ART

家にいながら”祭り”と”芸術”を愉しむ
「みちのおくの芸術祭 山形ビエンナーレ2020」

2020.9.15
家にいながら”祭り”と”芸術”を愉しむ<br>「みちのおくの芸術祭 山形ビエンナーレ2020」

東北芸術工科大学が主催する「みちのおくの芸術祭 山形ビエンナーレ」が9月5日(土)〜27日(日)まで開催。4回目を迎える今年は、新芸術監督に現役医師であり芸術分野に造詣の深い稲葉俊郎を迎え、「山のかたち、いのちの形~全体性を取り戻す芸術祭~」というテーマのもと、世界の状況が一変した中で芸術祭の新しい可能性を示すべく、オンラインを中心としたプログラムを展開。多くのゲストアーティストと共に、芸術文化の存在意義、価値を山形から発信する。

総合プロデューサー 中山ダイスケ
東北芸術工科大学学長/アートディレクター
現代美術家、アートディレクター、(株)daicon代表取締役。共同アトリエ「スタジオ食堂」のプロデュースに携わり、アートシーン創造の一時代をつくった。1997年ロックフェラー財団の招待により渡米、2002年まで5年間、ニューヨークをベースに活動。ファッションショーの演出や舞台美術、店舗などのアートディレクションなど美術以外の活動も幅広い。山形県産果汁100%のジュース「山形代表」シリーズのデザインや広告、スポーツ団体等との連携プロジェクトなど「地域のデザイン」活動も活発に展開している。2018年4月、東北芸術工科大学学長に就任

芸術監督 稲葉俊郎
医師/軽井沢病院総合診療科医長、医学博士
2004年東京大学医学部医学科卒業、東京大学医学部付属病院循環器内科助教(2014-2020年)を経て、2020年4月より軽井沢病院総合診療科医長、信州大学社会基盤研究所特任准教授、東京大学先端科学技術研究センター客員研究員、東北芸術工科大学客員教授を兼任(山形ビエンナーレ2020 芸術監督 就任)。心臓を専門とし、在宅医療、山岳医療にも従事。西洋医学だけではなく伝統医療、補完代替医療、民間医療も広く修める。未来の医療と社会の創発のため、あらゆる分野との接点を探る対話を積極的に行っている

七つのプロジェクト

みちのおくの芸術祭 山形ビエンナーレ2020は、七つのプロジェクトを軸に、WEBサイトをプラットフォームにしてオンラインによるコンテンツ配信+各種メディアミックスで展開。

いのちの学校

ネット空間には、すでに膨大な情報がある。だからこそ、2020年の今という瞬間にしか出てこない思い、インターネットだけではないその他のメディアともつながろうとする思い、たとえオンラインであっても「東北芸術工科大学」という学びの場に集っている思いを、共有する場として、「いのちの学校」を開きたい。

わたしたちは、生き続けている限り、生きることを自由に追求する場が必要であり、生きる全体的な営みを共有する場が必要。2020年は「みちのおくの芸術祭 山形ビエンナーレ2020」が、そうした場になる。

土と人 2020

『土と人』は土を感じ、地球を想い、人と人が繋がり、健やかな生き方がうまれるフィールドをつくっていくコミュニティ。サスティナブル、オーガニック、ゼロウェイスト、フェアトレードなど、今を変えていくアクションを起こすきっかけとなる場をつくってきた。

今年はコロナの影響で集えるお祭りをつくることは出来ないが、ここ山形で活動されているオーガニック農家さんや山形ならではのとっておきの商品をオンラインで紹介。『山形オーガニック』をテーマに、だだちゃ豆発祥の地、庄内・白山で400年以上に渡って代々守り続けている「市左衛門」の収穫の様子や山形の有機農業の中心人物、石井昭一氏がつくる在来種米「亀の尾」の有機米を使用したこだわりの日本酒づくり、山形に移住し家族で協力しながら有機農業を営む浦田農園さんの取り組みなど映像コンテンツとして紹介。

また、コマースサイトでは山形を代表する「さわのはな」「亀の尾」「つや姫」など、“ビエンナーレ限定オーガニック新米”の予約販売も行う。

山形の農と美味しさをお届けする。

現代山形考~藻が湖伝説~

藻が湖伝説をご存知ですか?

山形盆地が「藻が湖(もがうみ)」という、まだ湖水の下だった頃のこと。 大昔、山形盆地の真ん中には藻が湖という大きな湖があり、この湖の東に連なる奥羽山脈の麓を東根と呼び、対岸の寒河江には西根という地域があった。寒河江は西村山地方一番の町として栄え、対岸の町と交易のために毎日多くの舟が湖を行き交っていた。西根の舟着場近くの小高い丘には、船着観音と呼ばれる「大木山観音堂」が置かれ、舟運の安全を願う人々の信心を集めていた。その後、奈良時代の行基、平安時代の慈覚大師円仁による開削工事により水が流され肥沃な土地がここ山形盆地に現れたという話。

1970年代に耕地や用水路の大規模な整備がおこなわれたことで、藻が湖があったであろう場所から古代人の住居跡が発掘されるに至り、その存在の有無をめぐって様々な論議がされてきた。しかし、現在の山形盆地を巡ると、地名や信仰、民話や民俗芸能といったものの中に水の記憶がそこかしこに刻まれている。

山形が海の下だったヤマガタダイカイギュウの時代から、ポストコロナの未来までを夢想し、ありえたかもしれない世界を夢想するプロジェクト「現代山形考」が始まる。

さぁ、水の記憶を巡る旅に出かけましょう。

10年の器・10年の菓子

東北芸術工科大学美術科工芸コースと乃し梅本舗佐藤屋は、学生たちが制作した器に新しい和菓子を創作する共同プロジェクト(演習)を、2011年度より行ってきた。今年で10周年となる節目に、この演習を受講し、その後プロとして活動を始めた卒業生たちの現在の仕事に、乃し梅本舗佐藤屋の佐藤慎太郎氏が新しい和菓子で挑む。

ここから生まれた和菓子のうちいくつかは実際に商品化され、地元だけでなく様々な地域の人に愛される銘菓となっている。同様にこの経験は陶芸家として育った卒業生たちにとって、現在の活動に影響を与えたことでしょう。

プログラムとしては、web上での展示、10年を振り返るトーク、参加作家の器を販売。また美術界の陶芸通である2人のアーティストと佐藤慎太郎氏が共に、作品を紹介する番組「ビエンナーレショップチャンネル」をLIVE配信。なお、番組のオープニングムービーは、安野太郎氏と平田尚也氏が制作、撮影用スタジオセットは濱定史氏が設計している。

器と菓子という密接な関係をweb展示で楽しんでもらい、その作者の作る器と今回の企画のために作られた和菓子を併せて購入することで、お家にいながら、この企画を楽しめる。

山の上の陶器市

秋晴れの東北芸術工科大学グラウンドを会場に、いくつものテントが並ぶ美しい景色の中、買い物を楽しんでもらい、好評がとても良かったため今回も開催。今年はこのような事態の中、どのように陶器市を開催するかを画策し、「山の上の陶器市 ウェブ版」としてオンライン上で開催。

リアルな陶器市のようにはいかないが、少しでもその良さを体感できるよう参加作家との対話の場を作った。作家から直接作品の購入をできるわけではないけれど、購入前後どちらでも作り手との対話を楽しめる。

普段は陶器市にはあまり参加しないような作家さんも、今回の「山の上の陶器市」で出会える。

食器、酒器、花器、茶器など様々な器を用意。器によって生活に彩りを加え、美しい日常を楽しむことができる。

まちとひと

山形駅前大手門通りすずらん商店街を舞台に、アーティストやデザイナーが市民とともに、共存や共働、多様性や調和、学びや営みといったテーマで様々なコンテンツを展開。市民・アーティスト・デザイナーの三者による、新しい「街と人のかたち」について、美術やまちとアート、デザイン、eコマース販売など多角的な視点で検証していくプログラム。

PINK PUBLIC PROJECT Signs of Memory 2020
言葉を採集する部屋

時代の変わり目は新たな価値観が生まれる。まさしく時代が変わる最中私たちは何をするべきか、何を話すべきか。

人間の生命が個々のプライベートなものから、全体的で公的なものになった価値観が変わると価値そのものも変わる。これまで気付かなかったことを感じるため、新しい見方が必要になった。

Pink Public Projectは、新たな自分の使命を「会話」と「言葉」を通して見出していく、人は会話からでしか人を探れない、人を知り自分を知る。私的なものをパブリックに表現することをアーティストが仲介し、普通では表に出ない価値と出逢う場を創る。

「価値のある言葉は反応を産む」。作家がその言葉を見つけ、捕まえ、ROOMに招くこれからをどう生きるか何をするべきか、何を話すべきかROOMにはそのヒントが見え隠れする。

言葉は物語っている。

 

 
新型コロナウイルスによって世界の状況が一変した中で、芸術祭の新しい可能性を示す「みちのおくの芸術祭 山形ビエンナーレ」。お家や外出先でも密にならず楽しめ、期間中は何回でも観ることができるので是非、ご覧ください。

みちのおくの芸術祭 山形ビエンナーレ
会期|9月5日(土)〜27日(日)
開催場所|山形ビエンナーレ公式YouTube
時間|プログラムは随時公式HP
料金|無料
問|東北芸術工科大学 山形ビエンナーレ事務局
Tel|023-627-2091
https://biennale.tuad.ac.jp


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