材を整え過ぎず、小径木(しょうけいぼく)の細さを逆手に取り、耳付き(※)の木のまま、サイズに合わせて幅とフォルムを決めています」

個性のある姿とともに渡邉さんのカッティングボードの特徴のひとつが、椅子の肘や背などを加工する家具の産地ならではの特殊な刃物で削り出す、人間工学に基づいた持ち手のかたち。木材の自然な表情と向き合いながら仕上げるフォルムには、学生時代に学んだ彫刻の技とデザインが生きている。

仕上げはこの地域に身近な天然のエゴマ油を使用する。購入後のメインテナンスは「汚れが気になる場合は食器用洗剤で洗い、水気を拭き取り自然乾燥させてください」と教えてくれた。使うことで輪染みや、刃物跡も残るが、「はき込むことで雰囲気がよくなるジーンズと同じように味として楽しんでもらえたら」と渡邉さん。

「買ったときが完成ではなく、使う人が自由に選べる余白を残しています。使うたびに愛着が増すカッティングボードはきっと自分だけのマイ・カッティングボードに育ってくれるはずです」

小径木であるがゆえに木材としては見向きもされなくなっていた国産広葉樹だったが、このカッティングボードを通じ、その魅力に気づくバイヤーも増えたという。

「私たちのものづくりを通じて国産広葉樹のよさに気づいてもらえることも目標です。そうすることで広葉樹の森も見直され、手入れが行き届き、少しずつ太い丸太が採れるいい循環が生まれてくれたらうれしい。このカッティングボードが日本の森を考えるきっかけになることを願っています」

工房入り口に植えられた、赤もみじが出迎えてくれるアーツ・クラフト・ジャパンは、飛騨高山の朝日町にある
家具は国産の山桜を材につくる。飛騨の木工伝統の椅子などの脚もの、国産広葉樹でつくる木工小物などが並ぶショールーム
国産広葉樹の中でも得意とするのは山桜。「日本人にとって思い入れの深い素材である桜を使うことで、身近に感じてもらえたら」

森の多様性を教えてくれる
唯一無二のカッティングボード

・家具製造の技術から生まれる自転車のハンドルのような安定感のある持ち手
・広葉樹の個性を生かした有機的なデザイン
・ひとつとして同じ表情ではなく、自分だけの愛用品に

山桜のカッティングボード
堅く耐久性があり、日常使いに適した国産広葉樹を材にしたカッティングボード。木目、色み、形状が一点ごとに異なり、それぞれ違うことで木が生き物であることを想起させてくれる。料理やフルーツをのせてテーブルにそのままサーブしたり、パンやデザートなどをカットするまな板にも。天然木の風合いと香りが食卓を豊かに彩ってくれる。

樹種|山桜
価格|4840円
サイズ|W280×D235×H20㎜

編集部でも愛用者多数!

渡邉さんイチオシの樹種5選!

特別展に合わせて、店頭には10種を超える樹種が入荷!中でもおすすめを渡邉さんに教わった。愛用品選びの参考にしてみてほしい。
※掲載商品はごく一部です。店頭ではほかにもさまざまな樹種・形状をご用意しています。

 


1 朴(ほお)
大きな葉をつけるモクレン科の落葉広葉樹。抗菌作用があり、刃当たりも優しくカッティングボードにも最適。その葉は、飛騨高山では朴葉味噌などの料理にも使われる。
価格|3960円
サイズ|W240×D170×H20㎜

 


2 栗
美しい木目に特徴がある栗の木のカッティングボード。耐水性があり水や湿気に強く、手入れをしながら使い込むほどにつやが出て、味わい深い逸品に育ってくれる。
価格|4840円
サイズ|W175×D280×H20㎜

 


3 エンジュ
マメ科の木でその名前から「延寿」にたとえられ縁起がいい木といわれる。灰皿の材にも使われるほど、堅くて燃えにくい特徴をもつ。濃い焦げ茶色の渋い色合いが男性に人気。
価格|4620円
サイズ|W155×D180×H20㎜

 


4 イタヤカエデ
その名の通り屋根材に使われることも多く丈夫さを誇る材。絹のように木目が細かく、なめらかで淡い桃色。その美しい木目からギターなど楽器にも用いられる。
価格|4180円
サイズ|W185×D280×H20㎜

 


5 山桜
日本人にも馴染みの深い山桜は、飛騨高山にも豊富に自生する象徴的な広葉樹。バラ科の木で香りがよく、堅く丈夫で、使い込むとよい飴色に変わっていく
価格|4840円
サイズ|W280×D235×H20㎜

 

Discover Japan公式オンラインショップ
 

ARTS CRAFT JAPAN「カッティングボード展」
会期|2022年5月3日(火)~5月31日(火)
開催場所|Discover Japan Lab.
住所|東京都渋谷区宇田川町15-1 渋谷PARCO 1F
Tel|03-6455-2380
営業時間|11:00 ~20:00 ※時短営業中
定休日|不定休
※営業時間変更の場合がありますので、最新情報は渋谷PARCOの営業時間をご確認ください。

text: Takashi Kato photo: Kiyotaka Oomori,Yamato Nonaka, Kazuya Hayashi
2022年6月号「アートでめぐる里山。」

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