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「民藝と暮らす」アイデアが満載
3年に一度の民藝展へ行こう!

2020.8.24
「民藝と暮らす」アイデアが満載<br>3年に一度の民藝展へ行こう!
Photo:Kan Kanbayashi styling:Tomomi Nagayama

柳宗悦ら民藝運動家が「民藝(民衆的工藝)」という言葉を生み出してから100年が経とうとしています。柳は、高価な美術品や芸術作品が評価されていた時代、無名の工人がその風土から生み出す日用品にこそ健康的な「美」が宿ると唱え、社会運動として展開。民藝運動の一環として現地へ赴き、職人たちへの指導も行いました。

今回、そんな民藝の思想を受け継ぐ職人たちが手掛けた品々が一堂に介する3年に一度の民藝展が日本橋高島屋(大阪高島屋は9月9日~)にて開催されます。焼き物としては北限の民藝と言われる岩手県の「小久慈焼き」、愛知県の「瀬戸本業窯」や岡山県の「蒲細工」、熊本県の「小代焼」……。現地を訪れなければなかなか出合うことのできない各地の民藝品ですが、期間中は実際に見て、触れて、購入することが可能です。

特別企画として「民藝展×MINGEIフィルムアーカイブ」の上映、「アートから見る未来の民藝」の展示も予定。民藝好きで知られるモデルで女優の知花くららさんは、なんと私物の民藝を使って自宅を再現してくれます。
小誌『Discover Japan』も「民藝と、暮らす」、「民藝を、食べる」をテーマにコンセプトルームを制作。民藝を現代の暮らしへ取り入れるさまざまなアイデアを立体的に紹介します。

民藝と、暮らす

「民藝と、暮らす」をテーマにしたルームは、インテリアスタイリストの中林友紀さんが手掛けます。定番となりつつある北欧家具をベースに、大胆な色・柄の壁紙を使用します。

「民藝を自分の暮らしに取り入れるためのルールはない」ということを表現したいと中林さん。カラフルな空間との調和や意外な家具との組み合わせなど、いつもの民藝がまったく違うモノに見えるはずです。

島根県は湯町窯で購入したカップ&ソーサ―が中林さんのお気に入り。「湯町窯のイメージは黄色や飴色だったので、ピンクのラインがあしらわれたうつわを見つけたときは興奮がとまりませんでした」
現地を訪ねたからこそ出合えた民藝です。

中林友紀(なかばやし・ゆき)
インテリアスタイリスト。『Discover Japan』などの雑誌や書籍、商業施設の展⽰・ディスプレイなどにおいて活動。日本の民藝をはじめ、色のきれいな世界のクラフト、フォークアートにも知見が深く、さまざまなテイストを織り交ぜながら現代的なスタイルを提案

民藝を、食べる

「民藝を、食べる」をテーマに日々の食卓を民藝で彩ります。手掛けるのは小誌にて連載「民芸お菓子巡礼」の執筆とスタイリングを担当する菓子研究家の福田里香さん。普段からモダンでグラフィカルなスタイリングを得意とする福田さんならではの発想は「なるほど!」と、驚きや発見を与えてくれます。幼い頃から民藝に触れてきた福田さんならではの視点とさまざまなアイデアは一見の価値あり。

福田さんお気に入りの民藝は山形県・米沢市でつくられる「笹野花」。ひとつひとつの花びらが繊細な笹野花は、一刀彫から生まれます。こちらは10年ほど前に購入したもの。

白樺で編まれたカゴはスウェーデンの民藝。倉敷民藝館の初代館長・外村吉之助も自身の著書で紹介していたという逸品です。飴色の輝きは経年がもたらす美しさ。

福田里香(ふくだ・りか)
菓子研究家。お菓子や料理のレシピ開発・スタイリングを手掛ける。父の豊水は日本民藝協会の会員で、熊本小代窯を復興させた人物。幼い頃から民藝に触れて育つ。雑誌『Discover Japan』にて「民芸お菓子巡礼」連載中

心地いい民藝

日本に限らず、世界の民藝を普段の生活に取り入れているモデル・女優の知花くららさん。国境を越えた独自の空間づくりや民藝の使い方はSNSでも話題にあがるほど。普段は画面を通してでしか見ることができない知花さんの自宅ですが、今回の展示では、ご本人自ら民藝とともにある暮らしを特別に再現します。(すべて私物を使用)テーマは都内の自宅で過ごす「日々の暮らし」(会期:9月2日(水)〜9月6日(日)日本橋高島屋/9月9日(水)~14日(月)大阪高島屋)と、別宅の「海の家」(会期8月26日(水)〜9月1日(火)※日本橋会場のみ))。知花さんの暮らしぶりから、ぜひ「心地いい民藝」を感じ取ってください。

知花さんの「海の家」。キャノピーをあしらい、海の風、光や音をイメージ。古いものと新しいものをミックスさせ、民藝が暮らしに溶け込む様子を会場でも垣間見れます。

知花さんのお気に入りの民藝を教えてもらいました。「ベトナムで出合った中国の古い籠です。経年変化したこのさまや、編んだ人のことを思うだけで、まるで時空を超えて世界旅行をしている気分になります」

知花くらら(ちばな・くらら)
1982年3月27日生まれ。沖縄県出身。2006年ミス・ユニバース世界大会で準グランプリを獲得。多数の女性ファッション誌でモデルを務めるほか、TV・ラジオ・CMに出演。NHK大河ドラマ『花燃ゆ』で女優デビュー。また、国連WFP(国連世界食糧計画)日本大使としてアフリカやアジアなど食糧難の地域への現地視察を行い、日本国内で積極的に現地の声を伝える活動を行う。独学で短歌もはじめ、‘17年には「ナイルパーチの鱗」で第63回角川短歌賞佳作を受賞。雑誌や新聞で短歌エッセイを連載中

 

いまの暮らしに、健やかな美を。民藝展」
会期|2020年8月26日(水)~ 9月6日(日)
会場|日本橋髙島屋S.C. 本館8階催会場
住所|東京都中央区日本橋2-4-1
営業時間|10:30~19:30(最終日は18時閉場)
Tel|03-3211-4111
※後に巡回 大阪髙島屋 9月9日(水)~14日(月)
www.takashimaya.co.jp/store/special/mingei/index.html


≫日本の職人仕事「民藝」第1回/瀬戸本業窯で見た、民藝の本流

≫日本の職人仕事「民藝」第2回/浄法寺塗・浅野奈生さんの工房で見た、日用品としての漆器

≫芸術に高まった日本の職人仕事「民藝」第3回/銀座たくみで知る、民藝の愉しみ

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