FOOD

田舎庵の「鰻蒲焼き」は、
関東と関西のいいとこどり

2020.8.21
田舎庵の「鰻蒲焼き」は、<br>関東と関西のいいとこどり
田舎庵の「鰻蒲焼き」

生産者からのお取り寄せが身近になってきた昨今。生産者と向き合いながら〝本物の味〟を探究し、日本の食について多面的に発信し続けるフードジャーナリストの向笠千恵子さんに、おすすめのお取り寄せグルメを紹介いただきます。今回取り上げるのは、福岡県北九州市にある田舎庵の「鰻蒲焼き」です。

向笠千恵子(むかさ・ちえこ)
フードジャーナリスト、食文化研究家、エッセイスト。東京・日本橋出身。慶應義塾大学文学部卒業。本物の味、安心できる食べ物、伝統食品づくりの現場を知る第一人者。志をもった生産者、美味しさ、民俗、歴史、うつわなどを多面的にとらえながら、現代の食をつづっている。2011年にグルマン世界料理本大賞グランプリを受賞した『食の街道を行く』(平凡社新書)や『ニッポンお宝食材』(小学館)など著書多数。

https://mukasa-chieko.com

東西の焼き方を融合した独自の技が光る

鰻の蒲焼きには、大きく分けて関東風と関西風がある。関東風は鰻を背側から開いて白焼きにし、蒸してからたれをつけて焼く。関西風は鰻を腹側から開き、蒸さずに焼く。

「『田舎庵』の焼き方は、関東と関西のいいとこどり。金串に刺して炭火でまず直焼きにしてから、火がある程度、通ったところで水をかけて湯気を立て、蒸しを利かせて焼き上げます」(向笠さん)

また、鰻の香りを生かすために、割いた鰻を洗わず、あえて血を残した状態で火入れするのも田舎庵ならではの技。そうして焼き上げた鰻の皮目はパリッと香ばしく、身はふっくら。鰻本来の旨みを最大限に引き出した、濃い味わいに仕上がる。蒲焼きのたれに使うのは、国産丸大豆醤油、純米本みりんをはじめ、厳選した調味料のみ。化学調味料は一切使わない。

鰻そのものにも強い想いがある。漁期中は、有明海や豊前海を中心に、漁師が捕った天然鰻を提供しているほか、養殖鰻も、可能な限り、天然鰻に近い品質のものを提供している。

向笠さん:「自然に近い状態で、時間をかけて育てられた養殖鰻を厳選しているので、天然ものに引けをとらない野趣豊かな風味です」

「鰻蒲焼き」と合わせて取り寄せたいのが「鰻茶漬」。焼き上げてから蒸した鰻を国産丸大豆醤油、純米本みりん、純米酒、そしてたっぷりの実山椒とともに長時間煮た佃煮で、ご飯にのせて、熱いほうじ茶をかけて味わう。鰻のコクと実山椒が爽やかに香る醤油の風味を、香ばしいほうじ茶が包み込む奥深い味わい。そのままで、酒の肴としても最適だ。

鰻蒲焼き
発送当日に焼き、冷蔵便で発送。温める際は、アルミホイルにのせてオーブントースターで焼くのがおすすめ。

内容量|225g、タレ、山椒
原材料|鰻(国産)、醤油、みりん、砂糖 ※原材料の一部に大豆、小麦を含む
賞味期限|5日
価格|8640円(送料込) ※冷蔵商品(ほかの商品と同梱不可)
注文|Fax、ウェブ

鰻茶漬
ほかに大(180g×1箱(瓶入り)・3024円)、「天然鰻 鰻茶漬」(180g×1箱(瓶入り)・5400円)もある。

内容量|130g×1箱(瓶入り)
原材料|鰻、醤油、みりん、清酒、実山椒 ※原材料の一部に大豆・小麦を含む
賞味期限|1カ月
価格|2160円 ※冷凍便にて発送
注文方法|Fax、ウェブ

田舎庵(オンラインショップ)
住所|福岡県北九州市小倉北区鍛冶町1-1-13
Tel|093-383-7207(注文はFax、ウェブで受付)
Fax|093-383-7227
http://shop.inakaan.com

text=Miyu Narita photo=Kazuya Hayashi styling=Fumie Takeyama
2020年9号 特集「この夏、毎日お取り寄せ。」


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