超個人主義的! オトナの夏休み計画2019
デザインのインスピレーションを拾う
京都ぶらり街歩き
この夏、どこへ行こうか何をしようか迷っている読者必見! 旅好き、遊び好きのあらゆる職業の方に夏旅の具体的なプランをヒアリング。WEBでは特別に誌面に登場する10名の中からランダムでプランを公開。完全なる超個人主義的オトナの夏旅プランをご堪能あれ。
プランを教えてくれた人:
アートディレクター・川上恵莉子 ( かわかみ・えりこ)
<profile>
東京藝術大学卒業後、DRAFTを経て独立。グラフィックデザイン、アートディレクションを中心に活動。チョコレートブランド「RURU MARY’S」や、NHK連続テレビ小説『半分、青い。』のタイトルバックアートディレクションなど手掛ける
アートディレクターとして、京都でカフェやがま口などの和雑貨を展開する企業と継続的に10年以上お仕事をしてきたこともあり、これまでに少なくとも20回くらいは京都を訪れています。ただ、京都通いといっても私の場合、常に資料探しの街歩きが中心で、さまざまなお店のディスプレイにヒントを探したり、老舗の包装紙などを集めて街中を細かくめぐることが中心。古くからある喫茶店のタイポグラフィや、ガラスのショーケースに見られるR(曲面)などにグッとくるデザイン要素が詰まっているんですよね。
たとえば「喫茶 ソワレ」や「村上開新堂」のような独特のレトロな雰囲気のインテリアには〝純和風〞なイメージだけではない京都のかわいさがあり、そういう部分にどんどん魅了されるようになりました。お寺や神社をめぐるのも楽しいですが、夏は三条や四条などの中心部で喫茶店に立ち寄りながらこういった街中のデザインにフォーカスを絞った街歩き旅もよいのではないかな、と。ちなみに私が最初に京都の色彩で衝撃を受けたのは、春に開催される「都をどり」で演者の皆さんのお着物にある鮮やかなブルーの色合いでしたが、夏は祇園祭や大文字で有名な京都五山送り火などもあり、また違った趣の色を見つけ出せそうですね。店先のショーケースや和菓子のデザインも四季によって変化するので色遣いを見るのが楽しみ。特に好きなのは「亀末廣」、「富」、「蒼穹」の包装紙。ちなみに亀末廣では「京の土」という麩焼き煎餅を必ず、お土産に購入します。生菓子だと夏は鮮度が心配ですが、これなら心配無用です!
街歩きの休憩処でもありデザインも見逃せない喫茶店、個人的には「長楽館」、「築地」そして三条の「イノダコーヒ本店」などが好きです。宿泊はビジネスホテルになりがちですが、いつか町家の一棟貸しをしてくれるようなお宿にも泊まってみたいですね。
いまはドイツのベルリンに拠点を移して仕事をしているのですが、だからこそ〝ザ・ニッポン〞といったテイストのもののよさをいっそう感じるようになっていて、次回京都へ行った際には錦市場の「有次」で調理器具を手に入れたい。日本の包丁は、用途によって細やかに大きさや種類が揃うのだなと、あらためてすごさを感じています。
<スポットDATA>
■喫茶 ソワレ/
住所:京都府京都市下京区西木屋町通四条上ル真町95
Tel:075-221-0351
営業時間:13時〜19時30分
定休日:月曜(祝祭日の場合は翌日休)
■村上開新堂
住所:京都府京都市中京区寺町通二条上ル東側
Tel:075-231-1058
営業時間:10時〜18時 定休日:日曜、祝日、第3月曜
■亀末廣
住所:京都府京都市中京区姉小路通烏丸東入ル車屋町251
Tel:075-221-5110
営業時間:8時30分〜18時 定休日:日曜、祝日
■デザートカフェ長楽館
住所:京都府京都市東山区八坂鳥居前東入円山町604
Tel:075-561-0001 営業時間:11時〜18時30分(L.O.18時)
定休日:不定休
■築地
住所:京都府京都市中京区河原町四条上ル一筋目東入
Tel:075-221-1053 営業時間:11時〜18時 定休日: なし
■イノダコーヒ本店
住所:京都府京都市中京区三条下ル道祐町140
Tel:075-221-0507 営業時間:7時〜19時 定休日: なし