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世界文化遺産の構成資産と関連資産を知る
縄文遺跡カタログ【Part 2】

2021.9.11
<small>世界文化遺産の構成資産と関連資産を知る</small><br>縄文遺跡カタログ【Part 2】
祭祀場が発達した道南の大規模拠点集落「大船遺跡」

「北海道・北東北の縄文遺跡群」は縄文時代の風土やその地に根ざした文化、縄文人の暮らしぶりをまざまざと物語ります。それぞれの遺跡は一体何がすごいのか?世界文化遺産に登録された17の構成資産とふたつの関連資産から、今回は縄文時代中期〜後期の構成資産7つを紹介します。

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三内丸山遺跡(青森県・青森市)
大型掘立柱建物がシンボル!日本最大級の縄文遺跡

居住域、墓地、大型掘立柱建物などが配置された巨大な集落跡。盛土からは2000点以上の土偶など、祭祀の道具が大量に出土。周囲の集落を束ねる拠点集落として、1000年以上も続いたと考えられる。

史跡指定|2000(平成12)年11月24日
史跡年代|3900BCE〜2200BCE
所在地|青森県青森市三内丸山
公開時間|6月〜9月及びゴールデンウィーク 9:00〜18:00、10〜5月 〜17:00 ※見学には要・三内丸山遺跡センター観覧料 ※三内遺跡センター休館時は見学不可
料金|大人410円、大高生200円など、中学生以下無料
アクセス|電車/JR東北新幹線新青森駅から車で約10分またはバス(ねぶたん号)で約15分 飛行機/青森空港から車で約30分
ガイダンス施設|三内丸山遺跡センター(Tel:017-766-8282)

大船遺跡(北海道・函館市)
祭祀場が発達した道南の大規模拠点集落

集落には100棟を超える竪穴建物からなる居住域と大規模な盛土があり、その外側には100基以上の土坑がある。盛土からは、膨大な量の土器などが出土しており、長期間にわたって祭祀の拠点だったと考えられる。

史跡指定|2001(平成13)年8月13日
史跡年代|3500BCE〜2000BCE
所在地北海道函館市大船町
公開時間|随時
料金|無料
アクセス|電車/JR函館駅から車で約60分または函館バスで約90分、JR北海道新幹線新函館北斗駅から車で約45分 飛行機/函館空港から車で約50分
ガイダンス施設|函館市縄文文化交流センター(Tel:0138-25-2030)※遺跡から車で約10分

御所野遺跡(岩手県・一戸町)
立地や景観に垣間見える縄文集落の佇まい

墓地を中心に、周囲に竪穴建物や掘立柱建物などからなる居住域が広がる。盛土からは、大量の土器や石器とともに、祭祀にまつわる土製品、石製品などが出土し、祭祀が繰り返し行われたことがうかがえる。

史跡指定|1993(平成5)年12月21日
史跡年代|2500BCE〜2000BCE
在地|岩手県二戸郡一戸町岩舘字御所野
公開時間|9:00〜17:00(最終入館16:30)
料金|無料
アクセス|IGRいわて銀河鉄道一戸駅から車で約5分または岩手県北バスで約10分、JR東北新幹線二戸駅から車で約15分または岩手県北バスで約25分
ガイダンス施設|御所野縄文博物館(Tel:0195-32-2652)※遺跡隣接

入江貝塚(北海道・洞爺湖町)
内浦湾岸にある、縄文時代後期の“黒い貝塚”

貝塚を伴う集落跡。居住域、墓地、貝塚からなり、貝塚の遺物に貝殻は少なく、魚や海獣、動物の骨が多く見つかっている。灰や焼け土が厚く積もり、断面が黒く見えることから“黒い貝塚”とも呼ばれる。

史跡指定|1988(昭和63)年5月13日
史跡年代|(入江・高砂貝塚)3500BCE〜800BCE
所在地北海道虻田郡洞爺湖町入江
公開時間|貝層展示施設 9:00〜17:00
料金|無料
アクセス|JR洞爺駅から徒歩約20分
ガイダンス施設|入江・高砂貝塚館(Tel:0142-76-5802)※貝塚から徒歩約5分

小牧野遺跡(青森県・青森市)
複雑な配石構造の環状列石を中心とする祭祀遺跡

石は、直径2.5mの中央帯、直径29mの内帯、直径35mの外帯という3つの輪を描くように配置されている。土偶や400点以上の三角形岩版などの祭祀遺物が出土している。

史跡指定|1995(平成7)年3月17日
史跡年代|2000BCE
所在地|青森県青森市大字野沢字小牧野
公開時間|随時 ※冬季閉鎖(11月16日〜4月30日)
料金|無料
アクセス|電車/JR青森駅から車で約35分、JR東北新幹線新青森駅から車で約35分 飛行機/青森空港から車で約20分
ガイダンス施設|青森市小牧野遺跡保護センター 縄文の学び舎・小牧野館(Tel:017-757-8665)※遺跡から車で約5分

伊勢堂岱遺跡(秋田県・北秋田市)
直径30m以上の環状列石が4つも並ぶ

最大の環状列石は直径約45mに及ぶ。環状列石の下部からは土坑墓が見つかり、祭祀場と共同墓地を兼ね備えた場所と考えられる。周辺からは、祭祀具も多数出土している。

史跡指定|2001(平成13)年1月29日
史跡年代|2000BCE〜1700BCE
所在地|秋田県北秋田市脇神字伊勢堂岱
公開時間|9:00〜17:00(入園は〜16:00)※伊勢堂岱縄文館が休館時は閉鎖、冬季閉鎖(11〜4月下旬)
料金|無料
アクセス|電車/秋田内陸縦貫鉄道縄文小ヶ田駅から徒歩で約5分、JR鷹ノ巣駅から車で約15分 飛行機/大館能代空港から車で約5分
ガイダンス施設|伊勢堂岱縄文館(Tel:0186-84-8710)※遺跡隣接

大湯環状列石(秋田県・鹿角市)
いくつもの組石を二重の円形に並べたふたつの環状列石

最大径約52mの万座環状列石、最大径約44mの野中堂環状列石を主体とする祭祀遺跡。いずれも二重の円形で、各円は石を円形や楕円形に組んだ組石を並べてつくられている。

史跡指定|1956(昭和31)年7月19日
史跡年代|2000BCE〜1500BCE
所在地|秋田県鹿角市十和田大湯字万座
公開時間|4〜9月 9:00〜17:30、10月 〜16:30(4〜10月公開範囲の制限あり)、11月 〜16:00(月曜閉鎖。公開範囲の制限あり) ※冬季閉鎖(11月中旬〜4月中旬)
料金|無料
アクセス|電車/JR鹿角花輪駅から車で約25分または秋北バスで約35分
ガイダンス施設|大湯ストーンサークル館(Tel:0186-37-3822)※遺跡隣接

 

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text: Miyu Narita photo: JOMON ARCHIVES
Discover Japan 2021年8月号「世界遺産をめぐる冒険」

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