FOOD

ほっとひと息。秋冬こそ楽しみたい日本茶の世界

2019.10.28
ほっとひと息。秋冬こそ楽しみたい日本茶の世界

肌寒くなってきたこの季節こそ、香り豊かなお茶に身も心もほぐされたい。日本茶の美味しい淹れ方から気軽に飲めるティースタンドまで、お茶の楽しみ方が広がるトピックスを紹介。この秋冬はのんびりとお茶に癒されよう。

あなたは知っていますか?
「玉露」の本当の味

玉露は100gで1000円から高いもので5000円以上(!)する高級茶だが、本当の玉露の味を堪能するには、それなりの淹れ方が必要だ。

50℃くらいに冷ましたお湯で約2分ほどかけゆっくりと蒸らす。高温だと苦味成分が溶け出してしまうので、このぬるめの温度が肝心だ。旨味が詰まった最後の一滴までしっかりと注ぎ切ることも大切。

こうして丁寧に淹れられた珠玉の一杯は、口に含むと、とろりと口いっぱいに旨味が広がる。

玉露は少量のお湯で3煎まで楽しむことができ、お湯の温度、蒸らし時間を変えることで、1煎目は旨味、2煎目は苦味、3煎目は渋みと、同じ茶葉から淹れたとは思えぬほどの味の違いが堪能できるのでこちらもお試しを。

水出しとお湯出しの合わせ技!
ハイブリッド冷茶のいれ方

お茶の香りと甘み、旨みと渋みをバランスよく楽しめる、「ハイブリッド冷茶」。毎日飲むお茶を、ちょっとした工夫で格段に美味しくいれられる方法をご紹介。

用意するもの(1人分)
急須、茶葉:5g(小さじ1)、湯:70ml(70℃)、氷:適量、グラス

≪作り方≫
1|急須に茶葉を入れ、70℃に冷ました湯を70㎖注ぐ。

2|湯を入れたら、30秒ほど浸出させます。このとき主に旨みと渋みが抽出される。

3|一番のポイントはここ。茶葉と湯の入った急須に氷を入れて一気に湯の温度を下げると甘みが増す。

4|ふたをして3分たったら、氷をたくさん入れたグラスに注ぐ。

5|ハイブリッド冷茶の完成!

お茶の世界を楽しめる注目のお店

近年、スタイリッシュにお茶を提供する店が増えている。お茶ブームがやってきている今だからこそ、伝統的なスタイルにとらわれない日本茶のニュースタンダードを押さえておこう。

日本茶をハンドドリップで味わえる!?
日本茶専門店「東京茶寮」

現代の茶室をイメージしたキューブ型の店内の中心に、コの字型のカウンターを配した静謐な空間。モダンな空間でバリスタと会話をしながら、丁寧にハンドドリップしたお茶を愉しむ「東京茶寮」では、世界で初のハンドドリップで淹れたお茶を味わえる。

茶葉はすべてお茶本来のもち味の素晴らしさを改めて知ってもらうために、「単一農園単一品種」のスペシャルティ煎茶のシングルオリジンにこだわり、鹿児島や静岡などの産地から厳選し、提供。店のしつらえと道具の多くは、ものづくりの背景をもつ日本の職人とコラボレートしてつくった、東京茶寮オリジナル。

東京茶寮
住所:東京都世田谷区上馬1-34-15
営業時間:13:00~20:00、土・日曜、祝日11:00~20:00
休み:月曜(祝日の場合は翌日休)
www.tokyosaryo.jp

ビールサーバーで淹れるドラフトティー
「CHABAKKA TEA PARKS」

神奈川県鎌倉に日本茶セレクトショップ「CHABAKKA TEA PARKS」。ビールサーバーから窒素を含ませながら注がれる水出し煎茶は、旨みと甘みが凝縮され、口当たりが驚くほどなめらか。ほかにも月額定額制飲み放題サービスなど、新たな試みが満載だ。

CHABAKKA TEA PARKS 鎌倉店
住所:神奈川県鎌倉市御成町11-10
営業時間:11:00 ~ 18:00
定休日:水曜
Tel:0467-84-7598
価格:ドラフトティー(COLD)700円
https://shop.chabakkateaparks.com

茶せんで点てる日本茶ラテ
「八屋」

2017年末に、東京都千駄ヶ谷と代官山に続けてオープンした日本茶スタンドカフェ「八屋(はちや)」。このカフェは、「日本茶を新しい文化として現代に再構築」というコンセプトの下、コーヒースタンドのような気軽さで立ち寄れる場所を目指して生まれた。

メニューも、こだわりの急須で淹れたシンプルなお茶はもちろん、抹茶を点てるように粉末のお茶を混ぜ、フォームドミルクを注いでつくられた「日本茶ラテ」、さっぱりした飲み口の「炭酸冷茶」など、従来のイメージを覆す日本茶の楽しみ方を提案している。

八屋 代官山店
住所:東京都渋谷区恵比寿西1-16-9
営業時間:9:00 ~ 19:00(LO:18:45)
定休日:年中無休(冬季休暇あり)
Tel:03-6368-4423
価格:煎茶ラテアイスS 450円、L 550円
http://8ya.jp

手土産にもぴったり!
「煎茶堂東京」

日本茶ブランド「グリーンブルーイング」の直営店となる「煎茶堂東京 銀座店」。扱うのは全国から厳選した高品質なシングルオリジン煎茶のみ。パッケージは煎茶を独自のアルゴリムで数値化、色彩感覚に置き換えたもの。直感に従って茶葉を選んでみては。

煎茶堂東京 銀座店
住所:東京都中央区銀座5-10-10
営業時間:11:00~19:00
定休日:年末年始、盆
価格:「001 はるもえぎ」 1900円(50g)~
Tel:03-6264-6864
www.senchado.jp

現代の侘び寂びを体感
「artless craft tea & coffee」

ブランディング・エージェンシー「artless Inc.」のオフィスに併設する「artless craft tea & coffee」は、クラフトにフォーカス。シングルオリジンコーヒーと小規模農園で丁寧につくられたオーガニックのほうじ茶が味わえる。茶釜を設えたカウンターに美しい茶器の数々。現代の侘び寂びを体感できる空間だ。

artless craft tea & coffee
住所:東京都目黒区上目黒2-45-12 nakame gallery street J2
営業時間:11:00 ~ 20:00
定休日:不定休
価格:シングルオリジンコーヒー・ほうじ茶500円(ドリップ)~、500円(茶葉)~
Tel:03-6434-1345
www.craft-teaandcoffee.com

無農薬有機栽培にこだわる
「NAKAMURA TEA LIFE STORE」

静岡県で100年にわたりお茶をつくる中村家が、東京・蔵前で運営する「NAKAMURA TEA LIFE STORE」。栽培から製茶加工までを一手に担う同社商品には、すべてに「いつ、どこで、誰が、どうやってつくった」かがわかる品質保証書が添付される。30 年以上前から無農薬有機栽培にこだわり、品質の向上に努めてきた自信がにじむ。

NAKAMURA TEA LIFE STORE
住所:東京都台東区蔵前4-20-4
営業時間:12:00~19:00
定休日:月曜
価格:Garden No.01–Covered Edition– 3600円(100g)など
Tel:03-5843-8744
www.tea-nakamura.com

知れば知るほど奥深くて面白いお茶の世界。古臭いイメージは払拭され、今ではおしゃれに味わうことができる。あなたもこの秋から、もっと自由に楽しんでみてはいかがだろう。

※価格が変更になっている場合があります
2018年6月号特集『おいしい日本茶が飲みたい』

東京のオススメ記事

関連するテーマの人気記事