ART

「京都の美術 250年の夢」ついに開催!
京セラ美術館で、京都の美の神髄に出合う

2020.10.12
「京都の美術 250年の夢」ついに開催!<br>京セラ美術館で、京都の美の神髄に出合う

京都市京セラ美術館は、江戸時代から現代までの京都ゆかりの絵画や工芸などを集めた展覧会「京都の美術250年の夢」を、前期 2020年10月10日(土)~11月8日(日)と、後期 11月10日(火)〜12月6日(日)まで開催。

展覧会は、3部構成で、第1部の「江戸から明治へ・近代への飛躍」では与謝蕪村(よさ・ぶそん)や円山応挙(まるやま・おうきょ)らの作品を展示。第2部の「明治から昭和へ・京都画壇の隆盛」では竹内栖鳳(せいほう)を中心に黄金期を迎えた京都画壇など、第3部の「戦後から現代へ・未来への挑戦」で現代美術を紹介。

ここが見どころ!
◎江戸から現代までの日本美術を総ざらい
◎応挙や、蕪村と呉春の師弟作品は必見
◎京都の町と、アーティストの距離感に注目

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「あたらしい京都の定番か、奈良のはじまりをめぐる旅か」

江戸後期から現代まで続く
京都美術の変遷を体感

生まれ変わった京都市京セラ美術館のこけら落としとなる企画展「京都の美術 250年の夢」。近代以降の京都美術、特に近代日本画を代表する京都画壇の作品群を核に、全国から集めた京都画壇の源流ともいえる江戸時代後期から現代の作品を展示し、連綿と続く京都のアートの歴史を一望できる。

展示作品は日本画のほか、洋画や工芸品など幅広い分野の約250点。選りすぐられた各作品をじっくり堪能するだけでなく、京都で同時代を生きた芸術家の作品を、縦横に比較鑑賞できるのも本展の醍醐味だ。たとえば、与謝蕪村の下で学んだ呉春の『白梅図屏風』は、枝の細部の描写に蕪村の影響が見られる一方で、墨の濃淡によって描かれた幹の描写などには、親交を深めていた円山応挙の影響も見て取れる。また、伝統的な文化の継承を絵画に託した上村松園と、ルノワールなど印象派の影響を受けた土田麦僊、同時代の巨匠二人の画風の差異も興味をそそる。

ほかにも、老舗柚味噌店の軒先に掲げられる北大路魯山人が篆刻した看板など、市内の風景を彩る作品も出展。京都に根づく芸術の息遣いをぜひ感じてほしい。

展覧会は当初、江戸から明治・明治から昭和・昭和から現代の3部が順次開催される予定だったが、新型コロナウイルスの影響で会期・構成を変更し、総集編として開催されることになった。作品数は当初の予定より少なくなったものの、250年間の変遷を一挙に体験できるのはむしろ幸運ともいえる。濃密な美術史の旅を楽しもう。

洋画の趣をたたえる
新感覚の日本画

土田麦僊『大原女』 1927年/京都国立近代美術館蔵/ 通期展示。人物を三角形に配置する構図など、西洋絵画の技法を採用

京都・大原の里山から行商に出掛ける大原女を描いた一枚。麦僊が傾倒した印象派の色彩豊かな画風を盛り込んでいる。

対象の生命力を感じさせる圧倒的な写生術

円山応挙『藤花図屏風』 1776年/根津美術館蔵/重要文化財/前期展示。眼前に藤が咲いているような生き生きとした描写が美しい

曲がりくねる幹や蔓は、応挙が得意とした、輪郭線を用いず一筆で一気呵成に描く「付け立て」という技法を使用。

ひしひしと伝わる師匠との関係性

呉春『白梅図屏風』 1789〜90年頃/公益財団法人 阪急文化財団 逸翁美術館蔵/重要文化財/前期展示。蕪村の叙情性と応挙の写生美を取り入れた名作

寒々しさを感じる中に咲く白梅は、師・蕪村の辞世の句に詠まれた情景を描いたとされる。力強く伸びる幹や枝の筆法には応挙の影響も強く感じられる。

京の町中に息づく芸術品

北大路魯山人『看板「柚味噌」』 1914年/八百三蔵/前期展示。美食家が自ら志願して彫った、老舗の看板

柚味噌製造の老舗・八百三の大看板。魯山人がまだ無名であった時代に受け彫り上げたものとされる、いまとなっては貴重な作品だ。

江戸時代から続く京の文化を近代に復興

神坂雪佳図案、神坂祐吉『源氏夕顔蒔絵棚』 1917年頃/MOA美術館蔵/前期展示。小さな青貝を使い 緻密に表現された 夕顔の花のはかなさ

雪佳による図案を基に弟の祐吉がつくり上げた。「源氏物語」のワンシーンを、琳派を踏襲した伝統的意匠で表している。

シュルレアリスム的表現に社会問題を融合

北脇昇『クォ・ヴァディス』 1949年/東京国立近代美術館蔵/通期展示。絵にちりばめられた、解釈がわかれる謎のモチーフ

戦前から戦後の京都の洋画を牽引した気鋭の画家の遺作。赤旗を掲げる集団と黒雲に覆われる町は、戦後の美術界の行く先を表現しているとも。

美人画の大家の極意が詰まった一作

上村松園『娘』 1926年/松伯美術館蔵/ 10月10日~10月25日展示。町娘の上品な身のこなしに誰もがうっとり

女流日本画家・上村松園の特徴である、高貴で洗練された女性像が魅力的。江戸中期の町娘の服装・髪型がモチーフ。

京都の美術 250年の夢 第1部~第3部 総集編
─江戸から現代へ─

開催日|前期10月10日(土)~11月8日(日)、後期11月10日(火)~12月6日(日)※会期中大幅な展示替えあり
住所|京都府京都市左京区岡崎円勝寺町124
会場|本館北回廊1・2階
料金|一般1600円、大高生1200円、中学生以下無料
※予約優先制。詳細はウェブサイト参照
https://kyotocity-kyocera.museum

text: Yasunori Niiya, Yuki Sawai (Arika Inc.) 
2020年11月号 特集「あたらしい京都の定番か、奈良のはじまりをめぐる旅か」


≫激動の時代に生きた日本人の美意識を概観 特別展「桃山-天下人の100年」

≫とらや パリ店 開店40周年記念展『京の伝統産業 × Paris × Wagashi』を開催

≫『丹後ちりめん』創業300年の門出を祝うドレスを渋谷PARCOで初公開!

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