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今年注目の「奥能登国際芸術祭」珠洲の魅力とは?〜前編「能登杜氏」

date2017.02.24

今秋、石川県珠洲市を舞台に初開催となる「奥能登国際芸術祭」を前に、奥能登、そして珠洲の魅力を前編・後編の2回に分けてお届け。前編では、珠洲市を発祥の地とする四大杜氏のひとつ、能登杜氏について、後編では「キリコ祭り」と祭の風習「ヨバレ」について紹介します。

今秋「奥能登国際芸術祭2017」はじまります

全国各地で盛り上がりをみせる、地域を舞台にした芸術祭。アートをきっかけにその土地の魅力を発掘し、再発見させることで、地方創生の大きな柱としても注目を集めています。そして2017年秋、能登半島の先端に位置する石川県珠洲(すず)市全域を舞台に、「奥能登国際芸術祭」が誕生。「日本の祭と食文化の源流を探る」をテーマに、2017年9月3日(日)~10月22日(日)の50日間、約50名のアーティストが奥能登を彩ります。

 

総合ディレクターは、アートフロントギャラリー代表の北川フラムさん。「瀬戸内国際芸術祭」をはじめ、様々な地域でアートプロジェクトを手掛けてきた、地方芸術祭のパイオニアです。また、クリエイティブディレクターは浅葉克己さん、コミュニケーションディレクターは福田敏也さんが務め、公式写真は同芸術祭参加アーティストの石川直樹さんが撮影されています。

羽田から約60分! 奥能登は意外と近いんです

 (画像:奥能登国際芸術祭2017ウェブサイトより)

 

東京・羽田から飛行機で約1時間。舞台となる珠洲市は、奥能登と呼ばれる能登半島の最北部(最奥部)に位置し、荒々しい外海と、穏やかな内海に囲まれた自然豊かな農山漁村です。

 

また、能登半島に広がる「能登の里山里海」は、日本では第一号の世界農業遺産に認定され、いまも変わらず日本の美しい原風景が残されています。

祭や食も魅力のひとつです

奥能登の魅力は、自然だけではありません。その豊かな土地で生まれた祭や食の文化は、日本文化の源流とも言われています。能登半島の約200地区で7月から10月にかけて行われる「能登のキリコ祭り」は、江戸時代からつづく奥能登の伝統行事。県外からも多くの見物客が訪れ、2015年春には、文化庁が定めた日本遺産にも認定されました。能登が一年で一番盛り上がるキリコ祭りの詳細は【後編】でお伝えします。

能登が生んだ「能登杜氏」を知っていますか?

稲作が盛んな能登では、古くから酒造りが行われ、「能登杜氏」と呼ばれる酒造りのプロフェッショナルが生まれた地でもあります。そもそも杜氏とは、世紀を超えて伝統を受け継いできた酒造り集団の長のこと。

 

杜氏を酒造りの最高責任者とし、蔵人は、稲刈りを終えた秋頃から、杜氏のもとで働きながら冬を越していました。長である杜氏の役目は、酒造りだけではなく、人間関係や日々の暮らしまで多岐にわたりました。これが「酒造りは、人造り」とまで言われる由縁です。日本で数ある杜氏の中でも、能登杜氏は四大杜氏のひとつとされ、その発祥は江戸時代後期。当時は、能登の男は誰もが酒造りをしていた、と言われるほどでした。

能登杜氏発祥の地「宗玄酒造」へ

今回訪れたのは、1768年創業の「宗玄酒造」。能登最古の酒造として、石川県内はもちろん、全国でも人気が高い酒造のひとつです。また、能登杜氏発祥の蔵とも言われ、いまでも奥能登・珠洲で栽培した酒米を使用。能登杜氏の手によって丁寧に酒造りが行われています。さらに、宗玄酒造の大吟醸宗玄はANA国際線ファーストクラスにも採用され、日本酒の代表として海外からも注目されています。

 

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酒蔵の奥には、日本酒を保管する貯蔵庫が隣接しています。実はこれ、廃線となった「のと鉄道能登線」のトンネルをそのまま利用。個人で購入した酒の保管や熟成の場として活用されています。熟成した日本酒は、そのとろみと、まろやかさが人気で、現地で酒を購入してその場で貯蔵を決める人も少なくないそう。

 

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「実はいま、地元の中学生が育てた米でつくった酒をこのトンネルで熟成させているんです。彼らが二十歳になった時にこれで乾杯してもらう。タイムカプセルみたいですよね。」そう語るのは、宗玄酒造営業の浅田星太郎さん。

 

彼もまた、宗玄酒造の魅力に引き込まれたひとりです。「日本酒を世界に広めたい。どうせなら一番うまいものがいい」と、全国各地の酒を飲み比べ、ここ、宗玄酒造にたどり着いたそう。そして4年前、珠洲に移住を決意。現在は宗玄酒造の営業マンとして日々奮闘しています。「これまで受け継がれてきた伝統を守ることももちろん大切ですが、未来に繋ぐためには新たなことにトライすることも同じくらい大切です。いま残っている伝統産業は、昔から変わっていないように見えて、全て少しずつ変化を重ねてきたもの。変化無しには残れません。」200年を超える能登杜氏の歴史は、次の世代へとそのバトンをしっかりつないでいました。

 

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宗玄酒造

住所:石川県珠洲市宝立町宗玄24-22

Tel:0768-84-1314

営業時間:9:00〜17:00

定休日:日曜 (試飲販売は可能) ※蔵見学は要予約相談

www.sougen-shuzou.com

 

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【開催概要】

奥能登国際芸術祭2017

「最涯の芸術祭、最先端の美術」

会期:2017年9月3日(日)~10月22日(日)

会場:石川県珠洲市全域

参加作家:10の国と地域から31組(2017年2月19日時点)

主催:奥能登国際芸術祭実行委員会

実行委員長:泉谷満寿裕(珠洲市長)

総合ディレクター:北川フラム

http://oku-noto.jp

 

(編集M)

まだまだあります奥能登の魅力!

後編:キリコ祭りとヨバレ

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