贈り物に、自分用に……
わざわざ買いに行きたい京都の”本物”
![贈り物に、自分用に……</br><b>わざわざ買いに行きたい京都の”本物”</b>](https://discoverjapan-web.com/wp-content/uploads/2019/10/1-1-e1570096183980.jpg)
日々の生活で手に取るものこそ、本物を大切に、そして長く使いたい。最上級が集まる京都御所周辺で、わざわざ買いに行きたい伝統工芸品を紹介。この土地、この店主から受け取ることで、ものの本質までも理解できる。
何に使う? 和紙×錫
清課堂
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ウサギの香立は銅製、銀製があり、ほかに折り鶴や猿、てんとう虫などのモチーフを展開している。「ルームフレグランスが主流になるいま、お香という文化を知ってもらうための入り口としてもいいですね」
価格:5616円(兎/銅)、1万476円(兎/銀) サイズ:H20×W15×D10㎜
茶托
錫に和紙の表情を写し取る伝承技法を、現代の生活に取り入れた。「和紙の可能性を感じますし、融点の低い錫だから和紙が燃えずに風合いが残るのですね。幅広い用途で生活に取り入れやすいです」
価格:4536円 サイズ:φ90×H12㎜
1838年に創業し、錫や銀、各種金属工芸品を手掛ける。特に錫の扱いに長け、和紙の風合いを表情にした錫製品を多く展開する。近年、二条城近くに工房を設け、次世代の職人を育成するための道筋もつくる。
キッチンを楽しくさらに美しく
辻和金網
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豆腐をすくいやすいように柔らかなカーブを描いているのが特徴。「豆腐はもちろん、鍋もので使用することもできますし、何よりも形状が美しい。その佇まいだけで、キッチンに置いておきたくなります」
価格:2268円(サイズにより異なる) サイズ:φ60×W180㎜
手付き焼網や茶こしなど、手づくりのキッチン用品を手掛ける。同じ商品でも、微妙に異なるアールが施され、使う人それぞれの好みで選ぶことができる。長年使用することができるのはもちろん、修理にも対応。
自宅で使える伝統工芸品
京都やまほん
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「実は私、おうちで手軽に朝抹茶をしています。キッチンでシャカシャカっと茶筅で点てるだけの簡単なものですが、飲むわずかな時間で心が整います。お気に入りのうつわと抹茶で、1日を穏やかにはじめませんか?」
価格:10万円 サイズ:H82×W152×D133㎜
「生活雑貨など幅広いラインアップ。多くの商品から選ぶことで、自分の暮らしに必要なものを考え、生活を鑑みることができます」。月に一度は企画展を開催し、新しい作家作品に出合うことができるギャラリー。
Tel:075-741-8114
営業時間:11:00~18:30
定休日:木曜(祝日の場合は営業)
※展覧会の展示替期間、及び会期中は変更となる場合があります。
使い方は自由自在和紙の楽しさに出合う
紙司柿本
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京からかみとは、伝統文様を彫った版木に絵具をのせ、1枚ずつ手のひらで擦り上げた伝統和紙。その小判サイズを、紙司柿本が和紙と摺り色を選んだ別注品。「自分好みの柄や色を、自由な発想で使いたいですね」
価格:1枚2000円(全7柄) サイズ:H400×W485㎜
京都の黒谷和紙をはじめ、全国各地の和紙から洋紙など幅広い紙を扱う。紙の用途を自由に発想できるようなワークショップを開催しているほか、アーティストとコラボした紙製品も独自で展開している。
店主を通して作家の心を知る
六々堂
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鮮やかでありながら落ち着いた赤色は、釉薬かけと焼成を3回繰り返して生み出されている。店を訪れれば、作家の個性やうつわの特徴、どのような用途に適しているかなど、伝え手ならではの視点を学ぶことができる。「“日々使う”ことを考えていらっしゃるからか、発想や視点がとても魅力的。ここでしか聞くことができない話はもちろん、使うことに対しての新たな視点も得ることができます」
価格:猩々緋小鉢8640円 サイズ:φ120×H75㎜
「使えるもの」というお題の下、うつわ作家とともにオリジナルの作品の製作・販売を行い、作家の個性や魅力を余すことなく教えてくれる。店内奥には矢島さんが一服した茶室もあり、内装にも注目したい。
使い方が自由で、使うことが楽しい“本物”を選ぶことは、暮らし、人生を変えることにもつながる。背景を知った上で日常に取り入れると、普段の生活をより豊かにすることができるだろう。
文=土橋健司 写真=たや まりこ、山北 茜
2019年10月特集「京都 令和の古都を上ル下ル」
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