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水窪の五穀を味わう“一夜限りのプレミアムダイニング”

2018.9.18 PR
水窪の五穀を味わう“一夜限りのプレミアムダイニング”
ダイニング会場となった水窪の家老平

静岡県浜松市の最北端、長野県との県境に位置する水窪(みさくぼ)は、その山深さから「天空の里」とも呼ばれる場所だ。そんな水窪で2018年9月3日、一夜限りの野外レストランが開かれた。
一流シェフが手掛ける料理の食材は「ネコアシアワ」をはじめとする“五穀”だ。

イネ科の一年生植物で、乾いた土地に適す「ネコアシアワ」は、水窪で江戸時代から受け継がれてきた在来種の穀物。つくり手の減少をはじめ、市販の作物への転換(農業の効率化)など、理由は様々だがその収穫量は減少しつつある。
これを危機としてとらえ、立ち上がったのが、「NPO法人こいねみさくぼ」と、地元浜松の菓子屋「春華堂」が手掛ける和菓子ブランド「五穀屋」だ。
両者は2014年より、水窪で「ネコアシアワ」の栽培を開始。収穫したアワを五穀屋の和菓子に使い、販売するなどしてきた。地元企業が地域と連携し、五穀の特産化を模索するかたちだ。

スーパーフードとして日本国内だけでなく、海外からも注目される五穀だが、意外にも機能性を裏付ける科学的根拠はまだない。
そこで、2018年4月には、サッカー元日本代表 鈴木啓太氏が代表を務める「AuB(オーブ)株式会社」とともに水窪アワを使った腸内細菌の研究を開始。その結果を雑穀研究会が主催する「雑穀研究会第32回シンポジウム in 水窪」で発表した。結果は、腸内細菌の多様性の向上(免疫力が上がるといわれている)、美肌に影響があるエクオール菌の増加などが報告され、腸内環境の改善が証明された。
一夜限りの野外レストラン「水窪五穀ファーム&ダイニング 2018」はこのシンポジウムに付随したプロジェクト。今回はこの「水窪五穀ファーム&ダイニング 2018」の様子を紹介したい。

テントが張られたダイニングエリア。周りにはネコアシアワの畑が広がる

参加者は、日本大学・信州大学教授・研究学生、日本雑穀研究会、雑穀協会関係者のほか、浜松市長や水窪の関係者など約60名。
メインシェフは「Jean-Georges Tokyo」の料理長の経歴をもつ米澤文雄氏。和食を担当するのは、京都の菊乃井にて修業後、地元浜松に「懐石 いっ木」をオープンさせた一木敏哉氏だ。ジャンルの異なる2人が手を取り合い、水窪の土地が持つ力と五穀の魅力を料理に込めて、参加者へと届けた。

ダイニング開宴までは、五穀を使用したピンチョスが振る舞われた。参加者はシャンパンやみりんを使用したモヒートを片手にネコアシアワの畑を観察したり、水窪の取り組みについて紹介するギャラリーを見学したりして過ごす。

五穀屋の五穀が練り込まれた最中皮をアレンジしたメニューも

ダイニングは17時からスタート。まずは三宝を台にした八寸がテーブルに運ばれてくる。五穀が収穫できないと、このダイニングは成り立たない。神様に捧げるものを乗せる三宝を使用したのは、収穫出来たことを神様に感謝するという意味が込められている。
ここで、当日提供された全ての料理を紹介する。

八寸【種】 水窪の五穀

手前は水窪の在来種のジャガイモ「じゃがた」

一の穀【風】 キュウリとパイナップルの冷たいスープ 水窪ネコアシアワのマスタードピクルス

酸味のあるスープとプチプチとしたアワの食感がクセになる

二の穀【音】 マスのミキュイ 五穀の香りと食感を楽しんで

肉厚のマス。ころもにはアワが使われている

三の穀【穫】 水窪家老平の五穀畑

水窪で獲れたアマゴを水窪の水で椀に仕立てた

四の穀【炎】軍鶏のルーロ、五穀と黒トリュフの出会い、水窪昔キビのピュレとローズマリー

観客の前でシェフが軍鶏を燻すパフォーマンスも行われた

菓子【空】 一夜限りの“水窪天地の恵”

菓子職人が観客の前で和菓子を盛り付けると歓声が上がった

料理を味わった水窪の関係者たちは「おしゃれで美味しい。五穀を使った料理にこんなにもたくさんの可能性があるとは知らなかった。水窪のブランドとして広めていきたい」と嬉しそうだ。

開催日は霧が周囲を包み、幻想的な雰囲気だった。しかし、水窪に住む人々は晴れた日の星空を見てもらいたかったと悔しがる。
そう、五穀だけでなく、満天の星空も水窪ならではのおもてなしなのだ。

今回はじめて開催された「水窪五穀ファーム&ダイニング 2018」だが、早くも一般の人々が参加できるイベントに育って欲しいと期待してしまう。
浜松駅から車で3時間と、決して好アクセスとは言えない水窪。しかし、わざわざ訪れたくなるような魅力をたくさん持つ場所である。
はたして、五穀を使った6次産業化・持続可能な事業となるのか――。
水窪のこれからに注目していきたい。

五穀屋WEB
http://gokokuya.jp/