ART

自然との共生で育まれた
日本固有の工藝に触れる
特別展『工藝2020-自然と美のかたち-』

2020.9.18
自然との共生で育まれた<br>日本固有の工藝に触れる<br><small>特別展『工藝2020-自然と美のかたち-』</small>
室瀬和美 柏葉蒔絵螺鈿六角合子 平成26年(2014) 個人蔵 【漆工】漆、鉛、螺鈿、蒔絵、乾漆

日本を代表する幅広い世代の工芸作家82名が手がけた近年の作品82件を一堂に展示する特別展「工藝2020-自然と美のかたち-」が9月21日(月・祝)から東京国立博物館で開催されます。

陶磁や染織、漆工、金工、木竹工など、日本の歴史と文化の中で発展してきた工芸の魅力に触れることのできる貴重な展覧会の見どころをご紹介します。

伊藤裕司 赤富士 平成27年(2015) 個人蔵 【漆工】色漆、金箔、蒔絵
前田昭博 白瓷面取壺 平成29年(2017) 個人蔵 【陶磁】磁器

今回の展覧会は、第1章「金は永遠に光り輝き、銀は高貴さに輝く」、第2章「黒はすべての色を内に吸収し、白はすべての光を撥する」、第3章「生命の赤、自然の気」、第4章「水の青は時空を超え、樹々と山々の緑は生命を息吹く」という、4つのテーマで構成されています。

第1章「金は永遠に光り輝き、銀は高貴さに輝く」では、漆工作品、人形などを展示。縄文時代頃から塗料や絵具、接着剤として漆の木から採取される樹液が使われ、奈良・平安時代以降は中国伝来の装飾技法をもとに日本独自の技術と表現で発展を遂げてきました。古来より呪術や祭礼の道具として作られてきた人形も、現代ではよりいっそうテーマ性をもった表現手法に昇華され、数多くの作品が生み出されています。

第2章「黒はすべての色を内に吸収し、白はすべての光を撥する」では、陶磁、金工など。陶器の美しい白、金工の放つ光の輝きは必見です。

森口邦彦 友禅着物 緋格子文 令和元年(2019) 個人蔵 【染織】絹、友禅
安達征良 硝子絹糸紋鉢「夕陽」 令和元年(2019) 個人蔵 【ガラス】ガラス、切子

第3章「生命の赤、自然の気」は染織、木竹工など。絹、麻、木綿などを材料に布を染めたり織ったりする染織は、身にまとう衣類や調度類を覆う布、空間を彩る掛物のほかにも、現代では糸や布を用いた空間造形にも使われます。独特の色味と風合い、そして緻密な文様が魅力です。また、木や竹が有する力強さや質感を生かした木竹工作品からは、自然との共生の中で育まれた伝統を感じることができるでしょう。

第4章「水の青は時空を超え、樹々と山々の緑は生命を息吹く」では、七宝・ガラス・截金などを展示。七宝・ガラス・截金は、磨き上げられた繊細さと光の加減によって変化する奥深い色味に注目です。

特別展「工藝2020-自然と美のかたち-」
会期|9月21日(月・祝)〜11月15日(日)
※本展は日時指定の予約制です。詳細は展覧会公式サイトをご覧ください。
会場|東京国立博物館 表慶館
住所|東京都台東区上野公園13-9
開館時間|9:30〜17:00 ※金曜日・土曜日は〜21:00
休館日|月曜日 ※9月21日(月・祝)は開館、9月23日(水)は休館
料金|一般1500円、大学生1000円、高校生600円
Tel|03-5777-8600(ハローダイヤル)
展示会公式サイト|https://tsumugu.yomiuri.co.jp/kogei2020/

また、関連企画として石川県金沢市と静岡県熱海市で開催される体験型プログラム「Kōgei Dining」では、鑑賞するだけでは知ることができない工芸の持つ機能美にフォーカス。工芸作家との交流の場も設けられ、工芸をより身近なものとして感じられる機会となります。

Kōgei Dining
https://www.kogei-dining.com/

変化に富んだ地形と表情豊かな四季の気候の中で育まれた日本固有の工芸を通じて、日本人の自然観に根ざした芸術思想に深く触れてみませんか。

text=Discover Japan


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