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ワタナベマキが教える“食養生”
スパイス×季節食材で
身体の調子を整える

2026.2.1
<small>ワタナベマキが教える“食養生”</small><br>スパイス×季節食材で<br>身体の調子を整える

旬の食材やスパイスを組み合わせた食事により、心身のバランスを整えていく薬膳の考え方。日々の食生活への手軽な取り入れ方を通年と季節に応じた形で、国際中医薬膳師の資格をもつ料理研究家・ワタナベマキさんにうかがった。

料理研究家・国際中医薬膳師
ワタナベマキ
グラフィックデザイナーを経て料理家の道へ進み、雑誌や書籍、イベントなどで幅広く活躍する。日々食べるものを美味しく丁寧につくるお弁当や朝ごはんなど、毎日の料理の参考になる著書を多数出版。

薬膳とは?

薬膳とは中国伝統医学の理論に基づき、季節や個人の体質・体調に合わせて食材を選び、健康維持、不調の改善などを目的につくる料理のこと。中国には「食養生」、「薬食同源」といった言葉があり、「食材には薬のように身体を養う効果がある」と考えられてきた。身体を温めたり冷やしたりする食材の性質を5つに分類した「五性」(熱、温、平、涼、寒)から、5つの味である「五味」(酸、甘、辛、苦、鹹)を導く。そして春夏秋冬の食材と「五臓」(肝=春、心=夏、脾=梅雨、肺=秋、腎=冬)を対応させ、日々を健やかに過ごそうというものだ。

食事から身体の調子を整える

「薬膳は、いつも口にしている食材の力や組み合わせを少し意識し、普段の料理に取り入れながら身体の不調を整えていきましょうという考え方。難しいものではなく、気軽で身近な方法なんです」

そう話すワタナベマキさんは、ちょっとした不調であれば薬に頼らず食事で改善する生活を、幼少期から送ってきたという。
「母は『調子が悪いときは食事から変えていくのよ』と話していました。風邪を引いたとき母は、熱やせきを改善する大根のすりおろしや、気を補う米と身体を潤す牛乳を使ったミルク粥をつくってくれ、いまでも体調を崩した際はよく食べていますよ。薬膳の視点でお伝えすると、大根のすりおろしには身体を温める生姜を、ミルク粥には発汗作用のあるシナモンを加えるのもおすすめです」

食材の一つひとつに効能はあるが、すべてを覚えるのは難しい。だからこそワタナベさんは、“季節の最強食材”を知っておくことを提案する。春は山椒やアサリ、夏はバジルやシソ、秋はわさびや長芋、冬は黒ゴマやほうれん草が、最強食材の一例だ。

「どの食材にも季節の不調を整える作用があります。調理法は炒めるだけでも、味噌汁に入れるだけでもいい。『これを食べなくちゃ』と考え過ぎず、自分が続けられるかたちで、薬膳の知識を日々の食事に生かしてくださいね」

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季節ごとの
おすすめスパイス×食材

 

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ワタナベマキが教える“食養生”
01|食事で身体の調子を整える
02|季節ごとのおすすめスパイス×食材

text: Nao Ohmori illustration: Honoka Yoshimoto
2025年11月号「実は、スパイス天国ニッポン」

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