移住トレンド2023
自治体によって支援もさまざま!
充実した地方暮らしをかなえよう。
コロナ禍を経て多様な働き方も広がったいま、移住支援はますます広がりを見せている。実現したいライフスタイルから移住先を見つけ、充実した地方暮らしをかなえよう!
<仕事はそのまま。転職なき移住>
茨城県・日立市
都心のテレワークなら近場移住がおトク
東京から特急電車で約1時間半。月数回の出社であれば都内は通勤圏とあって、日立市では交通費相当額10万円の支給など、テレワーカーの移住に力を入れている。中でも、東京圏からの移住者かつ23区内に勤務先がある場合は、最大261万5000円の助成が受けられることも。釣りに登山にマリンスポーツと、オフの過ごし方が充実する日立市なら、仕事のパフォーマンスも上がるかもしれない。
ひたちテレワーク移住促進助成事業
問|日立市役所 都市建設部住政策推進課
Tel|0294-22-3111
埼玉県・熊谷市
満員電車を避けて優雅な新幹線通勤
熊谷駅から東京駅まで、新幹線でわずか39分。通勤必須の職場であっても、新幹線通勤を視野に入れると住まいの選択肢はグッと広がる。年齢制限などの要件はあるが、熊谷市では月額最大2万円の新幹線定期券補助を実施。会社からの通勤手当を含めれば大幅に交通費がかさむことはなく、コーヒータイムにメールチェックと、窮屈な通勤は有意義な時間にさま変わりする。
熊谷市新幹線定期券購入補助金
問|熊谷市役所 企画課
Tel|048-524-1115
鳥取県
副業・兼業で週1日“副社長”になる!
「週1副社長」というユニークな取り組みを行う鳥取県。都市部で得たスキルを活かし、副業・兼業というかたちで県内の企業をサポートすることで、地域に新たな風を吹き込んでいる。募集中の案件は、営業にDX支援と幅広く、リモートワーク中心のため本業との両立もさせやすい。業種を飛び越えてのチャレンジも可能で、一社員から一気に“副社長”という肩書きは、新たな武器になるかもしれない。
とっとり副業・兼業プロジェクト
問|鳥取県立鳥取ハローワーク
Tel|0857-51-0501
<起業家やフリーランスこそ地方が狙い目>
鹿児島県・鹿児島市
地域コミュニティが
クリエイティブの幅を広げる
映像、デザイン、芸術などの分野で活躍するクリエイターの移住促進に注力する鹿児島市。事業所の改修や設備投資に使える補助金のほか、盛り上がるクリエイティブシーンの一員となれば、都市部ではかなわなかったような仕事が舞い込んでくることも夢ではない。イルカの泳ぐ海沿いで息抜きをして、仕事終わりは温泉でひとっ風呂。そんな豊かな時間が、クリエイティビティを刺激する。
鹿児島市クリエイティブ人材誘致事業補助金
問|鹿児島市役所 産業創出課
Tel|099-216-1319
長崎県・離島
新ビジネスを次々生み出す
離島の創業・事業拡大支援
対馬・壱岐島・五島列島では、新たな雇用を生む民間事業者の創業・事業拡大に対し、設備投資や運転資金の3/4を最大1200万円、最長5年間補助。資金調達がネックで創業等を迷っているならば検討したい。この制度を活用し、幅広い業種でこれまで1000名を超える雇用が誕生した島々には、まだビジネスチャンスが眠っている!
長崎県雇用機会拡充事業
問|長崎県 地域振興部地域づくり推進課
Tel|095-895-2247
<自分を求める地域から逆指名>
九州全域
移住だけをゴールとしないドラフト会議
地域を球団、移住志望者を選手に見立てた「九州移住ドラフト会議」では、ディベートやプレゼンを通して交流を図った後、本家のドラフトさながらに地域が移住志望者を指名。「こんな人材が欲しい」という地域の思いと「移住先は受け入れてくれるだろうか」という移住者の不安を解消するマッチングにひと役買っている。指名後の移住は必須条件ではないため、関係人口として“球団”にかかわることも。第2の故郷を探しているなら、まずは“選手”に応募しよう。
九州移住ドラフト会議
問|九州移住ドラフト会議事務局
Mail|draft.kyushu@npb.co.jp
<企業移住は補助制度が桁違い>
広島県
本社機能を一部でも移転すると最大1億円!
DXやスタートアップの急成長を推進する広島県では、3人以上の社員が本社機能とともに異動した際に、社員と家族の人数1人につき100万円と初期費用の半分を助成。経営者層の移住であれば最大1000万円と、トップクラスの助成制度だ。デジタルの最先端を行く都市になる可能性を秘めた広島で、仲間たちと地方暮らしを堪能したい。
広島県企業立地促進優遇制度
問|広島県商工労働局 県内投資促進課
Mail|syosokushin@pref.hiroshima.lg.jp
<子どもが主役の地方暮らし>
大分県・豊後高田市
移住者殺到の秘密は子育て・教育支援にあり
“日本一子育てがしやすい町”を目指した結果、移住者数が右肩上がり。1回500円で産前・産後の家事・育児サポートが受けられるほか、妊産婦の医療費無料に、最大200万円の誕生祝い金。そして保育園や幼稚園の保育料・授業料に加えて、中学生までの給食費も無料と、妊娠した瞬間から切れ目ない支援が充実。小さな町だが海や山、街や温泉が凝縮しており、昭和レトロな「昭和の町」や個性豊かで良質の「くにさき六郷温泉」など、観光スポットも点在。夢の移住生活が待っている。
学びの21世紀塾
問|豊後高田市役所 学校教育課
Tel|0978-53-5112
山梨県・丹波山村
人口約540人の村で親子留学
東京から車で約2時間。都との県境に位置する小さな村では、小中学生を対象とした「親子山村留学」を実施。教育にかかる費用はすべて無料で住宅費は比較的安価なため、留学へのハードルも高くない。地域とともにある学校では、少人数でも単式学級による目の行き届いた指導環境を実現。都会と正反対の暮らしから、将来に活きる経験を学びたい。
親子山村留学
問|丹波山村教育委員会
Tel|0428-88-0211
徳島県
地方と都市、ふたつの学校に通う
徳島県では、都市部の小中学生が住民票を異動させることなく県内の公立校で学ぶことができる「デュアルスクール」を展開。おためし移住や二拠点生活の後押しとなるほか、地方と都市を行き来する子どもたちには、1カ所の生活では得られない多様な価値観が身につくかもしれない。「移住=定住」にとらわれない都会と田舎のいいとこ取り生活で、欲張りなライフスタイルを実現してみてはいかがだろうか。
デュアルスクール
問|徳島県教育委員会 学校教育課
Tel|088-621-3104
<政府もさらに移住を応援>
全国
子どもへの支援金が30万円→100万円に拡充
東京23区の居住者もしくは、東京圏から23区内に通勤している家族が地方へ移住する場合、これまで18歳未満の子ども1人あたりに30万円の支援金加算があったが、2023年度より70万円アップの100万円に拡充する。最大300万円の移住・起業支援金や各自治体独自の支援を考えると、ますます移住が現実味を帯びてきた!
地方創生移住支援事業
問|移住を希望する地域の各自治体(自治体によって申し込み方法が異なる)
読了ライン
text: Natsu Arai
Discover Japan 2023年3月号「移住のチカラ!/移住マニュアル2023」