TRAVEL

宮島に佇む温故知新の旅館「岩惣」。
台湾の旅のカリスマ・ケンさん&キャロルさん、世界遺産にある宿「岩惣」へ

2019.10.22
<b>宮島に佇む温故知新の旅館「岩惣」。</b><br>台湾の旅のカリスマ・ケンさん&キャロルさん、世界遺産にある宿「岩惣」へ

日本三景のひとつ、世界遺産にも指定されている宮島。「岩惣」はそんな宮島を代表する旅館だ。台湾で旅のプロフェッショナルとして活躍するケン・ウォーカーさんとキャロル・リンさんご夫婦に「岩惣」を訪ねてもらった全2回の連載前編。

工頭 堅(ケン・ウォーカー Ken Worker)
旅行メディア「旅飯PanTravel」代表、人気旅行ブロガー。旅番組の案内人、雑誌『Bon Voyage』の編集長、ツアーコンダクターを務める。2017年旅行エッセイ本『時代の風』をリリース
林凱洛(キャロル リン Carol Lin)
レコード会社、文化クリエイティブ会社、カフェマーケティング企画の経験を経て 「旅人狂歡節 Traveler Carnival」というブログを運営。『島旅:瀬戸内海のアートシーンに飛び込む』『味之宿:究極の旅館美学』などの旅行エッセー本を出版。現在フリーライター&キュレーターとして活躍するかたわら、日本旅行商品開発も担当している

日本三景のひとつ宮島。いまでは宮島のほうが通りがいいが、「斎く島」という語源から本来は厳島と呼ばれる神の島だ。世界でも類を見ない海上に建立された嚴島神社があるこの島は、世界遺産にも指定され、世界中の旅人が憧れる、日本を代表する名所だ。

「岩惣」の創業は安政元(1854)年。その名は初代岩国屋惣兵衛にちなむ。もともと茶屋として建てられた。写真の母屋は明治25年に建てられたもの

この神の島にも名旅館がある。江戸末期に創業した「岩惣」は、少しでも歴史をかじったことがある人ならば知っている数多くの政財界の要人をはじめ、皇室の方々も訪れている宿だ。

そもそもは茶屋として開業、紅葉狩りに出掛ける人々の憩いの場だった。いまも宮島の風景に溶け込むように「もみじ谷」の入り口に建っている。

もみじ谷の上には赤い橋が架かる。橋の眼下は庭園砂防になっている。昭和20年に発生した山崩れを教訓に完成。庭の美しさと安全性を両立させた

今回、岩惣を訪れたのは台湾のケン・ウォーカーさんとキャロル・リンさんご夫婦。

ケンさんは台湾のカリスマ旅行ウェブメディアの代表を務めている。キャロルさんは、3年前に約1ヵ月掛けて「日本 味の宿」に加盟している旅館をすべて回ったトラベルライターだ。このときの取材は台湾で一冊の本にまとまっている。

「秋錦亭」の縁側。もみじ谷を見下ろせる窓には昔のガラスが

「嚴島神社は何度か訪れていますが、こちらに泊まるのははじめて。キャロルから以前うかがったときのことを聞いていたので、ずっと泊まってみたかった。念願がかなってうれしいです」とケンさん。

二人が滞在したのは、離れの「秋錦亭」。女将の岩村玉希さんに迎えられほっとひと息。お茶と広島名物のもみじ饅頭をいただく。

温泉を愉しめる「日の出湯」「月の湯」と名づけられた大浴場。それぞれに露天風呂がつく。時折、目の前を鹿が通り過ぎることも

秋錦亭は昭和3年に建てられた伝統的な建築の部屋だ。障子格子、欄間、火灯窓など精緻な細工が目を引く。古い装飾は生かしながら、洗面所や浴室などは現代的な使い勝手のよさがある。新しさを取り入れつつも、昔からのものと調和しているのが見事だ。

もみじ谷を見下ろすこの部屋で寛いだら温泉へ。若宮温泉と名づけられた透明な湯だ。露天風呂は鹿の通り道に面しているため、入浴中に鹿と出合うこともあるとか。

みやじまの宿 岩惣
住所:広島県廿日市市宮島町もみじ谷
Tel:0829-44-2233
Fax:0829-44-2230
E-mail:info@iwaso.com
客室数:38室
料金:1泊2食2万2000円〜4万4000円(税別)
カード:AMEX、DINERS、JCB、MASTER、VISA
IN:15:00 OUT:10:00
夕食:会席料理(部屋食) 朝食:和食または洋食(離れは部屋食、新館と本館は食事処)
温泉:若宮温泉(単純弱放射能冷鉱泉/源泉掛け流しではない加温あり/加水あり/慢性皮膚炎、神経痛、筋肉痛、冷え性、痛風など) 風呂:大浴場男女別各1(15:00〜24:00、6:00〜9:30)
アクセス:車/宮島口桟橋まで、山陽自動車道大野ICまたは廿日市ICから約10分 電車/宮島口桟橋まで、JR山陽本線宮島口駅から徒歩5分。宮島口桟橋から連絡船で10分。宮島桟橋から送迎あり
館内施設:食事処
Wi-Fi:あり
www.iwaso.com

文=編集部 写真=山平敦史
Discover Japan_TRAVEL「味わいの名宿」

《台湾の旅のカリスマ・ケンさん&キャロルさん、世界遺産にある宿「岩惣」へ》
1|宮島に佇む温故知新の旅館「岩惣」

2|泊まるだけじゃない、五感でまるごと日本文化を感じる体験