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TINY GARDEN 蓼科|タイニーガーデンで自然と暮らし、遊びと仕事をつなぐ【前編】

2021.6.10
TINY GARDEN 蓼科|タイニーガーデンで自然と暮らし、遊びと仕事をつなぐ【前編】
「TINY GARDEN 蓼科」では、屋外はもちろん、なんとワークスペースで仕事できる

リモートワーク化が進み、自由な場所で働けるようになったいま、オフィスでも自宅でもなく、アウトドアで仕事する選択もありになりました。近頃は、アウトドア施設でもワーケーション設備やプランが充実。休暇の日数は誰しも限りがありますが、ワーケーションを活用すれば、中長期の滞在もしやすいです。大自然の中に身を置きながら、仕事も遊びも暮らしも楽しむ。結果、仕事のクリエイションだけでなく、人生も充実する。そんな夢みたいなライフスタイル、送ってみませんか?今回は、アウトドアによる非日常の魅力を前後編記事でご紹介します。

アーバンリサーチのアウトドア施設で
新しいライフスタイルに出合う。

温泉旅館として利用されていた建物をリノベーションしたメインロッジが「TINY GARDEN 蓼科」の入口だ

八ヶ岳を駆け下りた風が湖を渡り、キャンプサイトへ吹き抜けてゆく。木々の枝には小さな蕾がほころび、頭上には鳥の歌声が響いていた。標高1250mの蓼科湖畔に佇む「TINY GARDEN 蓼科」。静けさに包まれたこの場所に身を置いていると、数時間前まで都会にいたことが、まるで嘘のように思えてしまう。

小津安二郎が晩年に仕事場を置いたこのエリアに同施設が生まれたのは2019年。4800坪もの広大な敷地に足を踏み入れると、そこにはロッジ、キャビン、キャンプという3タイプの宿泊施設のほか、コワーキングスペースやラウンジ、ショップ、レストランなどが配されている。いわゆるキャンプ場ともグランピング施設とも一線を画す空間構成。その根幹にあるのは、日常と非日常の「境界」への意識だ。

「温泉旅館とキャンプ場をリノベーションして『TINY GARDEN 蓼科』をつくるとき、ひとつの大きなテーマとなったのが“内”と“外”をつなぐことでした。自然と暮らしをつなぎ、遊びと仕事をつなぎ、地域と都市をつなぐ。それぞれの『境界』を自由に行き来することで生まれる新しいライフスタイルを提示できれば、と考えたのです」と企画担当の粟野龍亮さんは話す。

古くから文化人に別荘地として愛されてきた蓼科湖周辺。東京から車で約2時間30分とアクセスがよいことも魅力

CABIN&CAMP
心地よい自然との距離感を求めて

白樺や松の木々に囲まれた24棟のキャビンが並ぶ。そのうち3棟は、諏訪の「ReBuilding Center JAPAN」が内装を手掛けている

日の出とともに目を覚まし、午前中にはロープウェイに乗って北八ヶ岳の森へ。午後にコワーキングスペースで仕事に没頭したら、夜は焚き火を眺めながらクラフトビールを味わう……。「TINY GARDEN 蓼科」でのワーケーションを体験していると、日常と非日常を分かつ「境界」がいかにあいまいなものか気づく。山を歩きながら仕事のアイデアがぱっと浮かぶこともあれば、ワークスペースから眺める湖畔の風景に心を遊ばせることも。ここでは、旅と仕事がゆるやかなグラデーションでつながっている。その感覚が、実に新鮮でおもしろいのだ。

グラデーションといえば、個性の異なる3タイプの客室が揃っていることにも注目したい。テントを張って大地に寝転ぶキャンプサイトから、秘密基地のような佇まいのキャビン、そしてモダンで快適なロッジと、客室を取り巻く自然環境や設備の充実度に、あえて濃淡が設けられている。

「ビギナーからキャンプに慣れた人まで、自然とのつき合い方は人によって違います。だから『TINY GARDEN 蓼科』では、それぞれのゲストが心地よい自然との距離感を選び取れるようにしています」と粟野さん。

キャビンの内装も多彩だ。二段ベッドが配されたこのキャビンはファミリーやグループに人気の「CABIN COMFORT –Type B–」

実はこの考え方は、ワークスペースにも共通する。ワークステーションや客室、ラウンジなど、さまざまな空間が配された館内では、仕事の質や量に合わせて仕事場を選択可能。もちろんロッジやワークステーションのWi−Fiは高速で、キャビンやキャンプサイトでも電波がつながるため、折り畳みテーブルとチェアを持ち出して、青空の下で仕事をする人もいるという。

もうひとつ印象的だったのが、滞在中のさまざまなシーンで、アーバンリサーチならではの感性に触れられることだ。たとえばロッジやキャビンに置かれた「FREITAG」のバッグや、キャンプサイトでレンタルできるスウェーデンのテントメーカー「HILLEBERG」のギアなど、自然や環境への哲学をもった美しいアイテムをさりげなく配置。近隣で採れた野菜や発酵食品を使った美しいランチやディナーを通じて、地域に根ざした文化を知ることもできる。こうしたモノやコトとの出合いもまた、ゲストのクリエイティビティを触発する。

開放的な敷地には、オートキャンプやフリーキャンプ、レイクサイドキャンプの3種のキャンプサイトが配されている

自然との距離感を楽しみ、感性を刺激しながら仕事と向き合う。アウトドアで過ごすワーケーションの時間は、新たなアイデアを生むだけでなく、これからの“働き方”や“生き方”を問い直すきっかけになるかもしれない。

レンタル用品には「HILLEBERG」のテントやタープも。ロッジのレストランや温泉も利用できるため、キャンプサイトステイでも快適
キャンプ場内には小川(堰)が流れ、水の音が響く。ミソサザイや鹿との出合いも自然を身近に感じる瞬間

 

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Workation Data
ワーケーションプラン|素泊まり3680円〜、夕朝食付8580円〜(ロッジまたはキャビン/3泊以上で割引有り/税・サ・入浴料込)
ワークスペースの利用可能時間|9:00〜20:00 ※ワークステーション(コワーキングスペース)は要予約(当日相談可)。3時間1000円〜
オフィス設備|Wi-Fi(キャビン、テントサイトなし)、ホワイトボード、モニター、スクリーン&プロジェクター、延長コードなど

TINY GARDEN 蓼科
住所|長野県茅野市北山8606-1
Tel|0266-67-2234
通常料金|ロッジ1万3200円、キャビン7290円〜、キャンプ1760円〜(すべて税・サ・入湯料込)
IN|15:00 OUT|10:00/キャンプのみIN|13:00 OUT|11:00
館内施設|客室、温泉、カフェ&レストラン、ラウンジ、ショップ ※テント、タープなど貸し出し有
アクセス|電車/JR茅野駅からバスで約30分、蓼科湖で下車後、徒歩4分。またはJR茅野駅からタクシーで約25分
車/中央自動車道諏訪ICもしくは諏訪南ICから約30分
周辺施設|コンビニ、スーパー、ドラッグストア、コインランドリー、道の駅、各種温泉など

text: Toru Yoshihara photo: Shimpei Fukazawa
Discover Japan 2021年6月号「ビールとアウトドア」


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