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江戸時代の花見スタイルって?
園芸・意匠から見る近世の人と桜
「桜の意匠」国立歴史民俗博物館

2021.3.4
江戸時代の花見スタイルって?<br>園芸・意匠から見る近世の人と桜<br><small>「桜の意匠」国立歴史民俗博物館

日本で古くから親しまれている桜。日本では約10種の野生種が自生しており、その野生種から200品種以上もの栽培品種を生み出し、世界でも圧倒的に多い品種数を誇っています。そんな近世における桜と人の関係を園芸や意匠、花見の観点から紐解く特集展示「桜の意匠」。2021年3月16日(火)~4月11日(日)まで千葉県の国立歴史民俗博物館にて開催されています。

江戸の人々が実際に見ていた品種は?
桜の楽しみ方に迫る

浅草寺に奉納された桜が満開を迎えた様子を描いている。浅草は上野と双璧をなす江戸の桜の名所。
浅草金龍山奉納桜盛之図 歌川国綱画/安政4年(1857) 国立歴史民俗博物館蔵

詩歌では単に「花」といえば、奈良時代には中国の文化にならって梅を指していました。それが平安時代に嵯峨天皇が桜の美しさに感動し、地主神社の桜を京都御所うつし花見をしたことをきっかけに、桜に転じました。日本には10~11種の桜の野生種が自生しており、そのわずかな種類の野生種から200品種以上もの栽培品種を生み出し、世界でも圧倒的に多い品種数を誇っています。しかも、基本的には花の観賞を目的として品種が作出されてきました。

そんな花見の風習が庶民にまで広まったのは、江戸時代になってからだといわれています。現代と同じように、江戸の人々も花見を楽しんでいたが、現代とはすこし違った点も多々ありました。本展では、現代とはまた異なる江戸の人々が実際に見ていた桜の品種や楽しみ方、抱いていたイメージについて知ることができる貴重な機会となっています。

桜の名所である上野には、固有の名前がついた桜樹もあり、その代表例が「秋色桜」。この名前は、13歳のときに上野の桜を題材に優れた俳句を詠んだお秋の俳号、菊后亭秋色にちなんでいる。
雪月花 江戸 上野花 東叡山乃さくら 秋しき 楊洲周延画/明治17年(1884) 国立歴史民俗博物館蔵

また国立歴史民俗博物館が建つ佐倉城址公園は、春には約50品種、1000本以上の桜が咲く名所。加えて、同館では2013(平成25)年以来「歴博夜桜観賞の夕べ」を行い(2021年は新型コロナウイルスの感染症拡大防止のため中止)、桜観賞の機会を市民に積極的に提供してきました。こうした活動と連動し、本展では園芸、意匠、花見といった視点から、近世における人と桜との関わりを見ていけます。園芸では、園芸書や図譜などからどのような品種の桜を観賞していたのかを知ることができ、意匠では、桜をモチーフにした美術工芸品から、桜にまつわる当時のイメージを探れます。また花見では、錦絵などから江戸における桜の名所を紹介しています。

 

花筏とは、水面に散った花びらを筏に見立てたもの、あるいは筏に花を添えたものを指す。水面に浮かんだ花びらを楽しむことも、桜の観賞のあり方のひとつだった。
花筏模様振袖 明治時代/19世紀 国立歴史民俗博物館蔵
詩歌を詠んだ短冊を植物に結びつけることは、古くから行われてきた遊び。桜もその代表的な植物のひとつだ。
桜樹短冊模様小袖(屏風装) 江戸時代中期/18世紀 国立歴史民俗博物館蔵
舞楽装束の胡蝶と桜を表している。『源氏物語』の「胡蝶」に取材した模様と考えられている。
胡蝶桜模様箱迫 江戸時代後期/18~19世紀 国立歴史民俗博物館蔵
金具で桜を表すという独創的な装飾を加えた髪飾り。金具は酸化により黒くなっている可能性がある。もとは桜の花にふさわしい白っぽい色であったのかも知れない。
桜文金具打黄楊櫛・前差・笄 江戸時代後期/19世紀 国立歴史民俗博物館蔵
櫛などを入れる女性の小物入れ。押絵によって花見のために桜に幔幕を張った様子を表している。
幔幕桜図櫛入 江戸時代後期~明治時代/19世紀 国立歴史民俗博物館蔵

桜をめでる前に、佐倉で桜のお花見の歴史を学ぶと一層、感慨深いものになるかもしれません。

特集展示「もの」からみる近世 桜の意匠
開催期間|2021年3月16日(火)~4月11日(日)
会場|国立歴史民俗博物館 第3展示室(近世)特集展示室
住所|千葉県佐倉市城内町117
時間|9:30~17:00(入館は16:30まで)
休館日|月曜
料金|一般600円、大学生250円、高校生以下無料
Tel|050-5541-8600(ハローダイヤル)
https://www.rekihaku.ac.jp/

text=Discover Japan


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