ARTS & CRAFTS

大阪万博のシンボル「太陽の塔」は、曼荼羅でした。

2019.4.11
大阪万博のシンボル「太陽の塔」は、曼荼羅でした。
左)東寺所蔵 『両界曼荼羅図』「胎蔵界」国宝/絹本着色/胎蔵界:縦183.6×横164.2㎝ 金剛界:縦183.6×横163.0㎝/平安時代9世紀 東京国立博物館にて、4月23日~5月6日展示
右)岡本太郎「太陽の塔」。地下(過去)、地上(現在)、空中(未来)からなる

芸術家・岡本太郎が手掛けた「太陽の塔」と、弘法大師空海が唐から持ち帰った密教の秘宝『両界曼荼羅図』。実は、このふたつの作品には深い関わりがあった……。

文:編集部/写真:たやまりこ
※この記事は2019年4月5日に発売したDiscover Japan5月号特集『はじめての空海と曼荼羅』の記事を一部抜粋して掲載しています。

岡本太郎、曼荼羅(まんだら)について語る。

写真提供:岡本太郎記念館

2018年11月、2025年大阪・関西万博が決定し、大きな話題となった。
大阪での万博開催は、1970年。日本で最初に開催された大阪万博(EXPO’70)以来、実に55年ぶりとなる。
EXPO’70は、日本の高度経済成長をシンボライズする一大イベントだった。そのシンボルゾーンに建てられたのが、芸術家・岡本太郎が手掛けた「太陽の塔」である。

実は、太陽の塔が「曼荼羅」だと、太郎が語っていたことをご存じだろうか?
EXPO’70のテーマ館ガイドの冒頭文に、太郎はこう記している。

テーマ館はEXPO’70の中心にあって,この祭りの理念を誇らかに表現する.
このパビリオンは閉ざされた一個の建物ではない.
メインゲート正面の広場にそそり立つ〈太陽の塔〉.
祭神であるこのモニュメントを核として,過去・現在・未来の三つの層が
重なりあって構成する巨大な空間だ.
それぞれが完結していながら,また渾然として一体をなす.
とざされていると同時にひらかれている.
三つの空間・時間は互いに響きあい,一つのうちに他の二者をふまえた宇宙の環だ.
瞬間々々に輪廻している.マンダラなのである.

実は東博で密教に出合っていました。

太郎は、一体どこで曼荼羅に出合ったのか? その場所こそ、特別展「国宝 東寺-空海と仏像曼荼羅」の舞台「東京国立博物館」だ。
太郎が、東博で「縄文」に出合い、その出合いが太郎の人生観に大きく影響を与えたことは有名なストーリーだが、実はEXPO’70以前、同館で開催された仏教美術展で太郎は密教芸術に出合い、衝撃を受けていた。

曼荼羅は「異様なサインのように」、「衝動と暗示」を太郎に与え、彼の足を密教の聖地、東寺と高野山へ向かわせたのだ。太郎は現地で見た両界曼荼羅図に「内なる世界と外なる世界を、わけあらわしたものだろう」と内宇宙と外宇宙を見て取った。
そのイメージが、太陽の内部と外部で両界を展開し、地下(過去)、地上(現在)、空中(未来)を行き来する四次元曼荼羅として立ち上がったのかもしれない。

特別展「国宝 東寺―空海と仏像曼荼羅」
会期: ~2019年6月2日(日)
会場:東京国立博物館 平成館(上野公園)
住所:東京都台東区上野公園13-9
時間:9:30 ~17:00、金・土曜~21:00(最終入館は開館の30分前)
休館日:月曜、5月7日(火) ※4月1日(月)は東寺展会場のみ開館、4月29日(月・祝)、5月6日(月・休)は開館
料金:一般1600円、大学生1200円、高校生900円、中学生以下無料
Tel:03-5777-8600 (ハローダイヤル)
https://toji2019.jp/

参考文献:『日本万国博覧会 テーマ館ガイド』(日本万国博覧会協会、1970年)、三木 学「太陽の塔」の図像学 試論」、岡本太郎『呪術誕生』(みすず書房)

もっと曼荼羅について知りたい方は必見!

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