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暮らす人に敬意を払い、共に前に進んでいく

2017.2.26
暮らす人に敬意を払い、共に前に進んでいく

ディスカバー・ジャパン最新号「積極的移住のススメ」に掲載中の、奈良・三重・和歌山との共同企画「紀伊半島で移住体験!」では、移住体験者として選ばれた3名のクリエイターが未来の自分像を探しに、各県への移住者たちのもとへと訪れました。ここでは誌面に盛り込めなかった、アナザーストーリーを随時更新。第二弾はそこに暮らす人々にフォーカスを当てながら紹介していきます。

 

奈良出身の写真家、秋山まどかさんが移住体験先で訪れた場所はふたつ。三輪そうめんの流れを受け継ぎ、自社でさらに素材や製法をアレンジしたオリジナル素麺をつくる「坂利製麺所」と、シェアオフィス「オフィスキャンプ東吉野」です。
職業体験も行った坂利製麺所では、仕事内容はもちろん、その地での暮らしや文化についてを2代目の坂口利勝さんが案内役を務め、教えてくれました。印象的だったのは、「東吉野のよさというのを、訪れる人はもちろん、遠くにいる人にも広く伝えるにはどうすればよいか……ということは実際に考えたことはなかったんです」という言葉。

 

そうめんづくりを学び、実際に働いた坂利製麺所の工場内の壁は、吉野檜を用いており、そうめんを乾燥させる場所の床板には吉野杉を用いています。これは、そうめんづくりのなかでも吉野のよさを組み込みたいという思いからでした。

 

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「見学者にはそういったこだわりを伝えることはできますが、これはあくまで一部でしかありませんし、訪れた人にしか伝わりません。それに私は職人。美味しいそうめんをつくることが仕事です。このそうめんを美味しいと思ってもらい、そこから、それを生む場所が吉野であり、この土地に興味をもってもらえれば……としか思っていなかったですね」と坂口さんは話します。

 

写真家として各地を巡り、その土地ごとのよさを伝え、情報や暮らしに役立つ循環ができればと移住体験から考えた秋山さんの言葉を受け、「そうめんを通してこの土地の魅力をどう伝えることができるか。職人ではあるが、そうした部分も考えていかなければいけないと思うきっかけになりました」と前述の言葉の後に坂口さんは続けました。

 

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オフィスキャンプ東吉野では、運営者でありデザイナーでもある坂本大祐さんと、編集者でありライターの赤司研介さんと対談する機会がありました。共に移住者で、同じクリエイター。仕事の悩みや抱える課題は同じであることから話しは弾みます。なかでも印象的だったのが、移住のきっかけ、そして仕事のもらい方という内容でした。

 

2人とも仕事があるから移住したのではなく、それまでの暮らしからの自然な流れで移住したという事実。そして仕事も、移住先での人間関係を構築してきた結果、地元に貢献するかたちで以前と同様の仕事を得ることになったと話します。

 

「こうした移住者同士のつながりの強さというのは、ほかの土地にはないことかもしれませんね」と坂本さん。「しかし、移住者がつながるから仕事が生まれているのではなく、暮らす人に敬意を払い、その生活の中に溶け込むことで自分を知ってもらい、じゃあこんなことができる? という流れで仕事が生まれたのだと思います」とつづけます。

 

 

移住者を受け入れる体験先にも、新たな価値観や考え方を導入する。それが地域の力に変わっていく瞬間を垣間見ることができた取材となりました。

 

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今年も紀伊半島が東京にやってくる! 移住者と交流できるイベントを開催

昨年度実施した「Action to LOCAL NARA MIE WAKAYAMA」。渋谷の真ん中の高感度なブックカフェ・渋谷シティラウンジにて、3県の食材が味わえる特別メニューキャンペーンとトークショーを実施した。今年は、渋谷と丸の内を舞台に、紀伊半島の魅力を体感できるキャンペーンを実施!
詳細はこちらからhttp://discoverjapan-web.com/2016kiihanto/