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いま日本酒業界を賑わせている超新星
岡住修兵のリベンジ酒
「稲とアガベprototype03」販売

2021.3.25
いま日本酒業界を賑わせている超新星<br>岡住修兵のリベンジ酒<br>「稲とアガベprototype03」販売

小誌WEBサイトでも何度かご紹介している醸造家・岡住修兵氏。日本酒業界において、新規参入が難しいとされる国内向けの清酒製造免許取得を目指して、この度発売されるのが「稲とアガベprototype03」だ。

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免許取得を目指しているのに日本酒発売?

そう、彼はまだ自分の酒蔵をもっていない。
群馬県の土田酒造へ委託醸造をお願いしているのだ。

岡住氏は新政酒造での3年半の修業時代、期間限定で研修にきていた土田酒造杜氏、星野元希氏と出会う。岡住氏独立後、そのご縁が「稲とアガベ」委託醸造につながった。

土田酒造麹室内にて岡住氏(左)、星野氏(中)、土田酒造代表・土田祐士氏(右)

国内での日本酒の売り上げは年々右肩下がり。先にも述べたように、海外販売向けを除いては、清酒製造の新規参入ができないのが現状だ。しかし、内訳を見てみると特定名称酒といわれる純米酒や吟醸酒などはほぼ横ばい。(出典:「清酒の製造状況等について」令和2年2月国税庁課税部鑑定企画官)ここには可能性があると、岡住氏は日本酒業界に一石を投じようとしていた。

「酒蔵を立ち上げたいという若者の行き場がない現状を打破して、まずは僕がその道をつくりたい。いまから顧客をつくり、ある程度の売り上げが見えれば可能性もあるはずです」

編集部が岡住氏に出会い、そんな話を聞いたのはちょうど1年ほど前。prototype01(直販のみ)発売の時期だった。01は精米歩合90%、酵母無添加。ひと口飲んだときの“清冽”な味は、いまだ記憶に新しい。02販売を経て、徐々に顧客(酒販店)も増えた。03に関しては生産数が各酒販店の希望数に届かないという人気ぶりだ。

そして、秋田県内で酒蔵建設の候補地が決まったと教えてもらったのが半年前——。

現在はというと、予定していた秋田県の旧男鹿駅舎での開業が決定事項となり、5月から着工。諸々の検査などを通れば、まずは輸出向けの清酒製造免許とその他の醸造免許を取得予定とのこと。春からは自社田での米作りもはじまる。

とどまるところを知らない岡住氏! 国内販売向けの清酒免許取得の日も遠くないはずだ。

どぶろくを仕込む岡住氏

「本当にいろんな人が応援してくれているおかげで、醸造所の計画が計画以上に順調に進んでいます。その人たちにはもちろん、買っていただける方に感謝を伝えたいです」

ところでタイトルの「リベンジ」だが、今回の03は、02とまったく同じ原料。(お米も新米ではなく、前回と同じ2019年度産)02は結果、納得いく酒にはなったが、表現したかったことが出し切れなかったとのことで、イメージしている完璧を求めて、敢えて同じ原料で再チャレンジしたと話してくれた。

「01、02は世間的には低精白の米でもキレイという評価ではあったのですが、実は麹造りが思うようにいかず、狙っていたアミノ酸の数値にはなりませんでした。(一般的に吟醸酒はアミノ酸の数値1以下が目標)前回は1.57、今回は0.7、業界的にも驚いてもらえる数値かもしれません」

なるほど、通常ならば米を40%磨いて出す味を、10%の磨きで表現してしまったということだ。

今回は、麹でしっかり米を溶かすことによって酒のしつこさ、濃さが上手く引き算できた。これぞ、岡住氏がコンセプトにしている「田んぼでつくる吟醸」だ。

※アミノ酸度とは、コクや旨みをもたらす酸の量を相対的に表す数値。旨みは雑味としてとらえられることもあり、一般的にアミノ酸度が低いほうがスッキリとしてキレイな味わいと評価される

「もちろん、吟醸だけがすべてではないと思っているので、ふくよかでコクのある『旨い』とすっきりとキレイな味わいの『美味い』の間を研究していきたいです。そのときそのときのベストはあっても、終わりなき完璧を一生追求していると思います(笑)」

そんな岡住氏の日本酒「稲とアガベprototype03は3月27日発売! 自らつくり出す環境の変化のスピードもさることながら、技術の進化も相当だ。

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問|ine.to.agave@gmail.com
https://www.inetoagave.com/


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