ART

絵に潜む真実、のぞく勇気はありますか?
「あやしい絵展」

2021.3.20
絵に潜む真実、のぞく勇気はありますか?<br>「あやしい絵展」

東京国立近代美術館は、鏑木清方や上村松園など、幕末から昭和初期の”あやしい”作品を集めた「あやしい絵展」を、2021年3月23日(火)〜2021年5月16日(日)まで開催する。

上村松園《花がたみ》大正4年、松伯美術館、後期展示(4月20日~5月16日)

明治期、あらゆる分野において西洋から知識、技術などがもたらされるなか、美術も西洋からの刺激を受けて、新たな時代にふさわしいものへと変化していきました。

このような状況のもとで生み出されたさまざまな作品の中には、退廃的、妖艶、グロテスク、エロティックといった「単なる美しいもの」とは異なる表現がありました。これらは、美術界で賛否両論を巻き起こしつつ、激動する社会を生きる人々の欲望や不安を映し出したものとして、文学などを通して大衆にも広まっていきました。

「あやしい絵展」では幕末から昭和初期に制作された絵画、版画、雑誌や書籍の挿図などからこうした表現を紹介します。

美しさの中にたたえられた
凄絶な悲しみと怒り

上村松園《焰》大正7年、東京国立博物館、東京展のみ、3月23日~4月4日

前屈みにうつむき髪を噛む女性。蜘蛛の巣と藤の花の模様の着物も不気味です。「源氏物語」に登場する六条御息所に取材した作品。愛する光源氏の正妻・葵の上への嫉妬の末、生霊となった彼女は葵の上を殺めてしまいました。

美しい粧の奥に見え隠れする
肉感の生々しさ

甲斐庄楠音《横櫛》大正5年頃、京都国立近代美術館、通期展示

美しく装った女性。ですが、よく見るとおしろいで隠されたはずの、血の通った肌の生々しさがどことなくにじみ出ています。背景の開ききった花の描写も相まって、画面からは爛熟した官能的な雰囲気があふれています。

魔性の魅力、
ふたたび

小村雪岱 《刺青(邦枝完二「お傳地獄」挿絵原画(『名作挿画全集 第1巻』(平凡社、昭和10年)のための))》 昭和10(1935)年 埼玉県立近代美術館

数多の男性を次々と翻弄する一方、夫への一途さも持ち合わせる天性の悪女・お傳。巷で評判の白い肌を露わに、もの想うような眼差しで彫り物の痛みに耐える彼女に迫るアクシデントとは?小説「お傳地獄」の官能的で緊迫感あふれる一場面を、整理された描線と色面構成で表しています。

はっとするほど
大人びた視線

高畠華宵《『少女画報』 大正14年8月号 表紙》 大正14年、弥生美術館、前期展示(3月23日~4月18日)

いかにも爽やかな夏の海辺の情景、と思いきや、少女の表情にご注目。うっすら開いた目と口はなんとも言えない色気を醸し出しています。こちらは『少女画報』の表紙絵。あどけなさと大人っぽさが入り混じるこの姿に、どれほど多くの少女が胸をときめかせたでしょうか。

今なにが
おこなわれて
いるのでしょう?

青木繁《大穴牟知命》 明治38年、石橋財団 アーティゾン美術館

全裸で倒れている男性を二人の女性が見下ろしています。そのうちの一人はなんと乳を差し出しながらこちらを見ています。私達の視線に気づいて驚いているのか、あるいは私達を見つめているのか、謎めいています。

藤島武二《婦人と朝顔》 明治37年、個人蔵、通期展示

あやしい絵展
会期|2021年3月23日(火)〜2021年5月16日(日)
会場|東京国立近代美術館
住所|東京都千代田区北の丸公園3-1
営業時間|10:00〜17:00(最終入場時間 16:30)※金・土曜は20:00まで(最終入場時間 19:30)
休館日|月曜日、5月6日(木)※ただし3月29日、5月3日は開館
観覧料|決まり次第発表
Tel|ハローダイヤル 050-5541-8600
https://ayashiie2021.jp/


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