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あらためて知りたい
1300年以上受け継がれてきた祈りの文化
|伊勢神宮・式年遷宮と木

2026.10.18
あらためて知りたい<br>1300年以上受け継がれてきた祈りの文化<br><small>|伊勢神宮・式年遷宮と木</small>

いまから約2000年前、倭姫命による巡行の旅を経て、伊勢の地に天照大御神が鎮座したのが伊勢神宮のはじまり。20年に一度行われる式年遷宮は、神様に新しい御社殿に遷っていただくお祭り。2033(令和15)年に63回目を迎える予定の式年遷宮。いま「御神木のお祭り」がはじまっています。

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次の遷宮へ、
200年生の檜を育てる

“木”が重要な役割を担う式年遷宮。遷宮に使われる木についても、世代を超えた壮大な計画が進行中だ。神宮は伊勢市の南部、五十鈴川の水源がある神路山、島路山と宮川流域の前山からなる神宮宮域林に包まれるようにある。この神宮宮域林から再び御用材を使用できるように、という想いから1923(大正12)年に策定されたのが「神宮森林経営計画」。

五十鈴川にかかる宇治橋も遷御の4年前に架け替える。全長101.8m、幅8.4mあり、橋板や欄干は檜

かつて御杣山だった神宮宮域林を檜を中心とした針葉樹と広葉樹が混交する人工林にして、200年生の檜を育てるための長期的な森林計画である。開始から今年でようやく103年。実際に200年生の檜が遷宮に使われるのはまだ先のことだが、前回の遷宮のときから神宮宮域林の間伐材も使われはじめているという。

20年に一度の式年遷宮。
その体験を次世代へつなぐ

「無事に御神木のお祭りがはじまって、とにかくホッとしています」と話すのは神宮司庁営林部の山本祥也さん。神宮宮域林の管理を担う神宮技師だ。今回の遷宮にあたって、営林部は木曽の国有林や神宮宮域林から、約1万本に及ぶ数の候補木を選定。

胸高直径1m以上の大樹を目指す候補木と山本さん。「受け継いだ森をいかに未来につなげていくかが使命です」

その木に空洞や腐りがないかを調査する再選考などもあり、スケジュール的にも大変な作業だったという。昔であれば、選んだ木に穴や腐りがあると責任者が打ち首にされるほどだったという話もあるほどで、そのプレッシャーはいかばかりだったか。さらに現在、営林部には30名ほどが在籍しているそうだが、前回の遷宮の御杣始祭みそまはじめさいを体験していた技師は山本さん一人だけだったという。

)樹齢約100年の大樹候補木。ペンキで白く二重線がつけられているのが目印

「20年に一度のことということで、遷宮の経験者は私だけ。細かい不明点もたくさん出てきて、正直とても大変でした。ただこの経験は今後に生きていくと思います。次回以降の遷宮のため、現場の経験値を上げる方法も、積極的に意識して取り入れました。記録や引き継いでいくやり方も、現代の方法を取り入れました」

新宮が建てられる内宮の御敷地

次回の遷宮のタイミングは、今回経験を積んだ若手が、まだまだ第一線で活躍している頃。そして今回取り組んだ、より時代に合ったかたちでの伝統や技術の継承が、実を結ぶだろう。

木を育て、伐り、祭りをする。人々の知識や技術を継承し、文化を未来につなぐ役割も担う式年遷宮。2027(令和9)年まで行われる御神木のお祭りや行事の後は社殿建築のお祭り、神遷しのお祭りが行われる。このお祭りでも建築・工芸の技術、儀式、祭りの継承がなされていくだろう。

2033(令和15)年10月の遷御をクライマックスに、また次の遷宮への準備がはじまる。時代に合わせた進化をしながら、1300年以上受け継がれ続ける祈りと木の文化。循環とは、技術や文化の継承とは……。いまを生きる私たちが未来を考える上で大事にしたいことがここにある。

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伊勢神宮・式年遷宮と木
01|式年遷宮へつなぐ、御神木の伐採
02|「仮御樋代木伐採式」の様子を追う
03|祈りの伝統行事「御木曳(おきひき)」
04|1300年以上受け継がれてきた祈りの文化を知る

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