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佐賀・御船山楽園「チームラボ かみさまがすまう森」
アート×サウナ体験も!大自然の展覧会

2021.7.31
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佐賀県武雄温泉にある300万年続く自然に囲まれた大庭園、御船山楽園。この夏、ここにチームラボのミュージアム「ボルボ チームラボ かみさまがすまう森」がオープン。毎年夏から秋の時期にだけ見られる、大自然に出現する広大なアート展とは……?

樹齢3000年以上の神木を有する大庭園

御船山楽園

本展の会場となるのは、江戸後期の1845(弘化2)年に50万平米にも及ぶ敷地に創られた御船山楽園。敷地の境界線上には、日本有数の巨木である樹齢3000年以上の神木の大楠、庭園の中心には樹齢300年の大楠がある。それらの歴史ある大木を有することから、この場所が古来より大事にされてきた森の一部を、森の木々を生かしながら造った庭園であることが想像できる。庭園と自然の森との境界は曖昧で、回遊しているといつの間にか森に入り込んだり、けもの道に出くわしたりする。

森の中には、超自然的に積み重なった巨石の磐座(いわくら)であったであろう祠が祀られている。磐座とは、日本に古くからある自然崇拝いわゆるアミニズムの一種である。また、後に奈良の大仏をつくる名僧行基が約1300年前に御船山に入山し五百羅漢を彫ったとされており、森の中にある洞窟の岩壁には、行基が直接彫ったと伝えられる仏がいまも残っている。

悠久のときを経て形成された巨木や洞窟、森は、時代ごとに人々が異なる意味を見出し、それらが1000年以上積み重ねられて、この場所はあるのだろう。そんな連続性の上にある自分の存在を感じ、思考をめぐらせながら歩くと、大地を踏みしめる一歩により豊かな重みを感じられるはずだ。

大自然×デジタルテクノロジーで、
自然が自然のままアートになる

「小舟と共に踊る鯉によって描かれる水面のドローイング」

そんな物語性のある場所で繰り広げられるのは、非物質的であるデジタルテクノロジーによって“自然が自然のままアートになる”という感覚を味わえる新体験。これらはチームラボのプロジェクト「Digitized Nature」の一環でもある。

園内の池の水面にアートをプロジェクションした作品や、実際の巨石に水を落下させ滝を描くインスタレーション、断崖下のつつじ谷が人に反応して光り輝く作品など、自然のまだ見ぬ一面や美しさを引き出す。

作品群はそれぞれに、訪れる者たちが経験したことのない長い時を持つ存在をそのまま使い、アートに昇華させることで、時間の境界を越えて、長い長い生命の歴史の上に自分の存在があることを感じさせてくれる。

そんな本展で見ることができる作品の一部を紹介しよう。

日本有数の巨木へと続く竹林

「神木」

樹齢3000年以上、日本で7番目の大きさを誇る巨木は、根元がごつごつとした樹皮に覆われ、その中央が地表近くで口を開けている。内部は約22㎡ほどの空洞になっており、奥には石の祠が祀られている。御船山の東麓にあり、市内で最も古い神社である735年(奈良時代)に創建された武雄神社の御神木になっている。

本展ではこの御神木とそこへ続く竹林をライトアップするほか、歩く速度に合わせて音楽体験が変化していく。幻想的な空間の中、圧倒的な存在感と木が歩んできた物語を感じて。

池の水面を彩って泳ぎ回る魚たち

「小舟と共に踊る鯉によって描かれる水面のドローイング」

御船山楽園の池の水面にプロジェクションする本作品。水面はセンシングされ、映像は池に浮かんで進む小舟に反応して変化する。魚の群れ全体には意思があるわけではなく、それぞれの魚は、近くの魚の振る舞いに影響を受けながら自律的に泳ぐ。小舟の動きや魚同士で影響を受け合いながら泳ぐ魚たちと、魚たちの動きの軌跡によって作品は描かれていく。

巨石に向かって流れ落ちる無数の水粒子


「かみさまの御前なる岩に憑依する滝」

実際の巨石を使ったインスタレーション作品。高さ約3m×幅約4.5mもの巨石を仮想の三次元空間に立体的に再現し、そこに水を落下させ、巨石の形による水の動きをシミュレーションして滝を描く。巨石の横には、超自然的に積み重なった巨石の磐座であったであろう祠が祀られている。

無数の水の粒子の連続体によって表現される水は、粒子間の相互作用を計算している。水の粒子の挙動によって、空間上に線を描き、線の集合をチームラボが考える「超主観空間」により平面化し、迫力のある滝を出現させた。

御神木に続く森の入り口

「具象と抽象 - 神木の森の入口」

庭園と森の境界であり、御神木である大楠に続く森の入り口に位置する本作品。人々が作品の中に入り止まってしばらくすると、新たな線の集合が生まれて広がり、森は平面のレイヤーにもなる。

コンピュータプログラムによってリアルタイムで描かれ続ける本作品。これらは予め記録された映像を再生しているのではなく、人々の動きに影響を受けながら永遠に変化し続けるのだ。チームラボだからこそ実現できた、一期一会のアートを目に焼き付けよう。

「増殖する生命の巨石」
苔生す巨石(高さ約5.5m×幅約4.6m×奥行き6.5m)に咲いては散っていく花々。これらは一時間かけてこの地域の一年間の花々の移り変わりを表現している
「夏桜と夏もみじの呼応する森」
光り輝く桜と紅葉の森。木々の光はそれぞれ自律しゆっくりと明滅し、近くを通った人に反応して色を変え、色特有の音色を響かせる。木の光は周辺の木々に次々と伝播し、音色を響かせながら連続していく

日本一のサウナで脳が開く!
新感覚のアート体験

本展では、サウナシュラン2019・2020と2年連続でグランプリを獲得した、御船山楽園ホテルのサウナ「らかんの湯」とコラボレーション。御船山楽園ホテルや竹林亭の宿泊者以外でも利用可能な、サウナに入ってからアートが体験できるセットチケットも販売。

日本に現存する最古のサウナのひとつである香川県の「塚原のから風呂」は、後に奈良の大仏を造った行基が、人々の病気を治すことを誓願し建立。行基は全国を修行しながら人々のためにサウナを造っていったと考えられている。作品にも使われている御神木の森の中には、1300年前に行基が彫った五百羅漢の洞窟がある。その横に建つ「らかんの湯」で脳を開き、アートの森を歩いていけば、新体験を味わえること間違いなし。

御船山楽園とチームラボにしか表現できない作品の数々と新たな試みがあふれる本展。この夏、広大な庭園と森の中を迷い込んでみてはいかがだろうか?

ボルボ チームラボ かみさまがすまう森
開催期間|2021年7月16日(金)~11月7日(日) ※毎年夏から秋頃にかけて開催予定
会場|御船山楽園
住所|佐賀県武雄市武雄町大字武雄4100
時間|時期により異なる
休館日|会期中無休
料金(アート展)|一般1200円(休日、8/15・16は1400円)、中高生800円、小学生600円
料金(らかんの湯セットチケット)|一般4850円 ※予約制・定員制、中学生以下利用不可
Tel|0954-23-3131(御船山楽園ホテル)
https://www.teamlab.art/jp/e/mifuneyamarakuen/

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