ART

「現代日本画名品選Ⅰ 旅する日本画」を足立美術館にて開催

2021.2.24
「現代日本画名品選Ⅰ 旅する日本画」を足立美術館にて開催

足立美術館は、2021年5月10日(月)まで、「現代日本画名品選Ⅰ 旅する日本画」を開催中。足立美術館は現代を代表する日本画家の作品約350点を所蔵しており、2010年(平成22)にオープンした新館で「現代日本画名品選」を開催し、テーマに合わせて順次公開しています。2021年度の現代日本画名品選Ⅰは「旅する日本画」と題して、様々な国や地域を描いた日本画81点を紹介。

海外はもとより、国内の旅も制限される中、日本画を通して画家たちが旅した地へと案内します。

「 Shower」|岸野香(きしの・かおり)平成29年(2017)175.0×220.0cm 再興第102回院展 画家がタイで見た風景である。屋根のようにせり出した大きな織物には、色とりどりの糸が張られており、ピンと張った糸は、太陽の光を浴びて影を落とす。下にいる人物の背中に、光のシャワーのように降り注ぐ細い影の線が印象的である

現代の日本画壇で活躍する画家たちは、作品の新たな題材を求め、様々な場所へ取材に赴いています。国内にとどまらず遠く海外を訪れることも多く、そこでの体験や写生をもとにした作品が生み出されています。

美しい自然や名所、その地ならではの風景、そこに暮らす人々の姿などを描いた作品を見ていると、まるで一緒に旅をしているかのような気分になります。本展は、1階展示室にて海外に取材した作品、2階では日本各地に取材した作品を展示します。様々な国や地域を描いた日本画を通して、旅の気分をお楽しみください。

「百花為誰開(ひゃっかたがためにひらく)」|井手康人(いで・やすと)平成25年(2013)218.0×172.6cm 再興第98回院展 第19回足立美術館賞
インドネシア・バリ島の火葬の儀式に取材した作品。死は現世の苦しみから解き放たれることを意味し、悲しむ者はなく、祭りのように華やかだという。一面の花々が炎のように赤く表され、中央に立つ白い衣装の女性は凜とした強さを感じさせる

足立美術館は、横山大観をはじめとする近代日本画コレクションで知られていますが、現代日本画の収集にも力を注いできました。1995年(平成7)から日本美術院の展覧会(院展)に足立美術館賞を設けて優秀作の選考と受賞作の買い上げを行うほか、現代の画壇を彩る個性豊かな画家の秀作を収集しており、所蔵数は約350点におよびます。開館40周年を迎えた2010年(平成22)には新館を開館し、同館の現代日本画コレクションを季節やテーマに応じて順次公開しています。

足立美術館賞とは
日本美術の発展と、将来性ある日本画家を育成する一助になればという思いから、同館が開館25周年を迎えた1995年に創設した賞で、毎年秋に開催される「再興院展」の出品作の中から1点を選考されています。さらに、2005年(平成17)には「春の院展」に春の足立美術館賞を設置。受賞作はすべて同館に収蔵され、現時点で足立美術館賞26点、春の足立美術館賞11点※を数えます。

受賞作家の多くが現代の日本画を語るうえで欠かせない存在として活躍しており、これらの作品は同館のコレクションにおいて重要な位置を占めています。

※春の足立美術館賞は2014年の第10回を区切りとして休止しましたが、同館が開館50周年を迎えた2020年から再開しています。

出品作品

イタリア
「ヴェネチアよ、さようなら」

松尾敏男(まつお・としお)平成25年(2013)227.2×181.8cm 再興第98回院展

港を離れる船から望むヴェネチアの街が描かれている。船尾には国旗が風になびき、その先にはどこまでも続く航跡と、離れゆく街が見える。街と海との境界がはっきりと描かれず、波しぶきや霧に覆われることで、幻想的な情景が作り出されている。

インド
「彼岸のことづて」

藁谷実(やわら・みのる)平成23年(2011)162.0×153.5cm 再興第96回院展

インドのダウラターバードという砦の中のヒンドゥー寺院を、「彼岸と此岸の交信する象徴的な場所」という意味を込めて描いた作品。擦れた石畳の様子などから、古くから祈りを捧げてきた人々の存在が感じられ、その思いまでも伝わってくるかのよう。

広島
「厳島神社」

田渕俊夫(たぶち・としお)平成30年(2018)171.2×363.6cm 再興第103回院展

厳島神社が大画面に堂々と描かれている。淡く染まった空のもと、かすかな霧が社を包み込み、幻想的で厳かな雰囲気が漂っている。優美なその姿からは、古来受け継がれてきた信仰や歴史が感じられる。

徳島
「うず潮」

松村公嗣(まつむら・こうじ)平成27年(2015)171.2×363.6cm 再興第100回院展

鳴門の渦潮を取材した作品。透き通った青い海が早い流れに変わり、激しく渦を巻いて深い海底へと吸い込まれていく。この潮流の緩急を、青色に明暗の変化を持たせながら見事に描き分けている。まるで激しい波音がこちらにまで聞こえてくるかのよう。

島根
「小さな駅」

小田野尚之(おだの・なおゆき)平成29年(2017)170.0×312.0cm 再興第102回院展

2018年に廃線となったJR三江(さんこう)線の鹿賀(しかが)駅である。雪景色の中にぽつりと たたずむ一本の線路。物寂しい情景でありながらも、そこに暮らす人々のたしかな気配が感じられ、心温まる思いがする。

「爛漫」

那波多目功一(なばため・こういち)平成24年(2012)165.0×278.0cm 再興第97回院展

爛漫と咲き誇る枝垂れ桜。黒い門と塀が花の色を引き立て、門の奥のどこまでも続く桜色の世界へと観る者を引き込む。画家は秋田・角館で見た満開の桜に東京・六義園で取材した庭門を配することで、儚く散りゆく桜の、ひと時の美を巧みに表現。

現代日本画名品選Ⅰ 旅する日本画
開催期間|~2021年5月10日(月)
会場|足立美術館 新館
住所|島根県安来市古川町320
Tel|0854-28-7111
開館時間|09:00~17:00(4月からは17:30まで)
休館日|会期中無休 ※最新情報は公式ウェブサイトにて要確認
入館料|一般 2300円、大学生 1800円、高校生 1000円、小中学生 500円
※日本庭園、本館・新館・魯山人館で開催中の展覧会などすべてを鑑賞可
アクセス|JR安来駅より無料シャトルバス20分
https://www.adachi-museum.or.jp


≫足立美術館の日本庭園が18年連続日本一を達成!

≫角川武蔵野ミュージアムの外壁に鴻池朋子作品「武蔵野皮トンビ」現る!

島根のオススメ記事

中国エリアのオススメ記事