ART

日本初公開!マンガ原画やスケッチ、約280点を一堂に「ムーミン コミックス展」

2021.1.14
日本初公開!マンガ原画やスケッチ、約280点を一堂に「ムーミン コミックス展」

茨城県近代美術館にて、「ムーミン コミックス展」が、1月16日(土)~3月14日(日)まで開催。その後、岡山・福岡・広島・名古屋・横浜・長崎・愛媛・東京などでも開催される。

トーベ・ヤンソンとラルス・ヤンソン 写真
©Moomin Characters™

ムーミン童話の作者トーベ・ヤンソン(1914-2001年)は、1945 年にムーミン・シリーズ第1作となる小説『小さなトロールと大きな洪水』を発表。1947年には初めての新聞連載マンガがスタート。その後、1954年に英国の『イブニング・ニューズ』紙で連載が始まり、大きな人気を博して20カ国以上で翻訳されました。この「ムーミンコミックス」は当初よりトーベの実弟ラルス・ヤンソン(1926-2000年)が主に資料集めと英訳を担当していましたが、1959年にトーベによる連載が終了した後もラルスによって、連載は引き継がれ1975年まで続きました。ユーモアたっぷりでコミカル時にはぴりりと風刺の効いたコミックスの存在によりムーミンは広く知れわたるようになり、今日のムーミン人気につながっていきました。

トーベ・ヤンソン「まいごの火星人」スケッチ(1957年)
©Moomin Characters™

コミックスの下絵や原画、未邦訳のストーリーを日本初公開
最盛期には、120紙もの新聞で紹介され、世界中の読者を魅了したムーミンコミックス。「ムーミン コミックス展」はそのコミックスにスポットを当て、トーベとラルスの貴重な下絵や原画を初公開。全73話のうち日本では半分程が邦訳出版されていますが、今回は未邦訳の、ラルスによるストーリー3話分の原画も展示。ラルスの作品のうち「ムーミンたちの戦争と平和」は全点展示し、姉トーベと弟ラルスによるコミックアートの真髄に迫ります。

大人向けで風刺のきいたストーリーとコミックス限定のキャラクター
コミックスの特徴の一つは、そのユーモラスで風刺のきいた内容。ムーミン童話や絵本のセンチメ ンタルで詩的な描写は影を潜め、冒険心や社会風刺に満ちた、時にはにやりとするようなストーリーが展開。読者層を想定してか、ムーミンパパの活躍が著しく、コミックスにしか登場しない困り者のキャラクター、スティンキーも良い味を出しています。

トーベ・ヤンソン「黄金のしっぽ」習作(1958年)
©Moomin Characters™

新聞掲載用のシンプルで洗練された絵とユニークな画面構成
コミックスは、銅版で製版され、粗い新聞紙に大量に印刷されました。そのため、原画にはシンプルな線が求められます。キャラクターの動きを的確に伝えるポーズと、ひとコマひとコマを効果的に表現する白黒の濃淡が、コミックスならではの絵作り。コマのフレームにはしばしばストーリーに関連する小道具などがあしらわれ、全体として統一感と面白味あふれる画面構成になっています。

トーベとラルス姉弟の作風の違い
画家でもあったトーベのコミックスは、一つ一つのコマが絵画的で、高い完成度を誇ります。鉛筆による習作(下絵)には、ムーミンたちの造形やストーリーテリングへのこだわりが窺え、インクによるドローイングは、洗練された描線がそれぞれのキャラクターの魅力を引き立てています。

ラルスの出品作はインクによる原画。ムーミンの造形はやや角張っており、テンポ良く展開する画面作りがより風刺性の強いストーリーに合致しています。日本ではまだあまり知名度の高くないラルスのコミックアートも展示会のの見所。

ラルス・ヤンソン「10 個のブタの貯金箱」原画(1975年)
©Moomin Characters™
ラルス・ヤンソン「ムーミンたちの戦争と平和」原画(1974年)
©Moomin Characters™

貴重なフィギュア2体を展示
1950年代、フィンランドのストックマン・デパートのショーウィンドウに飾られていたムーミンとスノークのおじょうさんの立体フィギュア(ムーミンは複製)も展示。会場内ではフィギュアのみ撮影可能。

ムーミンの世界観である、自由・勇気・愛・多様性の称揚
とにかく好奇心旺盛で何事も恐れず挑戦する心優しいムーミン、冒険が大好きで見栄っ張りな一面もあるムーミンパパ、イタズラや失敗も笑いに変える大らかなムーミンママ、孤独を愛するスナフキンや皮肉屋のミイ。お馴染みのキャラクターたちが、規則に縛られ堅苦しく生きることの馬鹿らしさや、あらゆる者が時にはぶつかりながら共生してゆく大切さなど、現代の私達の心にも響く価値観を教えてくれます。

トーベ・ヤンソン「まいごの火星人」スケッチ(1957年)
©Moomin Characters™

ムーミン コミックス展
茨城県近代美術館
会期|2021年1月16日(土)〜3月14日(日)※予約優先制
※入場はオンラインで「日時指定WEB整理券」(無料)を取得した人が優先
住所|茨城県水戸市千波町東久保666-1
開館時間|9:30〜17:00(最終入場は16:30まで)
休館日|1月18日(月)・25日(月)、2月1日(月)・8日(月)
入館料|一般 1210円(1100円)、満70歳以上 600円(550円)、高大生 1000円(870円)、小中生 490円(370円)
※( )内は20名以上の団体料金
※障害者手帳・指定難病特定医療費受給者証などの持参者は無料
※2月20日(土)は満70歳以上無料
※土曜日は高校生以下無料
https://moomin-comics.jp/

今後の開催情報
岡山シティミュージアム
会期|2021年3月20日(土)〜5月9日(日)
住所岡山県岡山市北区駅元町15-1 リットシティビル 南棟 4・5階

福岡県立美術館
会期|2021年5月15日(土)〜7月11日(日)
住所|福岡県福岡市中央区天神5-2-1

ひろしま美術館
会期|2021年7月17日(土)〜9月5日(日)
住所|広島県広島市中区基町3-2

名古屋市博物館
会期|2021年9月11日(土)〜11月14日(日)
住所|愛知県名古屋市瑞穂区瑞穂通1-27-1

そごう美術館
会期|2021年11月19日(金)〜2022年1月10日(月)
住所|神奈川県横浜市西区高島2-18-1 そごう横浜店 6階

長崎県美術館
会期|2022年1月21日(金)〜3月27日(日)
住所|長崎県長崎市出島町2-1

愛媛県美術館
会期|2022年4月2日(土)〜5月29日(日)
住所|愛媛県松山市堀之内

東京富士美術館
会期|2022年6月18日(土)〜8月28日(日)
住所|東京都八王子市谷野町492-1


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